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キヤノンあんしんメンテスタンダードにカメラを清掃に出した話 – 自分で出来るカメラの清掃方法とオーバーホールの見積額について

キヤノンあんしんメンテスタンダードを利用してみた。

キヤノンあんしんメンテスタンダードを利用してみた。

風景写真をRAW現像していたら、空が写っている部分にたくさんゴミが写り込んでいることに気がついた。風景写真だからF8以上に絞って撮ったりする。特に空を写そうものならゴミの写り込みが目立つ。

しかし今回は予想以上にゴミが写っていた。不安になるくらいの多さだ。ひょっとしてこれはゴミじゃなくてカビなんじゃないのか?

RAW現像ソフトのかすみ除去機能を使ったら、たくさんの斑点が写り込んでいた。

RAW現像ソフトのかすみ除去機能を使ったら、たくさんの斑点が写り込んでいた。

そこでキヤノンのあんしんメンテスタンダードのサービスをウェブから申し込むことにした。昔は1000円くらいで撮像素子表面の清掃をしてくれていたのだけれど、サービス体系が変わり、あんしんメンテスタンダードと、あんしんメンテプレミアムに衣替えした。スタンダードの方が点検と清掃、プレミアムはそれに加えて専用の機器を用いてのチェックも行うというものだ。

さらにあんしんメンテオーバーホールという上位サービスも加わった。その名の通りカメラやレンズを分解して、精密な点検や清掃、摩耗していたら部品交換などを行うサービスだ。そういえばこのサービスができる前に、一度オーバーホールしてもらった。参考価格と大体同じくらいのお値段だった。

さて、今回のゴミの写り込みは実際どうなのだろう。RAW現像ソフトで霞みを除去する機能を思い切りかけたら、ゴミがものすごく目立つようになった。丸い灰色のゴミがたくさん写り込んでいる。薄かったり濃かったりと様々だ。

いつ頃からこんなにゴミが写り込むようになったのか。というわけで過去のデータを遡ってみると、春の桜撮影を境に一気にゴミが増えていることに気づいた。徹夜で又兵衛桜を撮りに行った時だ。そういえば朝方1DXを使って撮っていたが、花粉がたくさん舞っていたのかクシャミが止まらなかった。桜撮影の際のレンズ交換の時に花粉が入り込んだのだろうか。

さて、あんしんメンテを利用するのは前提として、自力で清掃する方法を幾つかおさらいしていきたい。

ブロアーで清掃する

HAKUBAのハイパワーブロアープロ。

HAKUBAのハイパワーブロアープロ。

自分でも手軽にできる清掃方法としては、ブロアでセンサー表面についたゴミを吹き飛ばすことだ。そういえば撮影現場でしきりにブロアでカメラ内部を清掃している人を見かける。あんなに花粉が舞っていそうな撮影現場でブロアーで清掃して逆効果になりはしないのだろうかとも思うのだが、あんまりブロアで清掃やってなかったなということで、自宅でやってみた。しかしゴミの写り込みは消えなかった。

ブロアーの使用方法を見ていこう。カメラのマウントキャップを外す。キヤノンのカメラの場合は電源を入れて、カメラのメニューからセンサークリーニングを選び、メニュー一覧から「手作業でクリーニング」を実行する。ミラーアップ状態になり、カメラのセンサー部分が見えるので、埃が入り込まないようカメラのマウント部分が下に向くようにして、ブロアーで吹きかける。その際はブロアーの先端がカメラのマウント内に入らないように注意する。ブロアーでの吹きかけが終わったら、カメラの電源をオフにする。ミラーアップ状態が解除される。

センサークリーニングのメニューから、手作業でクリーニングを選ぶ。

センサークリーニングのメニューから、手作業でクリーニングを選ぶ。

他に注意すべき点といえば、よく聞くのが劣化したゴムがカメラ内部に飛び散る恐れがあるという話。あとブロアの先端が取れて撮像素子を傷つけてしまったという事例もあるようだ。ブロアも定期的に買い直した方がいいだろう。古いカメラの消耗品は断捨離しておくことをお勧めする。次世代に渡りカメラ用品を受け継いでいくときに、劣化した消耗品を使ってしまうとカメラやレンズを傷つけかねないからだ。物を大切にするのはいいことだが、メンテナンスが前提となる。電化製品の例では、扇風機が発火して火事になったというニュースを過去に見た記憶がある。

カメラのマウントにパソコンの冷却ファンみたいなのを取り付けてゴミを吹き飛ばす製品は、見た目からして傷つけそうなのでここでは紹介しないでおく。

カメラのクリーニング機能を使う

カメラに備わっているセンサークリーニング。

カメラに備わっているセンサークリーニング。

カメラに備わっているクリーニング機能を使ってみる。センサーを振動させることで、ゴミを払いのける機能だ。しかし予想通りというか、あまり効果がなかった。というのも、電源をオンオフにする際にこの機能は自動的に働くようになっている。だから今更機能を働かせてみたところで結果は変わらない。センサーの振動では取れないゴミの類なのだろう。

センサークリーニングの機能は、カメラのオン・オフ時に自動的に作動する。

センサークリーニングの機能は、カメラのオン・オフ時に自動的に作動する。

クリーニングキットを買って自分でセンサーを清掃する

ニコンのクリーニングキット

ニコンのクリーニングキット

ニコン製だが、ニコンのサービスセンターで実際に使われているというクリーニングキットが販売されている。8,000円とお高めだが、頻繁に清掃するなら元が取れるというわけだ。

問題は誤ってセンサーを傷つけたりはしないだろうかという点。センサーを傷つけて高い部品代を払うことになるなら、サービスセンターに送った方が安くつく。特に撮像素子はべらぼうに高いと聞く。

ダストデリートデータ(ゴミ消去機能)を使う

Canon DPPに備わっているダストデリートデータを適用させると、写真に写り込んだゴミを自動的に消去してくれる。

Canon DPPに備わっているダストデリートデータを適用させると、写真に写り込んだセンサー上のゴミを自動的に消去してくれる。

キヤノンにはダストデリートデータ機能が備わっている。これはカメラ側でゴミの写り込みのデータを撮っておけば、キヤノンのRAW現像ソフトDPPで写真を取り込んだときに、自動的にゴミを除去してくれる。サービスセンターに持って行く時間がない急場凌ぎにはうってつけだろう。他のメーカーのカメラにも似たような機能がついているかもしれないので、取扱説明書で確認してみよう。

小さいことは気にしないで放置

絞って撮らなければゴミは写り込まない。ポートレートなど開放で撮ることが多い場合もゴミが写り込むことはあまりない。

F8に絞って撮った場合でも、白ホリゾントで撮影した写真に、上にあげた作例のようにビッシリとゴミは写っていなかった。

また写り込むゴミの数が一つ二つと少ない場合は、その都度フォトショップなどの画像処理ソフトの機能で簡単に消すことができる。

問題は写り込んでいないように見えても、RAW現像でカスミ除去機能を使ったり、他の様々なパラメータをいじると、ゴミが浮き出てしまう点だろう。筆者が試した例では、Lightroomのかすみの除去の機能や、DxO OpticsのClearViewを使うと、一気にゴミが目立つようになった。この二つの機能はほぼ同じで、風景写真などで白く霞みがかったモヤのようなものを除去してコントラストを回復してくれる。他にも最高品質の絵作りにするために色々パラメータをいじっていたら、思いの外空の部分にゴミが目立ってしまった。撮影前に清掃に出しておけばよかったと後悔した。

最良の解決策はやはりサービスセンターに送付!

一番の解決策はサービスセンターに持ち込むことだろう。ただ、最近キヤノンはサービスセンターの窓口を立て続けに閉鎖している。センサー清掃や修理は宅配便でというスタンスに変更しているように見受けられる。

往復送料がかかってしまうが、大都市部から遠いユーザーにはむしろ安く済むサービスなのではないだろうか。筆者の場合は直接サービスセンターに持ち込んだ方が1000円ほど節約できるのだが、なんだか面倒だし、宅配サービスを使うことにした。

キヤノンのウェブサイトからあんしんメンテスタンダードに申し込むと、早速翌々日にヤマト運輸の宅配員が箱を持ってきてくれた。中に入っているのはエア袋送料着払いの宅配伝票封印テープの三つ。なるほどエア袋はかなり厚みがあり、箱のサイズにぴったりで、どれだけ衝撃が加わってもカメラを完全に保護してくれる感じだ。1DXがぴったり収まる。後日5DsRもあんしんメンテスタンダードで頼んだのだが、こちらの方はエア袋に入れてみると少し空間が空いた。それでもこれだけクッションが厚いと衝撃は問題ないのだろう。

ダンボールの中に入っていたエア袋と封印テープ。

ダンボールの中に入っていたエア袋と封印テープ。

エア袋にカメラを入れた状態。1DXがスッポリと収まる。

エア袋にカメラを入れた状態。1DXがスッポリと収まる。

カメラをエア袋の中に入れて蓋をした状態。

カメラをエア袋の中に入れて蓋をした状態。

バッテリーとCFカード、ストラップを取り外したカメラと、キヤノンフォトサークル会員証のコピーをエア袋に入れて蓋を閉じ、封印テープでダンボールに封をして、ヤマト宅急便の集荷に電話をかけ、その日のうちに取りに来てもらった。

依頼時に、基本料金を超える場合は連絡必要、部品込み目安料金を超える場合は連絡必要、見積もり連絡不要の選択肢から、基本料金を超える場合は連絡必要を選んだ。

見積もりの可否を選ぶことができる。基本料金を超えるなら見積もり連絡を選んだ方が無難。

見積もりの可否を選ぶことができる。基本料金を超えるなら見積もり連絡を選んだ方が無難。

するとキヤノンマーケティングジャパンから金額超過のタイトルでメールで連絡があり、カメラの使用頻度が高く、これを機にあんしんメンテオーバーホールをお勧めされる。おそらく36万回を超えたシャッター数からそう判断されたのだろう。見積額は71,863円。キャンセルボタンを押すとあんしんメンテスタンダードの申し込みもキャンセルされそうなので、半年前に電子基板と前板ユニットを交換したばかりであることを指定先のメールで告げ、今回はあんしんメンテスタンダードのみにしてもらう旨申し込む。こんなことなら前のオーバーホール時にシャッターユニットも交換してもらえば良かった。

見積もりのし直しで、あんしんメンテスタンダードのお値段は¥4,212(税込)となった。キヤノンフォトサークルの会員割引20%が効いた価格だ。

発送から2週間経って無事カメラが戻って来た。エア袋ではなく、別の梱包材が使われていた。パソコンを修理に出したときによく見かけた梱包材だ。こちらも輸送時を衝撃を吸収してくれそうな作りとなっている。

綺麗に梱包されて戻ってきた1DX。

綺麗に梱包されて戻ってきた1DX。

戻ってきたのは大型撮影の前日。撮像素子の清掃だけで2週間もかかるのかとも思ったが、見積もりを取ることになったし、連休も重なっていたし、あんしんメンテスタンダードになってから清掃やチェックが増えたからだろうか。結構混雑しているのかもしれない。ここ最近、キヤノンのサービスセンターが相次いで閉鎖予定だという。札幌と福岡は閉鎖で、新宿も閉鎖するが新たに品川に修理受付センターを開設するとのこと。大阪梅田のサービスセンターも中之島の方へ移転することになった。経費削減だろうか。何れにしても宅配によるあんしんメンテサービスに集約していく動きにあるようだ。

ちなみに5DsRの方は目安は1週間とあった。あんしんメンテスタンダードに依頼中なのでまた追記で結果をお知らせしたい。

キヤノンフォトサークルに加入して入れば、あんしんメンテスタンダードも20%OFF!

年会費5400円のキヤノンフォトサークルに加入していると、修理費用(部品代のみ)が20%OFFになるが、あんしんメンテスタンダードも20%OFFになることが今回出してみてわかった。キヤノンフォトサークルに加入していると上記の他にも様々な特典があるが、素敵な写真や製品に関する知識が掲載された月刊誌が送付されるのも魅力だ。ページの紙も上質なこの冊子、おそらく800円〜1000円くらいの価値はある。頻繁にメンテナンスに出したり修理に出す予定の人は加入しておくといいだろう。

20%OFFの恩恵を受けるには、修理に出すときに、キヤノンフォトサークルの会員証のコピーをエア袋の中に同封しておく必要がある。

あんしんメンテオーバーホールの見積額一例

キヤノンのメンテナンスサービスに、従来のあんしんメンテスタンダードあんしんメンテプレミアムに加えて、あんしんメンテオーバーホールが新しく追加された。オーバーホールはその名の通り、シャッターユニットや前板ユニット、ラバー部分など劣化した部品を取り替えて、末長く愛機を使っていけるためのサービスだ。

Canon 1DXのあんしんメンテオーバーホール料金の見積もり額
部品名称 小売単価(税別)
シャッターユニット 13,350円
シャッターチャージユニット 4,610円
前板ユニット 27,395円
メカ機構部分 3,000円
CFカバーゴム 610円
TAPE, DOUBLE-SIDED (FIN) 45円
TAPE, DOUBLE SIDE
(CF RUBBER)
55円
FINラバー 615円
グリップラバー 1,260円
その他部品2点 360円
上記見積もりより、あんしんメンテオーバーホールの請求金額
技術料金 24,000円
部品代 41,040円
運送諸費用 1,500円
請求額合計(税抜) 66,540円
消費税相当額 5,323円
請求額合計(税込) 71,863円

キヤノンフォトサークルの修理費20%オフの特典が適用されているので、部品代は20%OFFとなっている。1DXのオーバーホールでこの価格なら妥当か。

シャッター数が想定耐用数を超えたらあんしんメンテオーバーホールに出すのもいいだろう。(キヤノンの株主優待でオーバーホール料金が40%OFFになるチケット発行されないかなぁ)