背景をボカした1枚の写真から撮り方を紐解く

Twitterの方に、撮影者としてタグ付けされた記念日に絡んだコスプレ写真が上げられていたので、ふと懐かしくなり解説を試みようと思いフォルダを探したのだが、ローカルのHDDからは既に削除されていた。パソコンのストレージ3TBなんていうのは、写真を趣味にしている者からすれば全く足りないくらいで、最近は動画もよく撮るので、要領なんてあっという間になくなる。

そこで外付けハードディスクを買って全撮影データを移行、それとは別にベストショットを数枚から数十枚選んでローカルの方に保存し、見たいときにすぐに参照できるようにしておくのだが、それでも月4から8で撮影をしていればデータは積もっていき、3TBの容量をあっという間に食う。撮影から帰ってきてパソコンにデータを取り込もうとするとハードディスクの容量が一杯で、やむなくローカルに保存して置いたデータも削除することになる。

久しぶりに様々なメーカーのパソコンを覗いてみたのだが、5年程前から3TBの選択オプションは変わらない。前に使っていたデスクトップが3TBだったので、一般ユーザー向けのパソコンは8年程前から、HDDの容量を3TB以上になかなか増やせない状況であることが分かった。

外付けハードディスクの方はと言うと、4TBの製品が遂にかつての3TBと同等のお手軽な値段になった。またそれより大きい容量の製品も販売されていて、容量に比例してだいたい同程度の値段となっている。

仮に10TBが更に安くなれば、外付けハードディスク3台に十数年分の全ての写真が収まることになる。NASのような面倒で金のかかるシステムを組む必要性もなくなるのではないか。そもそも外出先から大量に保存されている写真を参照することなんてまず無いし、重要なファイルをネット上から参照できる様な状態にはしておかない。お気に入りの写真があればフォルダを作ってそこに入れておけば良いだけだ。iMacやiPhoneなら簡単に共有できる。

家の外付けハードディスクが累計10台程になったが、写真を趣味にしているからで、もし写真や動画を撮っていなければ、ここ15年で1、2台程度に収まっていたことだろう。それほど容量を食うのはRAWモードで撮っているからでもあるが、まだカメラの撮り方について良く分かっていなかった10年以上前に撮影したポートレート写真を、RAW現像を施すことで見違えるように仕上げることが出来るのだから、現像の凄さを知ってしまうとJPEG撮影モードには戻れない。

要は一昔前に持て囃された雑誌の自炊と同じで全部取っておいたところで、忙しい人生の内で何度も見返す時間も無ければ見返す機会も滅多にないのではないか、そして自炊にかかる作業やお金は時間の無駄ではないかとすら思える。ベストショットを数枚から数十枚選んでおいてローカルHDDに保存した方がアクセスがし易いし、見返しやすい。また見返す体験が容易に出来たことで、その日に撮った他のデータを見たくなるという感情も湧き起こる。

今回はおそらく愛知県半田市のコスプレイベントで撮影した写真。上手い具合に背景をボカしてある。この作例を基に、珍しくカメラの設定の話は無しで解説していきたい。(全文:2,600字)