冬到来である。西日本では40年ぶりの大寒波が来るとの話題で持ちきりだ。電車の中でも側にいた若い女の子達が週末は物凄く寒くなると騒いでいて、思わずスマホで週間天気予報を確認したほどだ。
こんな寒い時分にも、情熱溢れるカメラマンは雪撮や雨撮を敢行する。僕は出来れば冬の間は暖房の効いた部屋に籠もって仕事をしたり本を読んでいたい。しかしそういうわけにもいかない。いつも仲良くしてくれる女の子達から撮影依頼が次から次へと引っ切りなしに舞い込む。必要としてくれる人がいる以上、撮影に出ないわけにはいかない。
そんなわけで、去年の年末も夜まで撮影していた。昼間は日射しがきつくてなかなか暑かったが、日が暮れてくると、急に冷え込んできた。撮る方も撮られる方もガタガタ震えながら撮影に臨んだ。
女の子達は、お腹や背中にカイロを貼っていた様だ。昼間の内はそれが暑いと言っていた。僕は何も貼ってこなかった。ありがたいことに、女の子のうちの一人が僕に貼るカイロをひとつくれた。その時はタートルネックのセーターに革ジャンを着ていて充分に防寒していたので、カイロはポケットに入れておいた。
夜になってから急に冷え込んだ。胴や脚は寒くないのだが、むき出しになっている手がかじかむ。ストロボの光量の設定や、ライブビューでの確認作業、被写界深度やISO感度、シャッタースピードの設定、シャッターを押す時など、諸々の作業が手がかじかんでいて、もどかしい。こういう時に手で揉めるタイプのアッツ熱のカイロがあれば、それだけで寒さしのぎになって、心地よく撮影出来ただろうにと後悔した。貼るタイプのカイロは、シールが着いている分、手を温めるのには、あまり効果がなかった。
そんな体験をしたので、今度から冬の野外撮影に臨む時は、手もみ出来るタイプのカイロを持って行こうと決めたのだった。
そして後日、屋外で仕事をしている女の子と誕生日のお祝いをかねて食事に行った際に、足先にカイロを入れていると言っていた。そんなタイプのカイロも出ていたのか。確かに体は着込んで防寒していても、足先は冷える事が良くある。撮影中余りにも寒くて、つま先で地面を蹴ったりしたものだ。
冬の間は、暖かい環境の中で撮影出来るに越したことはない。自分の体を過信せずに、防寒対策はしっかりとして撮影に臨みたい。