花火シーズンの到来である。7月から8月にかけて全国の花火大会を追いかけているというアマチュアカメラマンも多いのではないだろうか。
生きている限り夏は何度もやってくる。子供の頃は時間は永遠なものと思われたが、大人になると毎年やってくる夏も無限ではないことにふと思いが至る。あと数十回、あと数回、そんな感じで年を取っていくのだ。
その会場で開催される花火は一年に一度しかない機会とも言える。七夕の織り姫と彦星のようだ。かといって、どこそこの会場の方が良かったとか、あそこの会場に行かなくて良かったとかいうレベルでしか花火を語れないのは、何ともさもしい話だ。どの花火大会にも歴史があり、思い入れがあり、素敵な思い出が醸成される。
一年に一度しかない機会の花火大会、アマチュアカメラマンなら少しでも綺麗に撮りたいものだ。その際にどのレンズを選ぶべきか。
綺麗に花火を撮れるレンズということに的を絞って言えば、まず綺麗に撮る為には構図について考えなければならない。
もしも会場近くで花火を撮るのなら、ズームレンズが最も適している。単焦点では一度陣取ってしまうとフレームを替えられない。混雑する花火大会の会場では、花火が綺麗な構図で撮れる理想の位置に座れるとは限らない。
最終的にはトリミングをすれば良いのだが、単焦点レンズでは利便性が悪い。撮りたい構図が持参した単焦点レンズではどうしても無理な場合は、機会損失になってしまう。
となると、ズームレンズが最適という結論に至る。近くで花火を撮るのなら焦点距離24-70mmのズームレンズで対応できる。Canon EF24-70mm F2.8L Ⅱ USMは贅沢な選択だろうか。花火撮影の場合は開放で撮ることはまずない。F値を7.1以上に上げて、長時間露光で撮影する。F値をこれくらい上げればどのレンズも解像力を発揮するものだ。しかしこだわりたいのなら、Canon EF24-70mm F2.8L Ⅱ USMという贅をこらしたLレンズを選ぶのがベストだろう。