ビックカメラとヤマダ電機、株主優待券の違い

ヤマダ電機の株主優待券、お得に使うにはコツが必要。
ヤマダ電機の株主優待券、お得に使うにはコツが必要。

同業他社のヤマダ電機とビックカメラ、株価だけで見ると2019年1月10日現在で、ヤマダ電機の株価はビックカメラの3倍ほど差を開けられている。単純に比較するためにPERで見るとビックカメラは約14.3倍、ヤマダ電機は約27.8倍なので、ヤマダ電機の方が割高感が強い。配当利回りはビックカメラ1.4%に対してヤマダ電機2.4%と1%の違いがあるが、大口ならともかく、小口株主にはその差の恩恵は余り実感しづらい。

2社とも株主優待制度を設けている。双方とも商品券で保有時期が長いほど追加で貰える。配当利回りの違いもあるし、枚数などの細かい比較は置いておくとして、その使用方法には大きな差がある。ビックカメラは購入価格に制限なく使える商品券だが、ヤマダ電機の場合は購入価格の半額を条件に使える。どういうことかというと、1,000円分の商品券を持っていて、1,000円の商品を購入しようとしたときは、その半額の500円しか使えない。3,000円分持っていて3,000円の商品を購入するときは1,500円、1万円分持っていても、1万円の商品を購入するときは、5,000円分の商品券しか使えない。つまり全額使えない。実質的に半額に出来る商品券という事になる。また使用できる商品券の上限も設けられている。

またヤマダ電機で家電を買う場合、ヤマダ電機向けのオリジナル製品があるらしく、パナソニックの電子レンジを買ったときは、まさにこれで同じような製品でも型番が異なり価格がパナソニック通常版の他社Web価格よりも若干割高だった。株主優待券を使って他社のWeb通販と同等の価格になった。これならヤマダ電機の店舗で買わなくても、別の店のネット通販で買った方が安く済む。実際株主優待の商品券を使って購入したが、割高だったものだから、優待券の恩恵が帳消しになったような形だ。

ネット通販にしても、ビックカメラはとっつきやすいが、ヤマダ電機のネット通販は自分的にはサイトの知名度が低い印象がある。またアプリをインストールしてみたが、ストロボを検索してみると、ヤマダウェブコムとヤマダモールの2種類のネット通販があるみたいで、価格も異なっていた。ヤマダモールに出品されていたストロボはヤマダウェブコムよりも安いが、どういうシステムになっているのか分かりづらく余り食指が伸びない。

ではヤマダ電機の株主優待券は使えないのかと言ったら、そんなことはない。ゲーム機は大体値段はどこも高止まりで同じ価格なので、ゲーム機やゲームソフトを購入するときは株主優待券が生きてくる。CD価格も値下がりしないのでお得に買える。Blu-rayやDVDソフトは種類によるだろうか。また書籍コーナーのある店舗もある。本も再販制度で安くなることはないので、500円綴りの株主優待券が生きてくる。ヤマダ電機の株主優待券を有効に使うなら、家電よりもゲームや本などの価格があまり変動しない商品を買った方が良い。

ビックカメラも家電以外に色々売っているので、同じように株主優待券を有効に使える。

Web通販にも使えるビックカメラ優待券と、実店舗でしか使えないヤマダ電機優待券

ビックカメラの株主優待券は実店舗とWeb通販どちらでも利用できる。Webで購入後にビックカメラに株主優待券を送付すれば、その金額分が指定した口座に後日入金される。一方でヤマダ電機の株主優待券は実店舗のみでしか使用できない。

一利用者の実感としては、ビックカメラはWebサイトの通販は10%ポイント還元で、3%ポイントアップのレシートがついてくるなどポイント還元キャンペーンも充実していて買い物しやすい、買い物したくなるという気にさせるが、ヤマダ電機のWeb通販は買い物しづらい。まずどの様なポイント還元システムなのか、余り利用しないし大きく宣伝もされていないので分かりづらい。どういうわけかビックカメラと比べるとヤマダウェブコムは縁遠いイメージが筆者にはある。まぁ個人的な利用頻度が原因なのだろうが、株主優待券がネットショップでは使えないのも大きいのだろう。使えないと当然利用しない。利用しないと記憶に残らないから、普段のWebでの買い物の際にも選択肢に上がらない。

実はヤマダ電機のWeb通販には、チャットで値段交渉が出来る。業界最安値を掲げるヤマダ電機特有のサービス。またヤマダ電機は店舗数が多いので、どこにでもある。神戸市民がビックカメラに行くには難波まで出なければならないが、神戸市中央区から東や芦屋にはヤマダ電機が3、4店舗くらいあるからアクセスしやすい。元々は地元で展開していたせいでん(星電社)の店舗だった所が多いが、震災以降業績が悪化したためにヤマダLABIに店名を変えて営業してるという事情がある。

1つ注意しておかなければならないのは、10%ポイント還元と聞くと大きいように思われるが、他のポイント1%還元のネット通販サイトと比べるとその分だけ割高の価格設定になっていることも考慮に入れる必要がある。実店舗で株主優待券を使った方がお得か、それともWeb通販で買った方が良いかなど、組み合わせによって損得勘定しなければならない。

ヤマダ電機の株主優待券のメリットとデメリット

  • ヤマダ電機の株主優待券はネット通販では使えない。
  • 実店舗ヤマダオリジナル製品と他社Web通販製品との価格差があり、家電製品で使うと優待メリットが帳消しになる場合もある。
  • すなわち割高の価格設定の製品を株主優待券を使って購入するくらいなら、その製品は他社Web通販で購入して、別の商品、例えば本やゲーム、CD購入に優待券を割り当てた方がお得に買い物できる。
  • 店舗数が多いのでアクセスしやすい。
  • セール価格にならないゲーム機や本・CDを購入するときは株主優待の恩恵を享受できる

ヤマダ電機がビックカメラみたいなシステムになれば、株価上昇も夢ではないかも知れない。