2013年の秋に、フレンドさん達との付き添い撮影で、岩美町に行ってきた。京アニの人気水泳アニメFree!のモデルとなった街を巡る旅、いわゆる聖地巡礼である。
詳しいレポについては別の写真ブログに掲載しているので、そちらの方を見て頂くとして、このサイトでは、各ロケ地と撮影風景を詳しく述べていこうと思う。
http://marchen-photo.com/2676
とは言ったものの、思い出深くて楽しい旅行だったので、思い出せる限りで旅行記も書いていく。
旅の主役は20代前半の4人の女の子たち。実は深夜に車で拾ってもらう前に、大阪南港ATCのコスプレイベントでFree!の水兵のコスプレをやってきたとかで、返す刀で岩美町に向かうという、文字通り弾丸旅行となった。
道中は鹿の死体が横たわっていたり、向こうからヘッドライトが近づいてきたと思ったら、何処にも車なんて走っていなかったりなどの怪奇現象にも見舞われたが、まだ日も上らぬ時刻に無事鳥取に到着。コンビニの駐車場で休憩する。
そこから鳥取砂丘へ。まずはEDのアラビアンの衣装から撮影することになった。4人が車の中で着替えている間に、砂丘の写真を撮っていくことにした。
朝の8時。太陽もまだ頭上に昇っていないので、綺麗な砂丘が撮れた。
一番はじめに着替え終わったあーちゃんを撮影していく。砂漠での撮影は神経を使う。砂だ。細かい粒子がカメラやレンズに入り込むという。そこで対策として、キヤノンのレインカバーSサイズを被せて撮影することにした。天辺に穴を開けて、ストロボを装着出来るように改造。
プロフェッショナル機の1DXだし、防塵防滴も他のカメラよりも優れていると聞いていたのだが、油断大敵ということで慎重に慎重を重ねた。
というのも以前、大阪は二色浜で撮影した折に、初代5DとEF24-70mm2.8Lを持って行ったのだが、撮影後にダイアルがジャリジャリというようになった。たしか5Dは防塵防滴機能がなかったように記憶している。ズームレンズも、構造上砂が入りやすいと聞く。
というわけで今回は慎重に行こうとなったのだが、やはり使いづらい。透明のビニールから液晶画面を見ることが出来る物の、当然見づらい。レインカバーを捲っては液晶を確認し、元に戻して撮影。その繰り返しだった。
太陽のある方向に顔を向けて貰ったが、朝9時ということもあり顔に気になる影は落ちていない。むしろ順光特有の綺麗なつるっとした肌に撮れる。フラッシュは使っていない。レフ板も確か使っていなかったと思う。キャッチライトは太陽だろうか。オートライティングオプティマイザを標準に設定して、被写体に明るさを得ている。
装着しているレンズはEF24-70mmF2.8Lの大三元ズームレンズ。砂漠という面倒な環境の中でレンズを変える手間を省く目的で、まずはこのレンズを選んだ。様々な焦点距離で撮れるのが有利だ。
朝方は順光で撮っても差し支えない。太陽は斜め左側から顔に当たっている状態。気になるような影も出ず、顔がシャープに写る。ポートレートモードにすると、肌が白めでピンクが強調される。全体的に薄めの色となるため、せっかくの砂丘と衣装を鮮やかな色にするため、彩度を+2に補正してみた。
ピンショットの時はほぼ開放F2.8で撮っていたが、4人揃った所で、F4に変更。しばらくズームで撮っていったが、大きな水溜まりがあったので場所を変更。遠くから撮ると、鏡のように4人の姿が映る。
遠いので、200mmの望遠に付け替えた。
撮影中に犬を連れた家族連れがやってきた。どうやら一緒に撮って欲しいということで、6人をおばあちゃんが撮影。その様子を望遠レンズで撮影した。いい具合に手前に写っているおばあちゃんがピントから外れていて、メインの6人とワンちゃん4匹にクッキリとピントが合い、更に圧縮効果で背後に砂漠の丘が迫っているので、被写体が際立っている。開放F2.8でも横一列に並んでいたためか、6人とワンちゃん全員にピントが合っていた。ひょっとしたら砂漠で撮った写真のベストショットかも知れない。肖像権の配慮から写真をお見せ出来ないのが残念。想像にお任せしたい。
10時半を回り、日も昇ってきたので、ストロボを装着して、日中シンクロで撮影。順光で出来る顔の影を飛ばす。
全体的にシャープで肌や衣装の質感も漲るほどに描写出来ていて綺麗である。顔にかかっていた影も綺麗に飛んでいる。しかしどうも合成写真のようになってしまうのが気になった。自然な感じの写真も欲しいので逆光で撮ってみようかとも思ったが、残念なことに背景が建物などもあり現代的であまりよろしくない。
日中シンクロを用いると合成写真のような非現実的なイメージの写真が撮れるが、シチュエーションによっては、それが欠点となることもある。そこでレフ板で影を起こせないかと試してみたが、完全には飛ばせない。
しかしこれはこれで良いのではとも思った。何も完全に顔の影を飛ばし綺麗に撮るだけが人物写真ではないし、不自然な写真が良くないというわけでもない。砂丘という非日常的なロケーションで、顔に影をかけたり、イレギュラーな表現を求めるのもアリなのではないだろうか。
鳥取砂丘を後にして、岩美町の駅へ向かうことになった。続く。