水撮影と聞くと、ストロボを当てて連写で撮るというイメージが強いかも知れない。しかしCanon 1DXやNikon D5等のプロフェッショナル用の一眼レフデジカメを使用しているカメラマンなら経験がおありかと思うが、暗い場所で1秒間に11枚の高速連写で強目のストロボを光らせると、3,4枚程度しか撮れない事が多い。
ストロボの光量を弱くすれば連写できる枚数は多くなるが、そのためにはF値をF1.4の開放にして撮るか、ISO感度を上げなければならない。しかしF値は絵作りの大本となるところだから、モデル以外を暈かしたいのならともかく、モデルも水滴もシャープにカッコ良く写したいならF値は絞らなければならず、かといってISO感度を上げるとノイズが出てしまったり、背景が明るくなってしまう可能性もある。
だから水撮影の時は基本連写ではなく、ワンショットでの撮影になる。そうしないと幾らストロボを炊いて撮っても数枚以外は真っ暗な写真が量産されてしまい、シャッターの無駄打ちになってしまう。こういうシーンでProfotoのB1のようなモノブロックストロボがあれば連写も思いのままだろうが、高価で荷物が嵩張るし、多灯ストロボで背景に2色つけたりするのが常用なので現実的ではない。
理想的な写真を撮ろうと思ったら、連写よりもワンショットでタイミングを合わせて撮った方が上手くいく場合が多い。スポーツ撮影には連写は必要だが、コスプレ撮影の場合に連写が必要なのは、羽根や花びらやトランプを飛ばしたりするときだ。しかしそのようなシーンでもワンショットで狙った方が良い位置に羽根や花びらなどの小道具が写っている事が多い。
作例の写真は東大阪にある光画社スタジオ。このスタジオは蛇口を捻れば天井から水がしたたり落ちる造りになっている。だから基本水を散らす補助者が要らず、カメラマン一人で水撮影をする事が可能だ。要は雨撮影と同じ要領で、連写機能に頼らずワンショットで撮ることが出来る。
12時間撮影で、連写なしで2100枚も撮っていた。我ながら凄い枚数だ。スモーク撮影や水撮影が楽しかったし二人のレイヤーさんも美形なので、シャッターも弾んだのだろう。