ヤマダ電機、巣ごもり需要で営業益前年比2倍と好調も株主優待制度が改悪

ヤマダ電機の株主優待券、お得に使うにはコツが必要。
ヤマダ電機の株主優待制度が改悪。

夕食時につけていたテレビから、家電量販店の利益が巣ごもり需要で伸びたというニュースが聞こえてきて、画面を見るとヤマダ電機の営業益が前期比2倍に伸びていた。IRを確認してみると、決算の修正を出していて、営業益と経常利益は予想と変わらないが、純利益だけ予想に対して34.4%増の修正。その要因が法人税が予想より減ったというものだったので、ニュースを受けた翌営業日2月5日の株価は、前場で557円と高値をつけた後はやや下がり、終値548円。前日比+9円で引けとなるやや寂しい展開。翌営業日8日も前日比+2円の550円で引け。

それよりも株主に衝撃が走ったのは、株主優待の改悪だった。昨日7日Twitterのトレンドに「ヤマダ電機」が俎上に登ったが、これはSONYのプレイステーション5の当選発表日だったため。しかしその当落報告に混じって、株主優待が改悪されたので、ヤマダ電機の株を売ったという1単元株主のツイートが散見された。

具体的には半減。中間2,000円、期末1,000円貰えていた商品券が、今回の改悪で期末500円、中間1,000円となった。

配当に対する公平性の処置という事らしいが、確かに100株x取得価格約55,000円で年間3,000円の商品券+配当金、また2年以上保有なら期末+2,000円、中間+500円と追加で商品券貰えるので、実質配当利回りが10%以上となり、1単元株主にとっては非常に有利だが、配当と比べるとより多く所有している株主に対して公平性を欠く。

長期保有の株主を優遇する目的でこのような株主優待制度となっていたが、公平性を期するためにこの長期保有の優待も廃止となった。この「保有期間による贈呈」の廃止は100株から499株の株主だけでなく、全株主に対する変更処置となる。

元々ヤマダ電機の株主優待商品券は、ライバルとも言えるビックカメラの優待券と比べると、1,000円の購入で額面500円商品券が1枚使えるという制度で、いわば半額で購入出来るが、使い勝手が比較的悪い。ビックカメラなら幾らからでも使えるので、商品券を多く持っていれば実質無料で商品を購入出来る。ヤマダ電機の商品券はそれが出来ない。どれだけ安く購入出来るとしても、制度上半額までとなる。

また使用出来るのは実店舗のみ、ネットショップでは使えないので、近隣にヤマダ電機がない株主にとってはこの優待券は不評なようで、以前したためた記事をTwitterの方で紹介して頂いた方が不満を漏らしていた。

筆者自身はというと、1度目は電子レンジを購入したのだが、パナソニックのメーカーでもヤマダ電機の店舗限定商品の品番というのがあるらしく、価格を調べてみると、他の家電量販店よりも割高で、株主優待の商品券を使って購入すれば、他の店と同じ価格になるという事がわかり、これなら他の店で買っておいて、株主優待は本などに使えば良かったと後悔したことがある。

あとはBlu-rayに使ったり、コードを買ったり、突発的にSONYにワイヤレスイヤホンを買ったりして、これらの値段は他の店舗と同じで、高い場合は値段交渉したので、お得に買い物出来た。

株主優待改悪により、株価550円で、実質配当利回りは4.5%となる。500株所有で、実質配当利回りは2.1%。こうしてみると、株主優待制度に旨味がなくなったので、手放す人が散見されるのも頷ける。

以下はアフターコロナの株式市場全体の動向について考察していきたい。