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NHK大河ドラマ「真田丸」始動!

真田丸 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)

今年のNHK大河ドラマは念願の真田信繁(幸村)が主役。実は2年程前に、来年の大河ドラマは何をやるだろうと戯れにツイッターで配役予想を呟いたことがあった。戦国時代好きで「信長の野望」をプレイする時はいつも真田家を真っ先に上げている自分としては、真田幸村のドラマが見たいと常々思っていた自分は、幸村主役ドラマの配役を予想をしたのだけれど、その数時間後に再来年の大河ドラマのテーマと配役のニュースがインターネットで配信されて、まさに真田信繁役と父の真田昌幸役がドンピシャだった。

堺雅人は、三谷幸喜脚本の新選組!の山南敬助を演じたのを見てからずっとファンで、あれ以来堺雅人の出演している映画やドラマをちょくちょく追っかけてきたのだけれど、なかなか出演作品がパッとしないものが続いた。新選組!で見せたテレビの画面から溢れんばかりの魅力ある演技力なら、ブレークしてもおかしくなかったのに、これといった主要作品が思い浮かばない。最近になってようやく「リーガル・ハイ」のコミカルすぎる弁護士・古美門研介や、「半沢直樹」の純真真っ直ぐなバブル組熱血銀行員などで大ブレークしてからは、むしろ見なくなってしまったが、お気に入りの俳優であることには変わりないので、主役を堺雅人で予想したら見事に当たった。父の昌幸役は30年以上前に大河ドラマ「真田太平記」で真田幸村を演じていた草刈正雄が今度は父役を演じたらなぁと夢の配役を次々と予想していったら、こちらも当たった。後は外ればかりになってしまったけれど、発表された二年前から楽しみにしていた大河ドラマがようやく放送となって、久しぶりにワクワクしながらテレビを点けた。

今回の大河はコーエーの歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」制作チームともコラボしていて、当時の勢力図を説明する際に登場するマップは、信長の野望「創造」がベースとなっており、別フレームで表示される顔写真も影をつけるなど、ゲーム仕様になっていて面白い。実際第1回の放送でも2回登場し、小さな白い鳩の群れが飛び立ったり、動く雲のCGは「創造」のマップ描写そのままだった。OPのラストも軍勢が行き交うシーンなど、信長の野望のゲーム内描写そのままだ。

子どもの頃から慣れ親しんできたゲームが大河ドラマとコラボするということは、少年時代にテレビゲームで育った世代が大人になり、歴史大河ドラマを楽しむ主要層を占める様になった証左とも受け取れる。2,30年前なら、大河ドラマの本編にゲームの素材が盛り込まれるなんて有り得なかっただろう。ドラマ本編が始まる前の承前シーンには登場していたかもしれないが。

新選組!でも筆を執った三谷幸喜が脚本ということもあり、この時点で既に内容はお墨付き。喜劇作家なので実際何度も笑えるシーンがあった。「武田は滅びませぬっ!!」と武田勝頼を前にした軍議の席上で熱を込めて力説する真田昌幸のアップのシーンがパッと変わると、「武田は滅びる」と息子二人の前でコロッと態度を変える所など、久しぶりに楽しく笑えた。主役の信繁も昌幸同様なかなかコミカルに描かれている。うつ伏せで足をブラブラさせたり、兄と将棋崩しに興じたりと、過酷な戦国時代が舞台だが、肩の力を抜いて観れるドラマとなっている。

第1回の最後には、これから真田家と関わりを持つことになる大名紹介が始まる。無言の上杉景勝、毎日飯に掛ける汁の量も推し量れない北条氏政、爪を噛む癖が抜けない徳川家康など、それぞれ史実や伝承に基づいた当人達の性格を僅か十数秒で見事に視聴者に伝えていて、上手い演出だなぁと思った。

武田家滅亡の過程も詳しく描かれている。木曽谷の領主木曽義昌、駿河領営を任されている穴山梅雪、岩殿城城主の小山田信茂などの裏切りがきちんと時系列で描かれていた。この辺り、他のドラマなら余り詳しくは取り上げられないので見ていて楽しい。それにしても配役が豪華で、明智光秀が供応役で、織田信長が徳川家康のこれまでの働きを労う接待シーン、本能寺の変の火種ともなるあの折檻シーンで、何故かいつも家康のそばで座っている、その頭巾頭で目立つんだけどいったい誰なんだろうこの武将と毎度視聴者の頭の中に疑問を抱かせているであろう謎の人物・穴山梅雪を演じるのが、榎本孝明。今までなら余り名前の知られていない俳優が演じていたチョイ役の役どころに、こんな豪華な俳優を持ってくるのだから、深く描かれるに違いない。

そして歴史ファンから大いに嫌われているであろう小山田信茂を演じるのが、温水洋一。いつもの弱々しいイメージとは違い、写真で見るととても勇ましい武将顔だが、やはり主君の勝頼を裏切る段になると、不安げな表情で唇を震わせていた。勇ましい表情と頼りなげな表情を見事に使い分けることが出来る器用な俳優だと思った。
テレビをほとんど見なくなってから久しいが、久しぶりに毎週楽しみに視聴出来るドラマが出てきたので、今回こそは1回も欠かさずに視聴していきたい。