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対角線構図でダイナミズムを演出する – 構図の効用

大橋が対角線構図になるように配置してみる。
大橋が対角線構図になるように配置してみる。

普段構図をあれこれと意識して撮る事はあまりない。といったら嘘になる。日の丸構図と3分割構図は頭の中に常にあり、それらを意識して撮ることがある。しかしそれ以外の構図となると撮影中にはパッと頭の中から出てこない。

典型的な構図は書籍やツイッターなどで色々紹介されている。日の丸構図、2分割構図、3分割構図、対角線構図、放射状構図、シンメトリー構図、トンネル構図、三角形構図、黄金分割構図などなど。

例えば写真を撮っていないときに対角線構図を持ち出してきて、この構図はどういった撮影シーンで役立つだろうと頭を絞ったところでなかなか答えが出てこない。何も撮る物がない状況下で対角線構図に最適な被写体を思い浮かべることは難しい。そもそも対角線構図が見る者にどのような印象やインパクトを与えるのかを、作例が明示されていても家にいながらにして計り知ることは困難だ。これが座学の限界である。

これらの構図を写真を撮るときに思い出したとしても、今現在撮影しているシーンでどれを当てはめたら良いのか迷ったりする。単に構図を駆使して撮ることの経験不足から迷いが生じている可能性もある。やはり撮影経験の積み重ねが物を言うのだろう。

六甲アイランド大橋を背景にコスプレ写真を撮ることになった。FGOのコスプレ写真で神戸大橋をロケ地にして撮影しているのはすっかり有名になってしまったが(FGOで持て囃される前に橋だけは撮りに行きましたよ!)、六甲アイランド大橋は神戸大橋よりもちょっと小ぶりな外観で、エヴァンゲリオンのロンギヌスの鑓のような形の海に突き刺さった赤い柱が2本、ちょっと寂しい感じのする橋でもある。あくまで神戸大橋に比べたらだけど。

巨大建造物を背景にしてどう撮るか迷うことになる。もちろんカメラを向けて撮ればそれはしっかりと写る。しかし印象深い写真を撮るにはどうしたら良いだろうかという観点から考えると、構図に悩むことになる。

とりあえず撮っていった写真をコスプレイヤーさん達にパパパッと見せていった。すると或る写真が表示されたときにレイヤーさんが「あっ」と声を上げた。これが良いという。

よく見ると4人の背景にある六甲アイランド大橋がほぼ対角線構図で撮れていた。

85mm | F1.4 | 1/4000s |  ISO100
85mm | F1.4 | 1/4000s | ISO100

何に対して良いと思ったのか、構図か、それとも4人のポージングの妙か。その両方か。

そういえば以前も、ブライダル会場のコスプレ撮影で、イベント終了間際になって皆気力・体力・精神尽きかけてダレていたところへ、扉の前でシンメトリー構図を使って撮影したら、コスプレイヤー達の萎えかけていたテンションが一気に上がってカンフル剤を打たれたような声で喜ばれたことがあった。定番の構図で撮った写真は人を元気にもする。正直構図が観る人に対してここまで効果があるとは思っていなかった。やはり基本的な構図で撮れている写真は無意識のうちに観る人に深い印象を与えるのだろうと実感した瞬間でもあった。

シンメトリーは美しい

構図以外についても解説していこう。この場所での作例の向きだと昼過ぎは順光で撮れる。4人に光が当たって力強いライティングとなっている。F8まで絞っているが、ISO感度は200と低めで撮れる。順光による顔の影は、Photoshopなどで肌レタッチを施すと若干緩和するから気にする必要はないだろう。

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橋をクッキリ撮るか暈かして撮るかが悩むところだが、悩んだなら両方撮れば良い。ただし橋を暈かして撮る際、前後している4人全員にピントを合わせるのは難しい。誰にピントを合わせるかが問題となってくる。

ピントが合っているように見える範囲、すなわち被写界深度は、ピントを合わせた被写体の前方よりも後方の方が深めだから、前の方にピントを合わせた方が全員にピントが合いやすそうだ。冒頭に上げた作例はF1.4の開放で撮影しており、後ろの三人のいずれかにピントを合わせたために、一番右の子が若干ボケてしまったので、F値を2に設定し直して全員にピントが合っている写真を撮る事が出来た。

もしくは横から抜くだけでなく、4人となるべく平行になるような位置に移動して撮るのも良い。

この日は余り天気が良くなかったが、時折太陽が雲間から顔を覗かせてくれたので印象深いコスプレ写真を撮る事が出来た1日だった。