3月末から4月初頭に渡って、連日桜を撮ってきた。風景写真を撮り出すようになると、いつものポートレート撮影とは違い、絞って撮りたくなってくる。
野外でポートレート写真を撮る際には、背景を暈かした方がモデルが立ち上がってくるので、プロのように撮れる。暈かせば暈かすほど背景がキラキラしてステキな写真が撮れる。ただし最低限の条件として、モデルの目にピントが合っていなければならない。
桜や風景写真を撮ろうと思ったら、暈かすのも味があって良いが、写真全体にピントが合っているパンフォーカスで撮りたいという欲求が自然と湧いてくる。頭の中でいつもと違った回路が開くかのようだ。
通常F11以上に絞ると、光の回折が原因の小絞りボケが写真の画質に影響を与え始める。どこかぼんやりとしていて、シャープネスが緩くなって解像感が損なわれるので、通常はF11以上は絞らないというのが写真撮影のセオリーのようだ。
それでも被写界深度をF11以上に絞りたい場合は、パンフォーカスで撮りたいというときだろう。
最近はOtusばかり使っていて、キヤノンの純正レンズはなかなか使わないのだが、広い風景写真を撮る際にも、ほとんどOtusを付けていた。焦点距離55mmと85mmのレンズでは当然暈けやすいので、パンフォーカスで風景写真を撮りたい場合にはこれらのレンズの最大値のF16まで絞らなければならない。やはり全体にピントが合いにくい。
そこで持参してきたCanon EF16-35mmF2.8L Ⅱ USMを使って、風景写真を撮る事にした。超広角から広角域のレンズだから、当然暈けにくい。
カリカリで撮るというのはどういうことなのか。絞って撮るとどのような写真が生まれるのか、ただただ子供のような好奇心からF値を絞り、撮ってはデータを確認して楽しいひとときだった。初めての体験は何においても喜びが付き添うものだ。
アマチュア風景写真家としてはまだまだ初心者。5060万画素の5DsRもある事だし、これからは風景も積極的に撮って、腕を上げていきたい。