以前こちらの記事で、これからストロボを購入しようとしているカメラユーザーの方のために、各メーカーから出ているストロボ一覧をまとめてみた。少し専門性の高い記事で長文となってしまったので、今一度各社ストロボ一覧を再掲しておきたい。その前に筆者がお薦めするストロボを、理由を書き添えながら解説しておきたい。
何だかんだ言っても、カメラの純正ストロボが一番良い
どこのストロボを買えば良いのか。結論から言えば、カメラの純正メーカーが良いに決まっている。それも一番高いストロボを買えば問題ない。値段は張るが機能は抜群。光の質感が安定している。相性問題を気にする必要も無い。故障すればサービスセンターで修理もしてくれる。
更にその上のクラスには他社製のモノブロックストロボも控えているが、通常の撮影ではそこまで大光量のストロボは必要ない。クリップオンストロボの約10倍と大光量なので有ればどのような環境下での撮影にも対応できるし、光の質が綺麗。問題は持ち運びくらいだが、果たして個人の趣味範囲での通常の撮影で、そこまで高性能なストロボがいるかどうか。
キヤノンなら600EX II-RT、もしくは少し光量が落ちるが430EX 3-RTがお薦めだ。キヤノンの純正トランスミッターST-E3-RTをカメラに取り付ければ、1灯からワイヤレスストロボが可能となる。カメラとストロボの間に障害物があっても光るので何かと撮影が楽になる。
それより下のクラスのストロボは、光通信方式になるので、障害物があるとストロボとトランスミッターが上手く通信できず、光らないというもどかしさに何度も囚われることになる。快適な撮影がしたいなら、上記2つのストロボがお薦めだ。本格的にストロボを使った写真をやりたい、今どうしてもストロボが必要と感じているユーザーなら、無理してでも600EX II-RTを購入することをお勧めする。
安いストロボの問題点は?
安さで選ぶなら、最近はニッシンのストロボが話題だ。しかし僕自身使ったことがないので、光の質や使いやすさ、相性の問題については全く分からない。
更に安い製品にYonguno(ヨンヌオ)などの中華製のストロボが控えている。カメラ雑誌を見ればプロカメラマンも使っていることが分かる。評判はAmazonのレビューを見て貰えれば一目瞭然だろう。
実際に使っているカメラマンから聞いた問題点としては、フル発光で光ることがある点だ。それの何が問題か。撮り直せば良いじゃないかと思われるかも知れないが、例えばストロボにカラーフィルターを取り付けている場合に、フル発光するとカラーフィルターが発熱で溶けてしまう。実際に見せて貰ったが、ピンクのカラーフィルターが焦げて穴が空いていた。以前も他のカメラマンの日記を紹介したが、最悪火傷を被ったり火事になる恐れがある。
そういった事態を避けるために、カラーフィルターもきちんとした製品を選ぶと良い。こちらのカラーフィルターはストロボから浮かせて取り付けられる形になっているので、安全性が確保できる。
以下に各社ストロボの一覧をまとめたので、参考にして頂ければ幸いだ。
各社フラッグシップストロボ性能比較
Canon 600EX II-RT | Nikon SB-5000 | Sony HVL-F45RM | Nissin Di866 MARK II | |
---|---|---|---|---|
外観 | ||||
価格(税別) | 72,000円 aAmazonの最安値 |
72,500円 aAmazonの最安値 |
43,000円 aAmazonの最安値 |
47,380円 aAmazonの最安値 |
ガイドナンバー | 60 (照射角200mm設定時、 ISO100・m) |
34.5 (ISO 100・m) (照射角35mm) |
45 (照射角105mm設定時、 ISO100・m) |
60/105mm 54/85mm 52/70mm 46/50mm 40/35mm 36/28mm 31/24mm 25/18mm(ワイドパネル) ※ISO100相当 |
調光範囲 | 通常発光: 約0.5~30m クイック発光: ハイスピードシンクロ: |
0.6m~20m | – | – |
電波通信対応 | ○ | ○ | ○ | × |
照射角 | 20~200mm (ワイドパネル使用時14mm) |
– | 24mm-105mm ワイドパネル装着時 15mmレンズの画角をカバー |
24~105mm以上 (内蔵ワイドパネル:18mm) |
自動調光 | E-TTL II/E-TTL/TTL | i-TTL | TTL | E-TTL/E-TTL II (キヤノン用) i-TTL/i-TTL-BL(ニコン用) |
重量 | 約435g | 約420g | 317g | 380g |
Canon 600EX II-RT | Nikon SB-5000 | Sony HVL-F45RM | Nissin Di866 MARK II | |
---|---|---|---|---|
ガイドナンバー(GN) ISO:100 |
54 | – | 45 | 60 |
Canon 600EX II-RT | Nikon SB-5000 | Sony HVL-F45RM | Nissin Di866 MARK II | |
---|---|---|---|---|
ガイドナンバー(GN) ISO:100 |
34 | 34.5 | – | 40 |
ミドルクラスのストロボ比較
Canon 430EX III-RT | Nikon SB-700 | Sony HVL-F32M | Nissin Di700A | |
---|---|---|---|---|
外観 | ||||
価格(税別) | 36,000円 aAmazonの最安値 |
45,000円 aAmazonの最安値 |
29,800円 aAmazonの最安値 |
23,000円 aAmazonの最安値 |
ガイドナンバー | 43 (照射角105mm、ISO100・m) |
28(ISO 100・m) 39(ISO 200・m) (照射角35mm) |
32 (105mm、ISO100・m) |
54/200mm 49/135mm 48/105mm 47/85mm 41/70mm 32/50mm 28/35mm 25/28mm 22/24mm 17/16mm(ワイドパネル) ※ISO100相当 |
調光範囲 | 通常発光: 約0.7~23.6m クイック発光: ハイスピードシンクロ: (EF50mm F1.4レンズ |
0.6m~20m | – | – |
電波通信対応 | ○ | × | × | ○ |
照射角 | 24~105mm (ワイドパネル使用時14mm) |
– | 24mm-105mm ワイドパネル装着時 15mmレンズの画角をカバー |
24~200mm以上 (内蔵ワイドパネル:16mm) |
自動調光 | E-TTL II/E-TTL | i-TTL | P-TTL | E-TTL/E-TTL II (キヤノン用) i-TTL/i-TTL-BL(ニコン用) |
重量 | 295g | 360g | 約235g | 380g |