巨大LEDスクリーンを背景に、人物を綺麗に撮影する方法!

周りが明るいのでキンブレの光があまり強調されないが、ボカすことで動きが出て光が出ているように見える錯覚も。
周りが明るいのでキンブレの光があまり強調されないが、ボカすことで動きが出て光が出ているように見える錯覚も。

まだ撮影したことのないスタジオで撮るというのはとても楽しい。巨大なLEDスクリーンに映像を流して撮影することができるスタジオクオリア新大阪。近づいてよく見ると小さな小さなLEDライトがたくさん集まって一つの映像を表示させている。

早速撮ってみた。背景の映像もしっかりと写したいという要望があったので、Canon EF24-70mm F4 IS USMのレンズを使って、F8くらいまで絞って撮っていた。撮影する前は、プロジェクター撮影のように難易度が高いんじゃないかと思われたが、撮ってみると簡単。きちんと映像が飛ばずに写っている。水紋のようなムラも出ていない。

しかしデータを見るとちょっと気になる点が。人物と画面の縁の描写がどうも変で、人物だけ継ぎ接ぎした合成写真みたいに見えてしまう。小さなLEDライトの粒がはっきりと写りすぎているのが、どうも原因っぽい。

何とかならないものかと、レンズをF値の小さい単焦点Otusの85mm F1.4に変え、F値をF2.2〜F2.8くらいまで下げて背景をぼかしてみることにした。するとこの継ぎ接ぎ描写は解消することができた。

F2.2まで下げても背後の映像はしっかりと識別できる程度に、うまい具合にぼけている。背景の映像をはっきり映すよりもぼかした方が綺麗だ。

集合写真の時はやはりF値を絞らなければいけないので、若干つぎはぎ感が出ている。しかし明るい設定で撮ったせいだろうか。最初の暗めの背景の設定で撮ったときよりもつぎはぎ感は解消されている感じがする。映像が白くなることで、ドットが目立たなくなるせいかもしれない。

背景を若干ぼかせば綺麗に撮れる!

さて背景にこのような映像画面がある場合はどう撮ればいいか。背景の映像が何かで決まるのかもしれないが、今回の背景映像は白にピンクの文字ということで、明るくして撮るのが正解だった。単焦点レンズでF2.2〜F2.8の設定で、ISO感度で背景の明るさを調節する。人物の明るさはクリップオンストロボを取り付けたソフトボックスで調整。

キンブレを用いてライブ風に撮るときも、単焦点レンズがいいだろう。キンブレや手などを程よくぼかすと、このぼけみがブレている感じの描写になり躍動感が出る。キンブレをあまりぼかさずに写してしまうと、逆に止まっている感じが出てしまう。それに実際のライブ会場とは異なり、スタジオは明るいので、キンブレのまぶしさが表現しづらい。それならばいっそのこと思い切りぼかした方が、光を発しているかのような表現を実現できる。

周りが明るいのでキンブレの光があまり強調されないが、ボカすことで動きが出て光が出ているように見える錯覚も。
周りが明るいのでキンブレの光があまり強調されないが、ボカすことで動きが出て光が出ているように見える錯覚も。

初めて撮るスタジオなのでちゃんと撮れるかどうか心配だったが、うまく行って良かった。レイヤーさん達にも大満足してもらえたので良しとしよう。