ハコアム大阪のお菓子のスペース。2,3ヶ月間にも同じコスプレイヤーさんを同じ場所で撮影して、良い感じの撮れたので、忘れないうちに記事にしたためておこうとしたのだが、写真の編集が面倒だったので、何を記事にするんだったか忘れてしまった。この手の記事は撮影が終わってすぐに執筆した方が良い。楽しかった撮影の余熱が執筆のエネルギーとなる。鉄は早い内に打て。さもなくば情熱も冷めてしまう。
というわけで再び同じレイヤーさんを同じスペースで撮影した。しかしこのお菓子のスペース、巧く撮るのがなかなか難しい。この手のスタジオは天井のみの照明となる。しかしお菓子のスペースは基本明るく撮らないとイメージがおかしくなる。可愛いキャラで明るいイメージのスペースで暗い写真を撮ってしまったらおかしいでしょう。そういう絵作りが欲しいなら構わないけれど。
スタジオの装飾を明るく撮るためには、F値を小さくする、ISO感度を上げる、シャッタースピードを遅くする、という方法の他に、メインのストロボで明るくするというのもある。現実的なのは、F値とISO感度で調整する設定。シャッタースピードはストロボを使うことを前提とすると、シャッタースピード1/250秒を上限として、そこから遅い設定にするわけだが、50mmの標準レンズの使用を想定して手ブレのことを考えると、1/60秒が限界のように思われる。これ以上遅くすると手ブレではなく、被写体の動きが原因の被写体ブレが生じたり、ストロボが当たっていない箇所や背景がブレてしまうことも懸念される。
モデルに宛がうメインのストロボでスタジオの背景もある程度明るくすることは出来るが、場所によってはモデルの明るさを最適にする為の光量設定では限界があったり、距離や遮蔽物(モデルや家具類)が原因で光が後ろまで届かなくて暗くなってしまうこともある。今回はストロボを焚いても背景が暗くなってしまったので、カメラの設定に頼ることにした。
前に別途ストロボを用意してケーキの椅子の後ろに置いて明るく死闘と試みたが、いかにもストロボを焚いた感じで背景が不自然に明るくなってしまったので、今回はこの方法は見送った。
コスプレイヤー側からは思いっきり暈かして撮って欲しいという事だったので、F1.4の設定にした。しかしツーショットである。二人同時にピントが合いづらい。横から前景のお菓子の小物類を暈かして欲しいという要望だったので、横から撮ったが、F1.4と二人の位置ではどちらかのピントが合わない。
そこで上から撮ることで、ピントを合わせることにした。まぁ後ろ寄りの子が気持ち前のめりになってくれたら二人にピントを合わせることが出来るのだけれど、目がクッキリシャープとまでは行かないので(そこまで詰める必要はないくらいではあるのだが)、上から撮った。
次にピンショットを撮っていったが、どうもF1.4だとマニュアルでのストロボの光量を1/128という最小に設定しなければ明るすぎる写真となってしまう。カメラの設定はISO感度200、シャッタースピード1/100秒、F1.4。この設定だと背景はまず明るくなるが、足りないと思えば、ISO感度を上げるか、ストロボを明るくするか、後からCanon DPPを用いたRAW現像のガンマ調整チャートで白飛びを抑えつつ明るさを調整すれば良い。
しかしストロボ光が弱い点、またストロボ最小付近の光量でも明るくなりすぎるのを防ぐために通常よりもソフトボックスやアンブレラをモデルから遠ざけている点などから、どうもメリハリがない写真になりがちに感ぜられる。恐らく天井の照明の影響の方が強く出てきてしまうからだろうか。あとはF1.4というふんわり写真の設定という事もあるだろう。野外の自然光でならF1.4でも巧くカリッとした写真が撮れるのだが、自然光が一切入らないスタジオでのF1.4の撮影が難しい所以だ。
しかしカメラの液晶画面ではそれらの点が見えづらい。気づいたのは家に帰ってパソコンのディスプレイで見てからだった。白飛びを気にして、ストロボの光量を小さめにし過ぎたきらいがある。もっと大胆に上げて肌を白く飛ばしても良かった。
引き続きF1.4で撮影していたのだが、モデルをチェンジしてしばらくしてから全身からバストアップに変えて撮るシーンに入ったので、少しくらい絞ってもレイヤー側が希望する背景の暈けは確保できるだろうという事でF2に設定して撮影した。F2まで絞ると、ピントが合わせやすいという他に、ストロボの光量を上げても白飛びしないという安心感が生じる。モデルも程よくシャープな描写になり、写りが良くなる。
前に撮影した写真を見返してみると、F2で撮影していた。ここではF2に絞って、色の濃さ(彩度)を+2にしてとると良い写真が撮れると書きたかったのだという事を思い出した。彩度に関してはキャラに寄るので一概には言えないが、絞り値はキャラに左右されないので確実だ。
ということで背景を暈かして撮りたい場合の最適解は、50mmの標準レンズもしくは85mmの中望遠レンズで、F2の設定という事で。APS-C機をお使いの方は、同じレンズのフルサイズ装着時と比べてフレームが狭くなるので、その点注意されたし。