この日のメインの予定は京都鉄道博物館だったが、鉄道が特段好きというわけでもなく。エヴァ新幹線のスペースが館内に設置されていて、エヴァラッピングされた新幹線も展示されているということで、最終日に行ってきた。
お隣が京都水族館だったので、両方の施設に300円ほどお得に入れるチケットを水族館の受付で購入し(約3,000円)、まずは朝一で京都水族館から、昼前に京都鉄道博物館を訪れた。
この手の交通系博物館を訪れるのは子供の頃以来。実際に入ってみると、早速三両の電車が展示されている。黒いSL機関車と、国鉄時代のものと思われるオレンジの車両と、新幹線。昭和レトロだなぁと感慨に浸りつつ、間を通り抜けていくと、食堂車をそのまま使っているレストランがあった。
ここはまだフルコースでいうところの前菜のようなもので、本館に入ると巨大なスペースに3両ほど電車が展示されている。そういえば大阪の弁天町にも交通科学博物館があって子供の頃によく連れて行ってもらったなと思い出したが、4年前に閉鎖されたとのこと。同じJR西日本が運営している京都鉄道博物館は2年前に出来たばかりの真新しい建物で、なるほど確かに色々綺麗なわけだ。大阪にあった交通博物館と比べると規模が段違いに異なる。まさかこんな大きな施設だとは思わなかった。
そういえば20年ほど前にこんなオレンジの電車だったなぁ、天井には扇風機が回ってたっけ?と記憶を手繰り寄せようとしていたら懐かしくなった。20年という歳月は実際どうなのだろう。なんだか人もファッションも街並みもそう変わっていないんじゃないかと思われる。しかしJR西日本の電車は快速も新快速も白一色で真新しくなった。普通はターコイズのような色で古さが残る車両がまだ走っているような覚えがあるが、あまり利用しない線なので記憶違いかもしれない。20年前は都市部だというのに改札口に切符を切る職員が数人常駐していて、朝通りかかると、「おはようございます」と20代くらいの爽やかな職員が挨拶してくれた。今現在はすべて自動改札で半分はIC対応となっている。
本館に入ると、蒸気機関車がお出迎え。
お目当てのエヴァ新幹線。しかしやはり展示されているものよりも、実際に走っているところを撮りたいものだ。今月の5月13日でラストランだが、すでにチケットは売り切れたという。その日は別の撮影が入っているのでラストランには立ち会えないが、おそらくホームは混むのだろう。近いのに行けなくて残念。
旅行会社から模型かバスタオルの特典付きコースも用意されていたが、すでに受け付けは終了していた。
乗れなくて残念なのだけれど、2階の奥のスペースにあるエヴァ新幹線のコーナーでは、渚カヲルのアナウンスを聞くことが出来た。「不審物を見かけたら・・・」というくだりもちゃんと渚カヲルの声で流れるんだと妙なところで感心してしまった。
エヴァ特設コーナーでは、フィギュアのジオラマも展示されていて、阪急百貨店のEVA展以来のご対面。何周も回って写真を撮るのに夢中になってしまっていた。
後はグッズや映像などの展示。エヴァ初号機のフィギュアと登場人物たちのパネルも設置されていた。そんなに広いスペースではないが、何周も回って楽しめた。
一階は物流倉庫のような広さと雰囲気で、たくさんの車両が展示されている。電車というのは間近で見るとこんなにも大きいのかと感心してしまう。初期の新幹線。やはり新幹線といったらこれだろうか。
あと寝台特急、それに電車の前の部分に飾られているトレインマーク。踏切の実物。パンタグラフ。電車の下側を仰ぎ見ることが出来る通路。連結部。二回には、リアル電車でGO、エヴァ新幹線も走るジオラマスペース、改札、各電鉄会社の様々な展示物、司令部と、よくこれだけ痒いところに手が届くほどに展示されているなと、展示物の多さにも驚かされる。
こういう場所は感受性の鋭い子供の時分に来るべきもので、大人になってしまうとどうもこういった交通系の展示に興味が薄れてしまう。子供の頃は信号でも標識でも観ていて興奮したものだったから、小さい頃にこういう素敵な博物館があれば、間近で見れてきっと大喜びだっただろう。
しかし鉄道にあまり興味がない大人も楽しめないわけではない。普段は押せないボタン、例えば踏切の非常用のボタンを押すことが出来たり、他にも様々なボタンを押す体験が出来る。普段は押せないボタンを心ゆくまで押せるというのは、大人になっても楽しいものだ。
どちらかというと、鉄道施設の実物大の展示よりも、鉄道の歴史の展示の方に興味がいってしまう。福沢諭吉の西洋事情がさらっと置いてあったり、幕末明治の鉄道施設計画の話などを興味深く見ることが出来た。歴史の息吹を肌で感じることが出来るスペースだった。
鉄道模型も飾られていた。子供の頃と比べると興味はさほど湧かなかったが、おそらく一度手を出すと、ずるずると沼に引きずられそうな予感もする。人生何に興味を引かれるか分からない。
別館もあるとのことだが、徹夜明けで疲労が溜まっていたし、この後美術館の方にも寄りたかったので、今回はスルーした。
日本の大英博物館のような、或いは鉄道の大英博物館かスミソニアン博物館のような、展示物が豊富な充実した博物館だった。鉄道にあまり興味のない筆者でもまぁまぁ楽しめたのだから、好きな人にはたまらない空間なことだろう。