ストロボ戦国時代!キヤノンとニッシンの攻防

最近、コスプレ界隈でニッシンの製品が熱い。

コスプレ撮影では中華製のヨングノYongnuo Speedlight YN560を使っているカメラマンが圧倒的に多く、海外のカメラ専門書にもヨングノのストロボは安くてコストパフォーマンスが良いと大々的に紹介されている。

ところが最近、ヨングノのストロボをワイヤレスで光らせる為のラジオスレーブの使用が、日本では電波法違反となる話がにわかに取り沙汰されており、コスプレ専門ビルの規約にも、電波法違反となる機材の使用をやんわりとではあるがお断りしている。ヨングノのラジオスレーブ使用が日本の法律では違反となる根拠が、技適マークが機器に掲示されていないというものであり、実際に違反となるかどうかは筆者は判断がつかない。(電波法の詳しい話はつまらなくなるのでここでは置いておく。)

タイミング良く、この技適マークの話題の波に乗って、サードパーティ製のストロボ、ニッシンデジタル Air1+Di700A キットが世に送り出された。ニッシンのトランスミッターは技適マーク付きなので、日本での仕様は適法となる。つまり純正ストロボと同じで法律に違反することなく、安心して使えるというわけだ。

ニッシンデジタル Air1+Di700A キット
ニッシンデジタル Air1+Di700A キット

キヤノンから新発売されたストロボ430EX-Ⅲ-RTは手頃な値段でありながら、電波通信機能が備わっている。おそらくストロボメーカーのニッシンが、純正よりも遙かに安い価格で光通信機能が備わっているストロボとトランスミッターを発売したからだろうか。

キヤノンとしてもストロボシェアを奪われる訳にはいかないので、ニッシンのストロボよりも若干値段は高いが、今までなら47,000円くらいは出さないと手に入らなかった純正の電波通信タイプのストロボが、27,000円で手に入れることが出来るようになった。

対してニッシンの電波通信式ストロボは、トランスミッターがついて30,000円と、純正で一式揃えるよりも安い。ストロボの最大発光量を表すガイドナンバーも54と、キヤノンの43よりも大きい。キヤノンの純正ストロボな一個買える値段で、ストロボとトランスミッターが買える。

最近ニッシンは日本在住のルーマニア人フォトグラファーを講師に招いて、意欲的にストロボ講習会を開いている。この20代の若手カメラマンは雨を生かしたポートレート撮影が非常に上手い。他の講師でコスプレ撮影の多灯ストロボにスポットを当てた講習会なんていうのもあった記憶がある。

コスプレアミューズメントスタジオとも提携していて、ロッカーにはコスプレ用ウィッグの広告と並んで、ニッシンストロボの広告が印刷されている。有料で貸し出されているストロボもニッシン製だ。

そこまで激しい攻勢を仕掛けてきているので、今後ストロボの勢力図が一変するかもしれない。純正ではなくサードパーティ製のストロボが、市場を席巻する日も近いのだろうか。

コストパフォーマンスを重視したければ、サードパーティ製のストロボも選択肢に入れたい。