長い付き合いのレイヤーさんとWTCへ。ここは何度も訪れているのだけれど、こんなに撮りにくい場所だったっけというのが今回の率直な感想。
天気はあいにくの小雨模様。雨が降らなければ、天使もビルの屋上で撮る予定だったラブライブ!職業編の衣装だった。WTCはつい先日も訪れていた。エレベーターホールのガラス張りの場所が似合いそうだと思ったが、ガラスにソフトボックスやアンブレラや撮影者自身が映り込んでしまい易いので、撮影に難儀する。
そういえば、今のような冬の季節になるとイベント終了前には屋内が夜モードになる。
それを見越して、職業編を撮る時には、あの大きな光るオブジェを背景にしようと練っていた。それまでは自然光で撮っていく。
ご覧の通り、右半分は自然光が入り、左半分は光が入らない。
この場所でツーショットを撮るわけだから、ライティングに難儀する。結局両側にソフトボックスとアンブレラを置いて対処。時折他のコスイベ参加者が通行する場所なので気を使うが、この日はすぐ近くのインテックス大阪でコミックシティが開催されていたので、コスイベ参加者が少なかった。
レイヤーさんからの要望として、背景も明るくして欲しいとのことだったので、ISO感度を上げるしかない。ストロボ光は背景まで届かないからだ。月を明るく撮ろうとしてストロボを炊いたという嘘のような本当の話を良く聞くが、月までストロボ光は届かないことを連想して頂ければ、お分かり頂けるかと思う。
これで晴れていれば、ISO感度をそこまで上げなくても明るく撮れただろうが、曇りの日の屋内というのは油断していると実に暗く撮れてしまう。レイヤー側の要望に応えるためには、開放F1.4~2.2の設定で、ISO感度を800から1250辺りまで上げるしかなかった。ストロボ光の出力は俄然弱くなる。1/64とか1/128などの最小の設定だった。
絞りを絞って撮った所で、この場所は天井や背景がなかなかに煩い場所なので、暈かして撮らないと主役の人物が際立たない。その上衣装がゴチャゴチャしたデザインという事なので、開放付近で撮るのが正解なのだろう。
ガラス張りの外側を向けば、それなりに顔が明るく照らされてしまい、簡単に白飛びしてしまう。ではストロボをオフにしてISO感度だけで撮ってみてはどうかと試してみたが顔に強い影が出てしまう。レフ板程度では屋内撮影で生じる影は飛ばせないだろうと踏んで今日は持ってこなかった。結局ソフトボックスとアンブレラを用いて撮るのが一番無難だ。
白飛び処理はどうするか。黄色の衣装やウィッグというのは、他の色と比べると白飛びしやすい性質がある。しかし顔は明るく撮って欲しいという要望。背景も明るく。ISO感度を上げ更に右側から射し込む自然光を足すと、簡単に白飛びしてしまう。
そこで現場での調整は諦め、RAW現像で白飛びを緩和する処置を執った。いつもは1,000枚程度の写真なら30分で現像できるのだけれど、今回は白飛び回復処置と色味のバランスを入念に考慮したので、2時間ほど費やした。
夕方近くになり、中央ホールは夜モードへと変わる。WTCは何度も訪れているけれど、この光り輝くオブジェを巧く背景に取り込んで撮ったことは今までになかったのは盲点と言えるだろう。
後処理として、HDR風の加工を施してみた。艶めかしい雰囲気が出せたのではないだろうか。