こちらのピンクのスタジオ、近鉄大阪線長瀬駅スグにある3スタ。長瀬駅といえばマグロの養殖で一躍有名になった近畿大学の最寄駅で学生街のイメージが漂う。古くからの商店街が軒を連ねるが、駅から徒歩1分という立地の良い雑居ビル内にスタジオはある。
このスタジオで撮るのは二度目。壁一面がピンクなので、モデルの肌への照り返しが気になるところではある。化粧台を入れつつのツーショットを撮ることになり、背景をくっきり撮ったらいいかボカして撮ったらいいか、2パターンの写真を見せたらボカした方がいいということで、F4の設定から開放F値1.4に変えてボカして撮影。しかし二人にピントを合わせないといけないから、ポーズ指定が難しい。レイヤーさんたちに自由にポーズを取ってもらった方が決まる時もあり、そうなるとピントが双方に合わないし、絞って撮ってみたが、F4で撮影しても、55mmの焦点距離だと片方がピントが若干緩めになる。
逆にピンショットはF1.4でも撮りやすい。問題はピント合わせだろう。ピントを狂わせる原因の一つに、カメラマンの焦りがある。この日は初めましての女性レイヤーが一人、とても綺麗な顔立ちの人だったので、ちょっと緊張して焦りが出てしまう。スタジオで使う単焦点レンズは全てマニュアルフォーカスのみのレンズなので、ピント合わせも至難の技。いつもの方法で開放F1.4でもガチピンでピントを合わせることを心がけたが、この日は上記の理由からなかなか難しかった。
現像の色味はどうか。お渡しした写真は、オートホワイトバランスの設定でホワイトバランス微調整の座標軸をブルーの方向に(−3、2)程寄せたが、実際にレイヤーさんがあげた写真の色味は、マゼンタの方角に(−4、−1.5)寄せた色合いに修正されていた。(数値はx軸、y軸で想定。)
ブルーの方角に(−5、3)ほど寄せた写真の色味はほぼそのままの色味で再現されていた。しかし今回は動画の編集など忙しかったせいもあり明るさの現像処理を少し焦りすぎたかもしれない。少し明るく修正したが、もう少し明るめに修正してお渡ししてもよかった。しかし明るさに関しては受け取り側である程度修正が可能なので、1段以内の修正を念頭に入れたデータお渡しでもおそらく問題はないだろう。
ストロボなし、環境光のみで撮影する時のカメラの設定例
ピンクの部屋に暖かい色味のランプ、化粧中のモデルを撮るというコンセプトなら、ストロボは使わずに環境光のみで撮りたいという欲求に駆られる。しかしこれもレイヤーさんに見せたら、雰囲気はいいけれどやはりストロボを使った写真の方を好まれた。
しかしせっかくなので、3スタでの環境光のみの理想的な色合いになるカメラの設定も備忘録として乗せておこう。Canonの1DXでオートホワイトバランスで撮るとやや冷たい感じではあるが自然な色合いとなる。壁紙の照り返しだろうか、肌もピンク色が載っていてこれはこれで良い。しかし暖かみが欲しい。そこでホワイトバランスをケルビン指定(K)にして、色温度6200くらいまで数値を増やしてみた。すると暖かみのある色合いとなった。明るさは肌がパッと明るくなるくらいの設定がいいだろう。
肌の色の調整に関しては、やや自然な黄色味を残したほうがいいのか、それともほのかにピンク色にしたほうがいいのか、好みで分かれるところだ。女性はやはりほのかなピンクっぽい肌のほうを好むだろうか。