超広角レンズを使って動きのある集合写真を撮ってみよう

広角レンズを使って動きのある集合写真を撮ろう。
広角レンズを使って動きのある集合写真を撮ろう。

集合写真と言えば、焦点距離35mmの歪みが少ないレンズや、50mm、85mmの歪みのないレンズを使って撮るのがセオリーだ。しかしもしあなたがカッコいい集合写真を撮りたいと思っているのなら、ここは敢えてセオリーを外して、広角レンズや超広角レンズで集合写真を撮ってみるのも良いだろう。

今回の撮影でのレンズの選別は消去法となった。スタジオが思っていたよりも狭くて、55mmの単焦点レンズでは全身の集合写真が撮れなかったのだ。そこで24mmの広角レンズに付け替えて撮影してみることにした。

焦点距離24mmの広角レンズはご存じの通り、歪みが激しい。だから集合写真を撮る時には、全員の全身が入るからといって広角レンズを使うのではなく、焦点距離35mm以上のレンズを使いましょうと、あちこちで口を酸っぱくして言われている。

16-35mmの超広角ズームレンズの35mmの焦点距離で撮影。歪みはないが、どこか普通の集合写真だ。
16-35mmの超広角ズームレンズの35mmの焦点距離で撮影。歪みはないが、どこか普通の集合写真だ。

入学式や卒業式、入社式、遠足、修学旅行、記念撮影と名のつく写真なら何でもいいのだけれど、この手の写真は歪ませて撮ってはいけない。全員を真っ直ぐにして撮らなければならない。

しかしポートレート写真、特にコスプレ写真の分野は、記念写真ではないので、多少は歪んでいても構わない。もちろんこの多少というのは、顔が変に歪まないという厳しい制約を設けての許容範囲内での歪みだ。

広角レンズで撮る際に、ここで二手に分かれる。大胆に広角レンズ特有の歪みを活かして撮るか、広角レンズでもなるべく歪まないようにして撮るか。

今回は女性アイドルキャラなので、なるべく歪まないように撮ることを心掛けた。24mmで撮影した写真を見て頂こう。

焦点距離24mmで撮影。
焦点距離24mmで撮影。

広角レンズのパースを活かすことで、動きのある写真が撮れる。通常広角レンズで横構図で撮ると端の人物が歪んでしまうのだが、なるべくフレームの端に人物の顔が入らないように注意して撮れば、歪みもそんなに気にならない。むしろ両端のモデルの顔がスッと細長くなる効果がある。

次に焦点距離16mmの写真をご覧戴こう。通常集合写真で16mmという超広角域で撮ることはセオリーに反するのだが、なるべく人物を中央に寄せて縦構図で撮ることで、極力顔の歪みを抑え、下からの煽りで撮ることで足長効果も演出している。超広角レンズ特有のパースを利用することで写真に動きが生じる。

焦点距離16mmで撮影。
焦点距離16mmで撮影。

ポージングの違いもあるだろうが、同じ縦構図で35mmの焦点距離で撮った写真と比べると、写真に動きが出ていることが分かる。ちなみに16mmで横構図で撮ると、端の人物の歪みが激しかったので、こちらは断念した。

超広角レンズでも集合写真を撮れるという点が大事だ。集合写真で動きを出したいときは、先入観に囚われずに積極的に使っていこう。