カメラの露出シミュレーション機能って何?

5060万画素の高解像度一眼レフデジカメ 5DsR
5060万画素の高解像度一眼レフデジカメ 5DsR

先日カカクコムを見ていたら、5DsRの露出シミュレーションの話題について掲載されていた。

5DsRの露出シミュレーション機能が、5DMarkⅢのそれに比べて、暗所では全く機能しないというブログでの報告が紹介され、それについて各ユーザーが意見を取り交わしていた。

紹介されたブログを読んでみると、5DMarkⅢと比べて確かに真っ暗だ。同条件の下で実験しいているので、実験結果に間違いはない。

様々な意見が飛び交っていたので、さっそく僕も1DXと5DsRで実験してみた。

実は僕自身は、カメラに露出シミュレーションなんて機能が付いているなんて、つい最近まで知らなかったし、自分が夜撮影で使っていた機能に「露出シミュレーション」という名称が付いていることも、この投稿をきっかけに取扱説明書を読んで知った。

5DsRの分厚い取扱説明書を索引からめくってみると、確かに1ページの半分を割いて、露出シミュレーション機能について記載されていた。取扱説明書を最初から最後まで読み込むタイプの人間ではないので、これでは気づかないのも当然だ。

この機能はデフォルトではONになっているようだ。夜間撮影でライブビューモードで撮っていると、液晶画面に映る映像が明るくなるのにはこういうわけがあったのだと、ここにきて初めて知った。

まずは1DXにEF24-70mm F4 IS USMを取り付けて撮影。夜中に部屋の蛍光灯を消して、真っ暗な部屋の中でライブビューモードにしてみた。

結果は真っ暗。何も写らない。

そこで、トランスミッターを付けて、Canon 600EX-RTをワイヤレスで光らせる設定にしてみた。今度は赤茶けたノイズだらけの映像が液晶画面に表示された。

同じ手順を踏んで、5DsRでも実験してみたが、こちらはどちらとも液晶画面は真っ暗なままだった。

件のブログに掲載された報告によると、5DMarkⅢでは、暗所でもきちんと表示されるらしい。

露出シミュレーションの意味

露出シミュレーションは、今現在のカメラの設定で、どれくらいの写真の明るさになるのか、ライブビューモードで目視するための機能だ。カメラの設定を変えると、ライブビューモードに映る映像の明るさもそれに合わせて変わる。

件のブログにある様なシャッタースピード30秒の長時間露光で風景写真を撮る場合には、露出シミュレーションは便利だ。長時間露光は時間がかかるので、マニュアルモードで撮る際には、露出確認の為の撮り直しが、時間のかかる面倒な作業になる。それをカメラの設定変更でリアルタイムに確認出来るなら、あるにこしたことはない。5DsRではその機能がうまく効かないとなると、確かに問題かもしれない。

5DsRは拡張ISO感度でも12800までなので、1DXや5DsRと比べると、暗所での露出シミュレーション機能が上手く働かないのだろうか。

記憶に残っている所では、夏の夜に布引ハーブ園の丘に、5DsRと三脚を抱えて花火を撮りに行った折りに、ライブビューで風景を撮影していたら、明るく写っていた様な気がする。まだ露出シミュレーション機能が勝手に動作しているというのを知らなかった時期で、ただ普通に見やすくて便利だなと思っていた程度だ。

去年のクリスマスに、三脚で満月を撮影した時も、問題なく使用出来た。ちゃんとカメラの設定に合わせて、露出シミュレーションが機能していて、月が明るくなったり暗くなったりした。

こないだ神戸にポートレートを撮りに行った時も、夜の撮影で、イリュミネーションが綺麗な街中でライブビューモードにして撮っていたが、液晶画面は明るくなった。この時もまだ露出シミュレーションという機能が働いているなんて事は知らなかった。

おそらく夜間に5DsRで手持ち撮影するとしたら、ポートレートの用途に限られてくる。その用途で、明るく表示出来て、ライブビューで拡大表示させてピント合わせが出来たのなら、僕としてはそれで御の字だ。

露出シミュレーションを夜間撮影のピント合わせに用いる

ちなみに僕はライブビューモードはピントを合わせる用途で使う。露出の確認の為には使わない。ファインダー内の露出パラメータも参考にしつつ、マニュアルモードでその場の環境を見て、勘でで絞り値やISO感度、シャッタースピードを設定して、何度か試し撮りしてから露出を決める。

例えば夜間にストロボを使ってポートレートを撮るとする。絞り値の決定値は絵作りによるだろう。シャッタースピードも手ブレしない限界の所で設定する。この2つの値が決まったら、ISO感度で全体の明るさを決める。最後にストロボの光量を設定してシャッターを押すという手順を取るが、僕は面倒くさがり屋なので、大体このくらいの値だろうと、この4つをいっぺんに勘で設定してから一度撮ってみて、叩き出した写真の明暗を見て、各種を最適値に設定するというやり方で撮っている。

なので、5DsRを用いた今後の撮影で、主にピント合わせの面で、ライブビューによる露出シミュレーション機能が必要になってくることがあるかも知れない。

1DXで夜間にポートレートを撮影した際には、トランスミッターとスピードライトの電源をオンにして、ライブビューモードにすると、カメラの設定は明るくないはずなのに、光に照らされているかの様に明るくなり、拡大表示でピントを合わせることが出来た。5DsRで今回実験してみた限りでは、暗いままだったので、この機能が使えないとなると、夜間でストロボを用いたポートレート撮影が難しくなってくる。

元々夜撮影の際にライブビューでピントを合わせる様になったのはつい最近で、以前は懐中電灯やLEDライトをアシスタントかモデル自身に顔に当てて貰って、ピントを合わせていたので、手間がかかるだけで、撮れないということはない。

今後ファームアップで改善されるかも知れないので、事態を見守っていきたいと思う。