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5DsRと1DXのRAW現像時間を比較してみた

5060万画素の高解像度一眼レフデジカメ 5DsR

5060万画素の高解像度一眼レフデジカメ 5DsR

せっかく5DsRを購入したのだから、レビューなどを上げようと思ったのだけれど、いざキーボードの上に手を置くと、何の話題から取り上げたら良いのか迷う。

おそらく一眼レフデジカメを買って、まずやることといったら、当然写真を撮ること。これは当たり前だ。でもその写真を実際に細部に渡るまで鑑賞するとなると、パソコンに取り込まないわけにはいかない。一昔前のフィルム時代なら、街の写真屋さんにフィルムを現像に出すか、自宅の暗室で現像するなりの手順をとったのだろうが、デジタル時代はまずパソコンがなければ何事も始まらない。

というわけで、5DsRで撮った写真データを、実際にパソコンに移動したりRAW現像したりする際に、どの程度のレスポンスなのかを、体感と実験の双方から綴っていきたいと思う。

USBケーブルとカードリーダーでは速度が断然違う

基本的にRAWで撮ったデータを前提に話を進める。RAWデータはJPEGよりもファイルサイズが大きい。撮った写真に寄るが、5DsRのRAWファイルのサイズは、1枚あたり50MB前後はある。大体1日の撮影で32GBから50GBは容量を使う。撮影後に問題となってくるのが、データをパソコンに取り込むのにかかる時間だ。

カメラからパソコンに写真データを取り込む方法は、2通りある。カメラとパソコンをUSBケーブルで繋いで、データを移動させる方法が1つ。もう一つの方法は、カメラから取り出した記録メディアを市販のカードリーダーに差し込んで、USBケーブルでパソコンに繋ぎ、データをコピーアンドペーストで移動させるというもの。

結論から言うと、カードリーダーの方がすこぶる速い。5D時代から僕はカードリーダーでデータをパソコンに取り込んできた。一度カードリーダーを使うと、USBコードでの取り込みには戻れない。それくらい速い。

なので、5DsRの付属品であるコードがUSBコードなのか特殊なコードなのか、はなから使う気がないので、よく分からない。おそらくUSBだろうが、この方法だと初代5Dでもデータをパソコンに取り込むのに時間がかかりすぎたので、カードリーダーに移行してしまった。

使用しているカードリーダーはバッファロー製だ。パソコンがUSB3.0に対応していればより速くデータを取り込めるし、付属のソフトをインストールすれば最大23倍速になる。この製品のキャッチコピーによると、カメラからの直接接続で36分かかる場合、このカードリーダーを使えば1.5分で済むそうだ。

というわけで、データファイルが物凄く大きい5DsRの写真も、カードリーダーを使えば、ストレスなく、楽々とパソコンに取り込むことが出来る。

RAW現像ソフトCanonDPPとadobe Lightroomの特徴

次に問題となってくるのが、RAW現像ソフトだ。RAW現像ソフトは、大きなファイルを扱うために、ハイスペックなパソコン性能が要求される。スペックが低いと、処理が遅くなり、もたつくので、現像が非常にストレスのかかる作業となる。余りに動作が鈍いので現像途中で放り出してしまいたくなるだろう。

代表的なRAW現像ソフトは2つ。Canonのデジタル・フォト・プロフェッショナル(DPP)と、adobeのPhotoshop Lightroomだ。CanonのDPPは、カメラ本体を購入すれば、無料でついてくる。Lightroomはパッケージ版が10,000円前後だが、最近はアプリケーションソフトがクラウド化しているので、オンライン版でphotoshopと併せて月々980円で利用するコースも用意されている。

これも結論から言うと、lightroomの方が処理が速い。DPPはアップグレードで以前よりも格段に処理スピードが向上したが、それでもlightroomの処理能力スピードには及ばない。後塵を拝している状態だ。でも僕はDPPの方を好んで使う。何故か。

Canon純正のRAW現像ソフトであるDPPの利点は、写真をPCに取り込んだ際に、使用したカメラに忠実な色を再現出来ることだ。またホワイトバランス微調整や、ピクチャースタイルなども、撮影時と同じように適用出来る。現場で設定しなくても、家に帰って、現場で撮影している時と同じようにゆっくりと腰を据えて色味調整に取りかかることが可能だ。ただし、絞り、焦点距離が紡ぎ出すパースとボケ味など、現場できちんと設定しておかなければならない要素は、RAW現像ソフトを持ってしても、変えることは出来ない。

厳密に言えば、絞りの紡ぎだすボケも、パースも、Photoshopで加工すれば変えられないことはないが、手間がかかりすぎるし、今はRAW現像の話に的を絞って話を進める。

更には、デジタルレンズオプティマイザと呼ばれるキヤノン独自の機能が搭載されている。簡単にいうと、開放や開放付近で撮影した時に欠点となって現れる各収差を、Canonの各レンズに合わせて修正してくれる。開放で撮るとピントの合っている部分がぼやっとしている画像をシャキッとシャープにさせたり、高輝度と低輝度の境に発生するパープルフリンジを緩和してくれたりする。広角レンズの歪みも補正してくれたりと、光学上の様々な欠点をおのおののレンズに合わせてワンプッシュで手軽に修正してくれるのが、デジタルレンズオプティマイザの機能だ。これを使わない手はない。

CanonDPPとadobe Lightroomの処理速度を比較

5060万画素を誇る5dsRは、2016年1月の時点で最も解像度の高い一眼レフデジカメだ。前述した様に写真の容量もそれだけ大きくなってくる。そうなると、RAW現像の際にも、使用しているパソコンに、高い性能が求められる。ここでは、adobeのRAW現像ソフト、lightroomと比較して、どれくらいの違いがあるのか見ていくことにしよう。

使用しているパソコンのスペック
CPU 第2世代 インテル Core i7-2760QM プロセッサー
動作周波数 2.40GHz(インテル ターボ・ブースト・テクノロジー2.0に対応:最大3.50GHz)
コア数/スレッド数 4コア/8スレッド(インテル ハイパースレッディング・テクノロジーに対応)
キャッシュメモリ 6MB(3次キャッシュ)
メモリ 16GB
グラフィックアクセラレータ インテル HD グラフィックス 3000(CPUに内蔵)
ハードディスク 約3TB(Serial ATA、高速7200回転/分)

lightroomと比較した場合のDPPの使用感について、感覚的に述べていく。

データの取り込みに関しては、余り気にならない程度の遅さ。

原寸大表示は割とすぐに表示される。DDPver3からver4にアップグレードされて、動作が一段と速くなった感じだ。

現像中の感覚としては、lightroomの方がレスポンスは速い。lightroomと比べると、DDPは適用した効果が表示に反応されるまで感覚的にはワンテンポ遅い感じがする。

キヤノン独自の技術、デジタルレンズオプティマイザの適用には10秒ほど時間がかかる。複数の写真に一括でこの効果を適用する場合は、更に時間がかかる。

次に、RAWをJPEGに変換した場合にかかる時間を計ってみた。

DPPとLightroomのJPEG変換にかかる時間を比較
DPP Lightroom
5dsRの現像時間 1枚・・・35秒
100枚・・・58分
1枚・・・10秒
100枚・・・16.6分
1DXの現像時間 1枚・・・12秒
100枚・・・20分
1枚・・・4秒
100枚・・・6.6分

※同じ写真で比較

lightroomはDPPに比べると、3分1以下の速さでJPEG変換出来る。ここが大きな違いだ。

1回の撮影で撮る枚数は、平均して800枚前後である。となると、5DsRで撮影した写真データのJPEG変換には8時間かかる計算になる。とてつもなく時間がかかるが、パソコンをディスプレイオフなどの省エネモードに自分で設定して、電源を付けっぱなしの状態で一晩働かせておけば、朝起きたら、JPEG変換は終わっている計算になる。

すべての撮影データをJPEG変換するのはコスプレ写真のお渡しくらいだろうから、個人が楽しむ形でなら、1回に行うJPEG変換は数枚か十数枚程度だろう。充分我慢出来る時間ではある。

それにしてもlightroomの処理能力は恐ろしく速い。5DsRの写真データ100枚JPEG変換を、16分で済ませてしまう。1000枚でも3時間かからない計算だ。

今後のDDPの課題としては、処理能力の点だろう。今より処理が2倍の速さになれば、かなり使い勝手の良いRAW現像ソフトになるに違いない。無償ソフトなので、余りエラそうな事は言えないが、早急にLightroomの処理能力の速さに追いついて貰いたいものだ。