ベストショットの撮れる鉱脈を見つける為の思考

スタジオでは、ベストショットが撮れる位置を探すことも重要。
スタジオでは、ベストショットが撮れる位置を探すことも重要。

カメラマンには、得意な分野と苦手な分野がある。集合写真は得意だけど個撮は苦手、あるいはその逆。また明るい写真は得意だけれど暗い写真は苦手、あるいはその逆。ここのスタジオは得意だけれどあそこのスタジオは苦手、云々。

先日或るスタジオに大型撮影に行ってきた。2,3ヶ月前にカメラマン募集を見てこちらから応募して、満を持しての撮影。ラブライブ!の「それは僕たちの奇跡」併せ。星空凜ちゃんがなかなか見つからなかったが、最後の最後でようやく見つかり無事9人が揃った。

やはりメンバー9人が揃うと壮観。
やはりメンバー9人が揃うと壮観。

大型併せの撮影は、ライティングさえシッカリできたら、意外と楽だ。両サイドと正面下からソフトボックスやアンブレラを使って、メンバー全員に光が均等に当たるようにセッティングすれば良い。そこまでの調整が難しいのだが、一度決まると後はカメラを集合写真に最適な設定にして撮るだけ。

ここ最近は大型併せの撮影を積極的に引き受けてきた。今月もあと1回予定がある。さて赴いたスタジオはコスベース3。ここでは何度か撮影したことがあるが、どういうわけか自分の満足のいく写真が撮れない。

照明機材は豊富に揃っている。ありすぎてむしろ迷うくらい。選択肢が広がれば広がる程、ライティングが複雑化して撮影が難しくなるのを痛感する。そういう経験を何度か経ての大型併せ。今回はスタジオのライティング機材に対する迷いを断ち切るために、持参したソフトボックスとストロボだけを使って撮ることにした。リベンジなるか。

撮影終了。たくさんの写真を撮って、家に帰ってデータを見て、後から「あーここは後ろにストロボを当てて真っ白にしておけば良かった」「衣装に光が当たりすぎるのを気にせず、もっと積極的にバックライト代わりにストロボを使えば良かった」とか色々と反省点が浮き彫りになる。

もうチョットたくさん集合写真を撮っておけば良かったとか、ラスト間際の時間にこちらから申し出て、頭の中で思い描いていたような集合写真を撮れば良かったとか。現場ではなかなか行動として出てこない。

タイムスケジュールの慌ただしさや、撮影が進むにつれて空腹や疲労など、様々な要因が行動力を鈍らせる。僅かに残った脳力を絞り出して、ベストショットが撮れる位置を探り当て、モデルを立たせてカメラをセッティングする。

ポージングがとても上手いと、写真もステキに。
ポージングがとても上手いと、写真もステキに。

レンズや角度や明るさや背景との調和を探りながら試行錯誤して、ベストショットの撮れる鉱脈を見つける事が出来れば、喜びもひとしおだ。