一眼レフデジカメにはレンズが着いていない。この点はコンパクトデジタルカメラとの大きな違いだ。ゆえに初めて一眼レフデジカメに触れる方は、戸惑いを覚えるかも知れない。このデジカメの正面にポッカリと空いた大きな穴は何なのだろうと。なぜレンズが着いていないのだろうと。
タダでさえウン万円ウン十万円とするのに、併せてウン万円ウン十万円もするレンズも買わないといけなのか、と途方に暮れるかも知れない。筆者も初めて一眼レフデジカメを購入した時はそうだった。
初代5D、30万円。これにレンズを買うとなると大事だ。
タダでさえお金がかかるのに、合わせてレンズも購入しなければならない。それならコンデジやスマホのカメラで十分と思うかも知れない。事実スマートフォンの普及で、コンデジの存在感は薄れつつある。キヤノンの業績にも色濃く反映している。
しかしこれだけスマホのカメラが普及している今現在、レンズが交換できる一眼レフデジカメを購入しようと考えているあなたは、写真に対する向上心が強い方に違いない。コンデジやスマホには満足できず本格的に写真をやり始めようと奮い立っているのではないだろうか。
本体だけでウン万、ウン十万する一眼レフデジカメ。初めて買うのはどのレンズが良いだろう。今回はこれまで様々なレンズを購入してきた筆者がレクチャーしていく。
キットレンズは買うな。単焦点レンズを買え。
一番安い入門用のエントリー機には、キットレンズがセットで販売されていることが多い。もちろん本体よりも割高になるが、キットレンズ単品を後から個別で購入するよりは安い価格設定となっている。
しかしこのキットレンズ、性能が余りよろしくない。ズームレンズなので、広角から標準、更には望遠までカバーでき、買ったその日から様々な表現が楽しめるが、開放F値が高いレンズなので、ボケ表現は楽しめない。写りもそんなに良くない。
そこでキットレンズを買うのは止めて、撒き餌レンズと呼ばれる単焦点レンズをお薦めしたい。実売価格14,000円で、開放F値が1.8なのでボケ表現も楽しめる。
また50mmの単焦点レンズの紡ぎ出す世界は人の視界と同じと言われており、単焦点ゆえに構図を決める為に自分の足を動かさなければならず、写真のスキル向上にも打ってつけとなる。
とにかくロマンティックな暈け表現を得たいなら、キットレンズは止めて、単焦点レンズをお薦めする。
予算があるならいきなり大三元ズームンレンズ!
もしあなたのお財布に余裕があるのなら、いきなり大三元ズームレンズを買うことをお薦めする。Canon EF24-70mmF2.8L Ⅱ USMはとても写りが良い高級ズームレンズだ。広角から中望遠までの表現を楽しむことが出来、開放F値が2.8なので、暈け表現も期待できる。
このクラスのズームレンズは20万円と高価だが、おそらく10年はメンテナンスなしで余裕で使える。またLレンズは売り払う時も、次世代型が出た場合でも半値で売れる点を忘れてはならない。
始めに良いレンズを買っておけば、レンズ沼に填まることもないだろうし、長い目で見ればあれこれレンズを買い替えるよりも節約になる。何より良いレンズで撮ると良い写真が撮れるので写真撮影が楽しくなる。しばらくはこのズームレンズ1本でLレンズの写りを堪能しながら、自分に必要な焦点距離を探るのも良いだろう。
本格的に写真を始めようと思っているのなら、はじめから非常識なレンズ選びで飛ばしていくのも1つのやり方だ。