若手芸術家の美術展を観に尼崎まで行くついでに、Canon 5DsRとZeiss Otus1.4/55を持ち出してスナップ写真を撮りに行った。
尼崎のアルカイックホール。10年くらい前だっただろうか、鳥居みゆきや小島よしおなどのサンミュージック所属の芸人が人気絶頂の頃にアルカイックホールにやって来て、お笑いライブを開催していた。訪れるのはそれ以来だろうか。阪神尼崎駅はコスプレ撮影に赴く際に素通りするか阪神難波線に乗り換える駅だが、下車したのはお笑いライブを観に来て以来だ。
5DsRとOtusという最強の組み合わせ。クッキリシャープ。F8まで絞って撮っているから、他のレンズとそんなに変わらないかも知れないが、他レンズと比較撮影していないのでその辺はまた機会があれば。気持ちは大事です。
隣にあるホテルも撮ったのだが、こちらの方が色が白く、青空とのコントラストが美しい。ホテルなので写真掲載は控えさせて頂く。
この日は数十年ぶりの記録的大雨がようやく止んだ翌日だったので、空が昨日とは打って変わって恐ろしく晴れ渡っていた。快晴の空に、夏の暑さに、蝉の声。大雨が通り過ぎ遂に夏到来と行った感じだ。入道雲も出ていた。
美術展を開催している施設に向かって歩いたのだが、地図を見ていなかったのでずいぶん通り過ぎてしまったようだ。初めて歩く町というのは引きつけられるもので、特に下町風の景色は情緒があって良いのだが、やはりこの辺りも開発が進んで真新しい家が建ち並んでいたりする。しかしその合間にも昔からのアパートや団地などが垣間みえ、ふっと視線が引き寄せられる。古いアパートの前にたくさんの粗大ゴミが出ていて撮りたかったが、人もいるし失礼かなと思い撮らなかった。
ローソンの前を通りかかったのだが、なぜか店内が暗い。よく目をこらしてみると、天井にLEDライトの粒がたくさん見える。なぜだろう。少し歩くとまた別のローソンがあったが、こちらも同じように暗く、天井にLEDライトのたくさんの粒が。外から見ると暗いけれど、店内に入ると明るい不思議なライティングなのかも知れない。
風に煽られよく回る手作りの風鈴。シャッタースピードを速くすると回っているのが止まって撮れてしまうので、1/80秒にして、明るくなった分はF9まで絞ることで対応した。背景を暈かして撮りたかったのだが、55mmの焦点距離でF9まで絞っても、被写体に近づくと良くボケている。
エモい遊歩道。エモかったけど暑かったので2枚だけ撮って移動。
並木道がとても綺麗。バック・トゥ・ザ・フューチャーのヒルバレーのラストシーンを彷彿とさせる。あと遠景の雲が綺麗なのでそれに惹きつけられたのもある。
古い団地の誰も遊んでいない遊具。雑草が絡みついている。
遠くの方に見えていた何かの塔。白がよく映える。F1.4で撮影してみたが、さすがOtus。開放から描写がシャープ。5060万画素は網目模様もしっかりと描写していた。
美術展の方は大学もしくは大学院に在籍中と思われる若手芸術家の作品が紹介されていて、海外からも日本のアニメが好きな女性写真家の作品が展示されており、感ずるところが色々あった。個人的に良かったのは紅茶パックを3つ干した絵などを展示していた若手アーティストの作品だろうか。寝転がって、もしくは下から仰いだ視点のものと思われる紙の提灯や木目の絵もあったのだが、幼少の頃に住んでいた部屋の景色と重なり、そういえばこんな提灯昔部屋にぶら下がっていたなと、頭の奥底に眠っていた記憶を掘り起こしてくれた。子供の頃は就寝前に下からのこのような視点で提灯や天井の板を眺めたものだ。
帰りは高層マンションなども撮影していった。やはりその奥に控えている雨上がりの空が綺麗で惹きつけられたのだ。余りに空が綺麗で入道雲も旺盛な形で出ていたので、家に帰ってからOtus1.4/85や購入して間のない11-24mmを持ち出して空を撮っていった。ゴヤの絵画みたいな入道雲だった。