前回レンズによって光源の放射状の形が異なる記事を書いたが、レンズによってゴーストの形も異なってくる。
ゴーストと言えば、レンズに向かって光が入り込んでくる際に生じる光の模様のようなものだ。最近のレンズは特殊コーティングが施されていて、フレアやゴーストの類いは軽減されているようだ。
しかしこのフレアやゴーストは、写真にアクセントを加えてくれる存在でもある。特にゴーストは、映画やアニメや漫画、ゲームなどでも効果的な手法として頻繁に出てくる。
ゴーストを活かすことで、他にはない表現で写真を撮ることが可能だ。
しかしこのゴーストも、理想的な形で出てくれるとは限らない。ゴーストの出方はレンズによって異なる。自分の理想的なゴーストの形が欲しい場合、レンズを選ぶ必然性が生じてくる。
Canon EF24mm F1.4L Ⅱ USMの場合
次の写真はCanon EF24mm F1.4L Ⅱ USMで撮影した。とても面白い形でゴーストが出ているだけでなく、ゴーストが写真を彩ることで、ライブ感がうまく表現されている。
Canon EF24mm F1.4L Ⅱ USMというレンズは筆者のお気に入りレンズだ。なぜなら光の弓のようなゴーストが出るから。このゴーストをライブ風の撮影に用いない手はない。24mmは近づけば被写体をデフォルメさせてライブ風の撮影にもってこいのダイナミックな躍動感を生むし、引いて撮ればライブに最適な背景を広々と写し取れるという利点もある。
Zeiss Otus1.4/55の場合
次にOtus1.4/55のレンズで発生するゴーストを見てみよう。
綺麗な形で出ているが、先の24mm程ではない。標準レンズは広角レンズに比べてゴーストが出にくいのか、それともレンズのコーティングがゴーストを排除しているのか。
Canon EF24-70mm F4L IS USMの場合
最後にCanon EF24-70mm F4L IS USMのゴーストを見てみよう。
Canon EF24-70mm F4L IS USMで多灯ストロボでゴースト効果を狙った写真を何度か撮ったことがあるが、あまり綺麗なゴーストが出なかった記憶がある。レンズの構成枚数が多いズームレンズ故なのか・・・?
写真の欠点とされるゴーストだが、一風変わったポートレートや、コスプレ写真のような特殊な表現が好まれる撮影には、ゴーストはむしろメリットとなる。ゴーストを上手く引き出して、目を引きつける写真を撮りたいものだ。