第4回Free!岩美町聖地巡礼撮影日記

第4回Free!聖地巡礼岩美町撮影日記
第4回Free!聖地巡礼岩美町撮影日記

第4回Free!岩美町聖地巡礼撮影日記をお送りします。

行ってきたのは2014年8月下旬、相変わらず天気はどんよりとしていたが、折々太陽が雲から顔をのぞかせたりもした。夏だからこれくらいの天気がちょうどいいのかもしれない。朝方電車で姫路まで向かい、そこから車で拾ってもらって、Free!の聖地岩美町へ。

今回は終始僕もコスすることになり、いつもの岩美町観光協会2階の会議室脇の物置部屋で着替える。夏だから暑かったし、蚊がいて痒かった記憶が。

今回は新しく加わったレンズ、カールツァイスのOtus1.4/55を持参。マニュアルフォーカスしかないレンズで、写りは中判カメラを彷彿とさせると言われている。開放からシャープで収差も徹底的に排除しているのでフリンジのたぐいが見当たらない、階調豊かな綺麗な写真を撮ることができる。

収差を徹底的に排除した世界最高の一眼レフレンズ Otus1.4/55
収差を徹底的に排除した世界最高の一眼レフレンズ Otus1.4/55

12時に撮影開始。JR岩美駅前で記念撮影。その後駅のホームに入って、再現撮影など。ここは春になると桜が咲くので、撮影スポットとなっている。電車もそんなに本数はないので、空いてる時間を見計らって撮ると良い。ホームへは初乗り運賃の切符を買うと入れる。

ここ岩美町の駅舎はなかなか味がある。昭和の時代から建て替えられずにずっと続いているのだろう。昭和天皇が訪れた時の写真も飾ってあった。

マニュアルフォーカスのレンズは、ピントを合わせるのが一苦労だ。AFよりもワンテンポもツーテンポも遅れる。ただし決まった時は胸のすくような像を紡いでくれる。MFは歩留まりの問題もあるが、独自に編み出したやり方で、開放であってもほぼガチピンでピントを合わせることができる。

とはいうものの聖地であるから、あまり開放で撮るとせっかくの背景がボケすぎてしまう。カメラと被写体の距離、被写体と背景の距離を考慮に入れつつ、どのF値で撮るか弾き出さなければならない。

今回はF3.5に絞って撮った。それでも被写体に近づきすぎると、やや背景がボケすぎるきらいはある。全身を入れて撮ると、ちょうどいい具合に背景がぼける。85mmに付け替えて、グループ撮影。前後している時はF4まで絞って撮るが、横一列の時は、F1.2開放の威力を引き出すことにした。やはり被写体が立ち上がるのでいい。F4でも前後して撮ったので、どちらかはボケてしまうのだが、シャープな描写も目指した。

浦富海岸で、走っている様子をAIサーボで撮影。普段動体は撮らないので、設定にまごついたり、なかなかピントが上手くいかなかったりと四苦八苦したが、なんとか撮れた。しかし順光なので顔が固い。夏の二時、日本海を背景にしてこちらに走ってくるところを撮ろうとなると、どうしても順光になってしまう。

Otus1.4/55を使ってF1.4の開放で撮影。
Otus1.4/55を使ってF1.4の開放で撮影。

ジャージから制服に着替えて(僕だけ岩鳶ジャージ)、例のパンを押さえてあるというので、ついて行ったら、Free!第二期にも登場した「いわとビックリパン」を売っているパン屋に辿り着く。お店の名前は「焼きたてパン トゥウィンクル」。あのカロリーこってりのパンを見事に再現している。

いわとビックリパンを再現。中はジャムとかカロリー多めのをいろいろらしい。
いわとビックリパンを再現。中はジャムとかカロリー多めのをいろいろらしい。
イワトビちゃん型のパンもあった。
イワトビちゃん型のパンもあった。

今回はどうも新しく買った高性能レンズを使うことに固執しすぎていたような気がする。浦富海岸ではるちゃんが海に入ろうとしているところを皆で止めるシーンの撮影など、標準単焦点で撮ってしまったので、いまいち動きが出なかった。ここはやはり広角でしゃがんで撮るべきだっただろう。

田子公園展望台へ。もうすでにお決まりのコースとなっている。再現シーンを撮ったが、なぜかズームレンズに付け替えなかった。Otusを試したかったのだろう。引きではあまり枚数を撮らずにアップ目の写真を撮った。

Otus1.4/55でF2.5まで絞って撮影。やはりシーン再現はズームレンズが必須。
Otus1.4/55でF2.5まで絞って撮影。やはりシーン再現はズームレンズが必須。

田後神社へと向かう。聖地巡礼に来たらここに来ないわけにはいかない、Free!の物語の始まりの場所である。

田後神社のお手水
田後神社のお手水

田後神社の階段では終始Otus1.4/55の開放F1.4で撮影。被写体に近づいて背景を思い切りぼかしたり、引きで撮って背景もよく分かるように撮影したりと様々な写真を撮っていく。背景をぼかすかクッキリ写すかだが、両方で撮るのがいい。ボカせば、ここでしか得られないボケ味を生かした背景を得ることができる。

焦点距離55mm、F1,4開放で撮影。開放で背景が程よくぼけている。
焦点距離55mm、F1,4開放で撮影。開放で背景が程よくぼけている。
同じく開放F1.4だが、引いて撮っている為に、先ほどの写真よりも背景があまりボケずに写っている。
同じく開放F1.4だが、引いて撮っている為に、先ほどの写真よりも背景があまりボケずに写っている。
横構図で撮ることも忘れない。せっかくの聖地なので、いろんな構図で矢継ぎ早に撮ろう。
横構図で撮ることも忘れない。せっかくの聖地なので、いろんな構図で矢継ぎ早に撮ろう。

上の3枚の写真を見比べてもらえれば分かるとおり、同じF値でも(この場合はF1.4)、被写体に寄って撮れば背景は大いにボケ、被写体から距離を置いて撮ると、背景のボケは弱くなる。

僕もちょくちょく撮ってもらった。

顔が疲れ気味なのは荷物の重さと撮影に没頭していたせい。
顔が疲れ気味なのは荷物の重さと撮影に没頭していたせい。

田後の路地に入り、いつもの再現シーンを。猫がいた。岩美町の猫は人が近づいても逃げないおとなしい猫だ。

飼い猫だろうか。近づいても全然人を怖がらない。
飼い猫だろうか。近づいても全然人を怖がらない。

浦富海岸の海の家などが連なるコンクリートの道で再現シーンを撮影。

Otus1.4/55で撮影。F1.4。開放至上主義に戻ってしまった。
Otus1.4/55で撮影。F1.4。開放至上主義に戻ってしまった。
シーン再現。足だけ。聖地に行けば本物が撮れる。
シーン再現。足だけ。聖地に行けば本物が撮れる。

夕方六時を過ぎると、夏とはいえ空が薄らいできた。

グループ撮影だが、開放で撮ってしまった。それでも綺麗。
グループ撮影だが、開放で撮ってしまった。それでも綺麗。

薄暗くなったところで、撮影終了。6時半。辺りはもう蒼黒い闇に包まれようとしていた。車で姫路まで戻り、姫路からは電車で帰路についた。

今回はMFレンズを使って、岩美町での撮影を行った。やはりせっかくの聖地だから、最高級のレンズを使って綺麗な写真が撮りたい。その一方で他のレンズを積極的に使わなかったので、構図の問題が出てきた。しかるべきシチュエーションではしかるべき焦点距離で撮るべきだということを痛感。

そしてまた開放至上主義に戻ってしまった。Otusをつけて使っている時はほぼ開放で撮っていた。

聖地のような場所では、マニュアルフォーカスで撮るのはAFに比べてやや時間を要する。出来るならAFでテンポ良く撮っていきたいところだが、MFのOtusも使っていきたい。開放で撮ってもシャープで収差が出ないレンズをという特性を考慮に入れて、シチュエーションに別けて使い分けていきたい。

また今年の桜の時期に、一番はじめに一緒に行った女の子たちと聖地巡礼の撮影を行う予定なので、今から楽しみである。