写真関連ソフトを開発しているDxOからダイレクトメールが届いた。2021年7月31日まで、Nik Collectionの新バージョンが30%OFFで手に入るという。買って損はないが、最近はコロナ禍で撮影にも余り行けていないし、写欲が減退しているから、過去に撮った写真のレタッチも乗り気にならない。高価なプリンターも買ったが、実際に刷ったのは3,4枚程度でプリントする意欲すら湧かない。
とりあえずDxOのサイトにアクセスしてみると、PureRAWという聞き慣れないアプリがバンドルで販売されていた。Nik Collecitonを既に所有していると、約14,000円で購入できると、マイページに表示されていた大きなバナーに書かれていたが、試しにカートに入れてみると、そこから恐らく30%OFFが自動的に適用されたのか、約10,000円の価格になった。
今月は本を3万円程購入したし、他にも支払いが色々とあるからお財布も厳しいしで購入を躊躇っているのだが、30日間無料のお試し版があるという事で、PureRAWなるものをダウンロードして試してみた。
どういうソフトか。端的に言うと、RAWデータを修繕してくれるという。高感度撮影によるノイズ、レンズによる収差、古いカメラのRAWデータの改善などを謳っている。
PureRAWの使用方法
実際にインストールして試してみた。アプリを立ち上げて、CanonDPPで表示させていたRAWファイルのサムネイルをそのままPureRAWにドラッグ&ドロップすると、レンズ補正データのダウンロード確認が表示された。広角レンズで撮影した写真の情報は正しく読み込んだみたいだが、ツバメの写真で使用したCanon EF400mm F5.6に対してはF4 DOがリストアップされた。使用しているレンズとは異なっていたが、何かしら効用があるだろうとダウンロードした。
「保存」を押すと、しばらくしてから画像が表示される。メニューは少なく、やることと言えば、左上の「画像を処理」の大きなボタンをクリックするだけ。
次に3つのRAW処理中のメニューが示される。
処理を速くするか遅くするかということだろう。パソコンの性能をフル活用するメニューDeepPrimeを選ぶと、推定で60秒処理がかかると表示されていたのが、実際にかかったのは11秒だった。速い速い。
そのあと、PureRAWに戻るを選択すると、処理前と処理後の画像をスライドで比較できる。確かにノイズは綺麗に消えていた。
DxO PhotoLabの代替として有効
DxO PhotoLabは超高感度ノイズ処理のPrimeが非常に優れているので、それを目当てに代々買い続けてきたが、Photo Lab 2あたりから、今までも結構重かったアプリの立ち上がりが激重になって使うのを止めてしまい、いまVer4が出ているがアップグレードしていなかった。RAW現像ソフトではAdobe Lightroomが処理も表示もJPEG書き出しも最も速く、次いでCanonDPPが表示やJPEG書き出しはもたつくものの処理にそこそこの速さがある。一方でPhoto Labは重い。1枚だけの画像編集ならまだ耐えうるが、アプリ自体の立ち上がりに時間がかかりすぎるので、高感度撮影のノイズ処理の恩恵を受けたかったものの使っていなかった。
しかしながらこのPureRAWは重さの欠点を払拭している。パソコンのスペックにもよるだろうが、とにかく処理が速い。Photo Lab2とは雲泥の差。Photo lab2のPrime機能を使いたいけれどアプリが重いからと敬遠していた筆者としては、まさに打ってつけのアプリ。
PhotoLab2のPrimeでも結構時間がかかっていたから、11秒ほどで処理が終わるのは速いと感じる。
やっていることはPhoto Lab 2の高性能なPrimeノイズ処理やレンズ補正と変わらないのなら、それらの処理はPureRAWにお任せして、現像はLightroomでやるというワークフローも在りだ。
Lightroomも昨今は高性能化してきて、PhotoLabでしか出来なかった大胆な画像レタッチがLightroomで簡単にしかも時間がかかることなくスムーズに出来るようになったので、PhotoLabのPrimeノイズ処理が使いたいなら、このワークフローが最適解だろう。
あとは拡張子DNGファイルで保存して、PhotoshopやLightroomでRAW現像が出来る。残念ながらCanonDPPはDNGに対応していないから現像は出来ない。
なかなか高性能でお手軽なアプリだが、金欠気味なので買うとしたらクレジットカードの支払いを再来月の27日まで延ばせる今月28日以降だろう。
ここから先は、PureRAWとCanonDPPの処理による描写の違いを限定公開記事で比較していきたい。(全文:3,200字)