プリンターのインクをネットショッピングで検索すると、メーカーの純正品ではない互換インクの商品がたくさん出てくる。純正よりも80%くらい安い。
メーカーの純正品ではない互換インクを使うと、様々な問題が出てくる。まずは印刷の質。もし写真を作品としてプリントアウトしたいなら、印刷の質にはこだわりたいところだが、互換インクの質は純正と比べると悪い。
また、互換インクを使用してプリンターが故障した場合、メーカーの一年保証が効かない。一年以内の故障であっても有償修理になる。プリンターが初期不良を起こした際に、キヤノンに電話で修理を申し込むと、必ず純正のインクを使っていたかどうかを聴かれる。安い互換インクを使っていて、修理代がかかってしまっては本末転倒だ。
キヤノンの公式ウェブサイトでも、純正インクの利用を進めている。印刷の質と、安全性、地球環境への配慮の3点を訴求としているようだ。
キヤノン純正インクを使った方が良い理由(キヤノン ウェブサイト)
キヤノン製プリンターの純正インクと互換インクの比較試験は、以下のサイトで公開されている。
プリンター本体は安く、インクは高い。一般的なA4プリンター用のインクのセットを3回購入するお金で、新しいプリンターが一台買える。インクが高いのは、プリンター本体の販売ではなく、インクを販売することで、収益を上げる構造になっているからだ。ゲーム機を逆ざやになっても安く売って普及させ、ゲームソフトの販売で利益を上げるゲーム産業と似たような構造となっている。
民間企業は利益を上げるのが本分だ。企業が儲からないことには、質の良いプリンターやインクも開発されない。慈善事業やボランティアでやっているわけではないので、利益の出ない事業からは撤退せざるを得ない。将来性や企業倫理的な観点からも、互換インクに比べて割高な純正インクを購入することは、社会貢献にも繋がると筆者は思う。
しかしいざ純正インクを買おうとネットショッピングで検索してみると、検索に「純正」の文字を入れているのに、なぜか互換インクが検索結果に表示されてしまう。そして安さに目を釣られて純正インクは高いなぁと感じざるを得ない。それにしても「純正」で検索して互換インクが表示されるのは紛らわしい。間違えて購入してしまいそうだ。
純正インクの値段がもう少し安くなってくれるに越したことはないのだけれど。最近はキヤノンから15万円するA2プリンターも発売されたが、インク代を聞くと震え上がる程高いので躊躇ってしまう。