毎月19日から20日は、カメラ雑誌の発売日だ。書店に赴くと発売日よりも一日早く雑誌が陳列されている。
月刊カメラ雑誌の中でも一際目を引くのは、デジタルカメラマガジンとフォトテクニックデジタルの2冊だ。一方は表紙が賑やかで、もう一方は若く美しい女性モデルが表紙を飾っている。この2冊はカメラ雑誌のツートップと言っても過言ではないだろう。
あまりカメラ雑誌に触れない人にとっては、パッと見、2冊ともどことなく似ている様に見えるかも知れない。まず雑誌の大きさが同じだし、雑誌タイトルも何となく似ている。ツルッとした表紙や中のページの紙の質も似ている。厚さも似ている。
しかし中身となると、この2冊の雑誌は大きく異なっている。購買対象としているアマチュアカメラマンにも、風景から鉄道、ポートレートまで様々なので、この2つの雑誌の違いについて少し考察してみよう。
カメラや写真全般を幅広く扱った雑誌と、ポートレートに特化した雑誌
デジタルカメラマガジンは、カメラやレンズの新機種についての特集記事に優れている。メーカーへのインタビューや実写テスト、性能比較など、ガジェット好きには溜まらないだろう。
一方でフォトテクニックデジタルは、カメラやレンズについての情報は余り見当たらない。その代わり、うら若き女性のポートレート写真が巻頭カラーを飾っている。普通のワンピースを着た写真の時もあれば、セーラー服やスクール水着のグラビア風写真が掲載されていることもある。ポートレート好きには溜まらないだろう。
ではデジタルカメラマガジンも写真は掲載されていないのかというと、そんなことはない。ただし風景写真の割合が大きい。他にも写真の撮り方のテクニックについて、あらゆる分野のプロカメラマンの生地がふんだんに掲載されている。向上心の大きいアマチュアカメラマンの心を擽る記事を、月替わりで手を変え品を変え特集してくれているのが魅力だ。
フォトテクニックデジタルにはそういう写真撮影にテクニック的な記事は載っていないのかというと、こちらもそんなことはない。きちんと載っている。ただしポートレート写真、特に若くて可愛い女性のポートレート写真の撮り方のテクニックに特化した記事が掲載されている。最近ではコスプレ写真の撮り方なんかも載っている。
電子書籍対応の違い
次に販売方法を見ていこう。ここ2年程で電子書籍の時代が本格的に到来し、書籍の売り方にも幅が広がった。デジタルカメラマガジンは従来の紙媒体の他に、電子書籍版でも手に入れることが出来る。電子書籍のメリットはなんと言っても場所を取らないことだろう。デメリットは記事の一部が省略されてしまっていることだ。
デジタルカメラマガジンは以前は、キャンペーンと銘打ってバックナンバーを100円(税抜)で販売していたが、最近はそのキャンペーンも半額に値上がりした。その代わり、月々980円の読み放題サービスAmazonアンリミテッドに登録していれば、電子書籍版を無料で閲覧することが出来る。
一方、フォトテクニックデジタルは、単体では電子書籍版を販売していないが、従来からの紙媒体の雑誌を買うと、電子書籍版が無料で付いてくるというシステムになっている。「紙の雑誌なんて嵩張るし、どうせ時間が経てば捨てちゃうんじゃないの?」と思われるかも知れないが、紙の質も良いし、グラビアが若くて可愛い女性なのでなかなか捨てるのが勿体ない、永久保存版としておいておきたいと思える雑誌なのだ。セーラー服とかスクール水着の美しいグラビアも掲載されているし。紙雑誌は永久保存版として本棚にしまえるし、電子書籍版は読む場所を選ばないから、外出先でも暇つぶしに読むことが出来る。一石二鳥というわけだ。
さて、この2冊、どちらが優れているか、甲乙つけがたい。自分に合った活動スタイルの雑誌を選ぶことになるだろう。ガジェット好きや撮影スキルを伸ばしたいならデジタルカメラマガジン、若くて美しい女の子のポートレートが好きな方や、ポートレート撮影を頻繁にしているアマチュアカメラマンなら、フォトテクニックデジタルの選択で間違いない。
ちなみに筆者は書店でさらっと立ち読みした後、Amazonアンリミテッドでデジタルカメラマガジンを購読し、紙の雑誌でフォトテクニックデジタルも買うというスタイルにしている。