JR岩美駅から車で直進。浦富海岸へ向かう。グーグルマップを見て貰えれば分かるが、浦富海岸は日本海に丘のように突き出した海岸線を半周するような形で広範囲にわたる。僕たちが向かったのは田後の近くの浦富海岸だ。アニメのOPや本編に何度も出てくる場所だ。
実を言うとFree!は楽しく見ていたのだが、この当時はモデルとなっている町の背景とかには全く関心がなく、アニメ本編に登場したという各場所に到着しても、ポカンとしていた。今回の聖地巡礼の撮影も、はしゃいでいた4人をよそに、普通の観光気分で楽しんでいた。この頃はそういう時期だった。
昔書いたレポはこちら。
http://marchen-photo.com/2696
ズームレンズをワイド端の24mmにしてダイナミックな広角効果を狙ってみた。
レイヤーも海も両方クッキリと撮りたいという意図の下、F値も9まで絞ってカリカリに。広角表現の斜め撮りは写真に動きが出るから良い。
なぜかここで魚眼レンズの登場。しばらくこれで撮って、データを見せたら「普通のレンズがいいかな」と言われた。
やはり真っ直ぐな望遠で、背景をボカす絵が好きですか。お望み通り、ズームに変えて70mmで撮影。二人の後ろ姿がシャープで美しい。
オフショットを撮るのも忘れない。ポーズを取っていない、気の抜けた自然体の姿も良い思い出となるだろう。むしろこちらの方が生き生きとしている感じがする。ズームレンズは画角を自由自在に変えられるから、レンズ交換の手間が省けて楽だ。撮りたい瞬間を逃さない。
アニメのワンシーンの再現。海岸沿いにゆるやかな弧を描いて伸びるコンクリートの小道。
ズームレンズから、単焦点EF85mmF1.2Lに変え、開放で背景をボカして撮影。時刻は昼の2時半だが、夕暮れ時のように撮ってみた。
85mmのF値1.2で思いきりボカしても、ここがモデルになった町であることが充分に分かる位の綺麗なボケ具合だ。被写体が立ち上がり、写真にも味が出る。
背景がクリアに写っている写真ばかりだと、画一的になるので、明るい単焦点レンズでボカすことも心がけよう。アニメの本編でも、思い切り背景をボカした描写があるのなら、聖地まできたのだから尚更ボカして撮らない手はない。スタジオやイベント会場では得られない本物の写真を手に入れることが出来るだろう。レイヤーさんにもこの背景のボケ具合が良いと言って頂けた。
時系列は前後するが、海岸の側にある荒砂神社。こちらもアニメでは夕暮れのシーンだった記憶があるので、夕暮れ風の色合いにしてみた。
ピクチャースタイルは風景かポートレートか迷う所だが、見比べてみた所、後ろの階段にかかる光がポートレートの方が瑞々しく透明感があったので、ポートレートにした。あと、写真全体がほんの僅かに傾いていたので、水平になるよう回転させてトリミングした。石段や海など水平線を描く風景が写るシーンでは、ほんの少しの傾きも目立つので、シャッターを切る時は細心の注意が必要だ。
この遠征撮影で持って行った機材を書き忘れていたので記しておく。カメラはキヤノン1DX、レンズはEF24-70mm F2.8L USM、EF85mm F1.2 Ⅱ USM、EF8-15mm F4L USM Fisheye、EF200mm F2.8L USMの4本。50mmF1.4も持って来てたかも知れないが、これでしか撮っていないので多分4本だろう。それとストロボ1灯にディフューザー。おそらくボストンバッグに詰めて移動していたと思う。
85mmは終始開放で撮っていた。この頃は開放至上主義だったので、複数メンバーの撮影でもお構いなく開放だった。ピントが誰にも合うように、横一列に並んで貰っていた。
浦富海岸を後にして、田後へ向かった。つづく。