ライティングの設定はカメラマンにとって至福のひとときだ。モデルの美しさを引き出すためのライティングをあれこれと試行錯誤するのは快楽的でもある。結果が伴えば尚更だろう。
ライブ風に撮るときの一つの手法として、バックライトを演出するというものがある。ライブハウスに足を運んだ方なら分かるかも知れないが、ライブハウスは大抵演者の後ろの天井にカラフルなバックライトが点滅している。
バックライトが逆光となり、ステージを光で彩る。特に白のライトは効果的で、光の幕を生じさせることもある。それがとてもライブらしくて良い。
というわけでいつものようにライブ風に撮るためのライティングをセットして撮影していたのだが、データを見せると、「あ、この光は要らないです」は要らないと言われた。
まぁ顔の前に光の幕が生じてチョット視認性が悪くなる演出方法でもあるし、そういう絵を好まないレイヤーさんもいるだろうしという事で、バックライトを演出していたストロボの電源をオフにし、通常の撮り方で撮影した。
後日レイヤーさんがアップした写真を見て、少し納得がいった。加工で写真全体をキラキラと輝かせていた。
作品はマクロスΔで宇宙が舞台のアニメだし、こちらの加工の方が似合っている。光の幕は要らなかった。
コスプレ撮影していて、凝ったライティングがいらない事も度々ある。結局の所、撮影で一番大事なのはコミュニケーションだという基本的な事に気づかされた日だった。