「学研まんが世界の歴史」と言えば、やたら細かい所まで歴史を描写している。集英社の「学習漫画世界の歴史」と比べてもその情報量は圧倒的に多い。例えばヒトラーの回ではミュンヘン一揆の一幕の描写があるが、その時の相手方の三人組の名前まで出てきて、詳しい政治的経緯が描かれている。集英社版の方にはそこまでの描写はない。また枠外の脚注が一ページに付き必ず一文ついている。
果たして対象となっている子供がここまで知る必要があるのだろうかと思えるくらいなのだが、子供の脳は柔らかく、感受性に富んでおり、脳細胞が活発に増殖している時期と聞いたこともあるので、繰り返し読むことで脳の中に知識が吸収されていくのだろう。
本は取っつきにくいが、漫画ならすんなりと入り込んでいけるという利点もある。まずは漫画を入り口に子供に歴史に対する興味を抱かせて、後追いで活字の本、教科書での小説でも何でも良いのだけれど、その辺りを読み込んでいけば、受験対策にもなりそうだ。二重に吸収することで、学習の成果を補強することが出来る。
肝心の漫画の方だが、絵はちょっと古い。表紙を見てもらっても分かる通り、単純で今風ではない。実は最近各出版社が漫画版「日本の歴史」や「世界の歴史」をリニューアルして、今風の画風で目がキラキラした、子供が喜んで飛びつきそうな漫画に様変わりしている。時代の流れだろう。しかしそれが為に、内容の方はというと、読みやすさを追求したのだろうか、ストーリー展開に重点が置かれ、肝心の知識については量が少ない。ゆとり教育の弊害が書籍にまで及んでいるといったところだろうか。
単純な絵の利点は、スペースを取らないので知識を細かいところまで描写できることだ。最近の画風と比べるとストーリー性には劣るが、本来の目的である歴史を学ぶには、知識が多い方が良い。漫画なら子供も興味を持つだろうし、興味を持てば、自ら調べるものである。今はインターネットの時代なので、Wikipediaでも自分で簡単に調べられる時代だ。重苦しい百科事典が家になくても、寝転がりながらネットで無料で百科事典を字引して、知識を吸収することが出来る。
そしてこれもインターネットの恩恵だが、電子書籍が普及し始めたおかげで、本を格安で手に入れる機会が増えた。今回紹介した「学研まんが世界の歴史」も全15巻をたったの3,238円で手に入れることが出来る。これが紙の書籍だと12,000円以上する。しかも電子書籍だから場所も取らないし、軽い。どこででも読むことが出来る。同じく「学研まんが日本の歴史」全17巻も期間限定価格2,964円で発売中だ。記憶にある限りではこれで二度目のセールだ。
子供の学習で大切なのは、自発性である。何事も自分でやりたいと思わなければ、結果がついてこない。その自発性を引き出す為には、一番取っつきやすくてわかりやすいマンガは子供の好奇心を刺激して、自発性を生み出す。慶應義塾大学に合格したビリギャルもマンガの「世界の歴史」を活用したという。将来の受験対策の為にも、この機会に是非全巻揃えてみてはいかがだろうか。