スタジオ撮影ではストロボを使った撮影が必須である。そうでもしないと暗い密閉空間のスタジオで天井にある蛍光灯だけを使って、綺麗に人物を撮るのは至難の業だ。
しかしいざストロボで撮るとなった場合、被写体と背景との明るさのバランスを考慮に入れなければならない。どちらにしてもテーマ性のあるスタジオ内でストロボを使って人物を綺麗に撮るのは難しいのだ。
すると突然自然光が恋しくなってくる。ストロボと被写体との距離や光量、ISO感度の加味など、そういった面倒臭いバランス設定を一切忘れて、シャッターを押すだけ。構図に専念できるというものだ。
先日スタジオサイトルで撮影してきたが、ここのスタジオは自然光が窓から入る仕様になっている。皆が口を揃えて自然光で綺麗に撮れると言っていた。このスタジオは何度か利用しているが、中々自然光を活かした写真を撮る機会に恵まれず、今回は再挑戦することにした。1着目はブライダルで、2着目は羊をテーマにした創作写真。
創作写真は所謂雰囲気写真と言われている構図が多い。雰囲気写真を雰囲気写真らしく撮るにはどうすれば良いか。日射しが強く入り込んでいるベッドにモデルを座らせて、ソフトボックスとストロボを使って撮ってみた。
肌は余分な影がすべて飛んで綺麗に写っている。しかし雰囲気写真っぽくはない。雰囲気写真っぽい写真を撮ろうと思えば、ストロボ光は不要だ。ストロボのスイッチを切って、アシスタントにレフ板で光を起こして貰い、窓からの自然光だけで撮ることにした。
Otus1.4/85で撮影。シャッタースピードは1/160秒、F2.2で撮影しているので、屋内とは言えISO感度も400で充分明るさを確保できる。もし明るさが足りなければ後からPhotoshopなどで露光量を上げるのも1つの手だろう。
顔に仄かに影が着いて、ソフトボックスで撮影した時よりも立体感が出て、自然体な感じの写真が撮れた。
テーマにも寄るが、オリジナル創作系の写真を撮る場合は、ストロボを使うよりも自然光を駆使した方が美しい写真が撮れるということを頭の片隅にでも覚えておくと良いだろう。