日経平均株価、年初より2,500円以上の下落。
日経平均株価が遂に17000円を割り込んだ。20日の終値は、16,416円。前日比-632円、3.7%の下落率だ。下値抵抗線を大きく割り込んだ形で、中国の景気減速懸念、原油安によるオイルマネーの株式市場撤退と、比較的安全な通貨である円買いによる116円までの円高進行など、マイナス要因の連鎖が、投資家心理を最悪の状態にしている。パニック売りの様相だ。
明日辺りにはそろそろ反発しそうではある。既に高値で売り抜けて現金を確保している投資家にとっては、株価の予想以上の大幅下落は、棚からぼた餅。投資妙味の銘柄も出てきたことだろう。短期の反発狙いで、スイングトレード的な買いが入るかもしれない。
これは2,3年後のことになるかも知れないが、日経平均株価が14,000円更には12,000円を割り込む様な事態になれば、既に高値で売り抜けた現金保有者にとっては有利な展開となる。
ここまで下がると、どれだけ優良企業であっても連れ安する。円安により業績が大幅に改善した企業は、円高により業績悪化するであろうから、業績予想より算出された予想PERも高くなり、適正なPERの水準まで株価は下がるだろう。
株価が下がると、配当利回りも必然的に高くなり、実質利回りとして割高感しかなかった株主優待にも旨みが出てくる。ファンダメンタルズの盤石な優良企業や、配当利回りが3~4%の企業、実質配当利回りが高い株主優待を提供している企業の銘柄を選別すれば、長期投資的には利益を生み出すことが出来る。
例えばJR西日本、NTT、NTTドコモなど。これらの銘柄は、国民生活には必須のサービスを提供しているだけでなく、配当利回りが高い。またJR西日本は株主優待として、3,000-4,000円程度で売れる鉄道割引券を送付してくれる。
ビックカメラは株主優待の商品券がとても魅力的である。今の株主優待提供額の水準で株価が5万円台まで戻れば、投資妙味が出てくる。
他にもよく利用する飲食店などの株主優待を提供している銘柄を選別すれば、株価が大幅下落した時に買っておくべき銘柄を簡単に見つけられそうだ。相場が弱い時にこそ、桐谷広人さんの様な投資家の意見が重要になってくる。
もちろん日経平均株価がそこまで下がるということは、企業の業績が悪化するという先行きを示しているわけだから、配当金の下方修正や、株主優待の廃止のリスクも内包しているが、そこは各銘柄の過去の実績を参照にして見極めるしかない。
政府の政策は手詰まり感がある。アベノミクスの新三本の矢は抽象的すぎて刺激がない。失われた20年の間に日本の空を厚く覆ってしまった重苦しい暗雲を払いのけられるだけの施策とも思えない。低所得者層への3万円の給付は苦し紛れの単なるバラマキという印象しかない。黒田日銀総裁のバズーカはこれ以上は効果を見込めそうにない。年金運用が兆単位の損失を出したと昨日の日刊スポーツ紙でも騒がれた。既に日本株を買いまくっている五頭の鯨は今後買い圧力となるのか。
といった具合に、今現在の投資家心理は総悲観となっている。総悲観は買いと言うが、今後の展開はなかなか厳しそうだ。