カメラマンとコスプレイヤーでは写真の好みが異なる

ストロボを使わず環境光だけで撮影してみよう。
ストロボを使わず環境光だけで撮影してみよう。

正月明け、ハコスタジアム大阪に仲の良いレイヤーさんたちと遊びに行った。最近はスタジオでストロボを使わない撮影も度々行っている。その場の環境光だけで雰囲気のある写真を撮りたいときに、ストロボをオフにする。

これがまた簡単なようで難しくもある。まずスタジオというのは意外と暗い。場所にもよるが、F1.4という最高に明るく撮れるF値の設定で、ISO感度1600の設定が必要だった。スタジオの照明をオンにした場合の設定でもこうなのだから、開放F値が大きいズームレンズの場合、どのようにして明るく撮ればいいのか迷うところだ。ということで単焦点レンズを使う。

スタジオの天井の照明をオフにして、行燈の明かりだけで撮影。
スタジオの天井の照明をオフにして、行燈の明かりだけで撮影。

あえて暗めの写真。雰囲気的にはとても良い。しかし下からの光源なのでお化けライトになりがちでもある。大河ドラマ「龍馬伝」のようなほの暗さで良いのではないだろうか。肌も綺麗に写っていた。

とはいうもののお化けライトがどうも気になるという話になったので、行燈を後ろにやろうということになった。

影のように撮る。
影のように撮る。

リムライトのみで撮影したかのような絵作りとなった。しかしこれもなんだか違うなぁということで、最終的にはソフトボックスを使って以下のような写真に収まった。

ソフトボックスとアンブレラの2灯ライティングで撮影。
ソフトボックスとアンブレラの2灯ライティングで撮影。

どうしても撮りたい絵があると言われる。二人向かい合って影のように撮って欲しいという。幸いこのスペースでは障子の後ろにLEDライトが丸く灯るようになっている。被写体の輪郭だけを光で縁取るように美しい仕上がりを心がける。

背後の照明をリムライトのように使う。
背後の照明をリムライトのように使う。

次はカメラの方に向いてもらってピンショット。ほのかな影になるくらいでいいと言われたが、ストロボを使って撮影してみることにした。しかしこれがなかなか加減が難しく、モデル側との好みとの折衝がうまくいかない。一度は気に入ってもらえた写真も、少しライティングを変えるだけでさっきのと違うということでやり直すことになる。

試しにスタジオの照明をつけて撮ってみると、これがまたなんとも味けのない写真になってしまった。もちろんレイヤーさんからもNGが出る。照明を消して撮り直し。

ソフトボックスをカメラ側に向けて撮影。
ソフトボックスをカメラ側に向けて撮影。

また、カメラマン側とコスプレイヤー側の好みの問題というのもあるだろう。僕は少し明るめの一灯ライティングが月光を浴びた刀遣いの雰囲気が出ていて良いと思ったのだが、レイヤー側からするともっと暗めの本当にほのかに光が当たっているくらいでいいという。このあたりはやはりレイヤーの好みをよく聞いて理想のライティングに仕上げたいところだ。この写真がいい!と歓喜の声で賞賛された場合は、ライティングを変えずに撮り続けた方がいいだろう。