大人数の大型併せ撮影記録 – 主催、アシスタント、カメラマンそれぞれの役割と注意すべき点

超大型合わせの撮影を3件こなしたので、役立ちそうな体験をまとめて記録に留めておきたい。大型併せを予定している主宰・カメラマン・コスプレイヤーの参考になれば。

1回目の大型合わせの参加者はコスプレイヤー25人、メインのカメラマン4人、アシスタント兼カメラ4人の計33人。あと二人レイヤー参加の予定だったが、仕事などの理由でキャンセルとなった。

フォトスペースRSという広い白ホリゾントのスタジオを使用した。この日のレンタル時間は10時間。レンタル料の他に、天井の巨大な照明を使用した分だけ電気代もかかる。しかしコスプレ撮影の場合は皆ストロボを持参しているので、定常光とストロボのミックス光になるという理由から途中から天井の照明はオフにして撮影していった。

スタジオ代の支払いは今回はレイヤーのみ。一人約4,000円で、主宰が指定した期日までの参加キャンセルはペナルティ無しで、それ以降は不参加でも4,000円の支払い。直近の安易なキャンセルを防ぐのにも良い。

普段の撮影では15分前に到着してライティング機材の組立を行うのだが、更衣室がないので、なるべく指定された時間ギリギリにスタジオに着くようにした。しかし指定時間よりも遅れたら印象も悪くなるだろうから、結局15分前に付いてしまった。幸いにしてスタジオ入ってすぐのスペースが広めだったので、ここでライティング機材を組み立てる。結局、着替えに30分ほど押したので、時間的に余裕があった。

アシスタントが他のアシやカメラマン達に、主宰の元に集まるよう指示。円陣を組んで頭を寄せるように指示される。「お?円陣組んで撮影開始の気合い入れか?」と思ったら、人数が多くてガヤガヤしていて声が聞こえづらいから集まっただけだった。

全体の集合写真はタイムテーブルの中盤に設定

撮影の順序はグループ撮影とピンショット撮影。4人のメインカメラマンがLINEでの事前の取り決めと進行表に沿ってそれぞれ分担して撮影していく。この時点で都合で到着していないレイヤーも1人いた。こういうことも想定してか、全体の集合写真は撮影の中盤に設定されていた。一番最後に集合写真の撮影を設定しなかったのも、仕事や遠方からの参加者の電車の都合などによる早退を想定していたのかもしれない。

広い白ホリなので、カメラマン3,4人でも充分にスペースはある。広い白ホリは表現の幅も広がる。白ホリでも背景を暗くして撮る事が出来た。

中盤にさしかかり、全体の集合写真撮影に取りかかる。今回25人の超大型撮影だったが、オーソドックスな集合写真は、2灯あれば撮れる。逆V字や弧などの特殊なフォーメーションでも3灯あればなんとか全員に光が回るし、あと2灯あれば、白ホリゾントを白く飛ばすことも出来る。

今回使用したストロボは、Canon 600ex-rtが3灯とCanon 430ex-rtⅢが2灯の計5灯。430は600と併用して強い光量で頻繁に光らせると、あっという間に長いチャージ待ちのような状態になり使えなくなるので、欲を言えば600の2灯に入れ替えたいところ。

高い脚立に上って撮る時は、フォーメーションを確認し細かく指示できるのはカメラマンのみ

高い三脚の上から撮ることになった。主宰やアシスタントがフォーメーションを整えていく。他のアシスタントはこちらが指示する位置にライティング機材を運んでくれる。もう1人のアシスタントは大きな脚立が倒れないように下で支えてくれた。

写真の中央にメインの被写体が来るようアシスタントに念を押された。これが重要。全員に光が巧く回るようなライティングに頭を使っていると、均等の撮れた構図を忘れがちになる。

レイヤーの配置の指示が難しい。FGOに出てくるサーヴァントの多さからさすがに25人全員の名前は覚えられないから、髪の色や特徴で指示していく。逆V字型や弧のフォーメーションが崩れていないか、均等な並びになっているか脚立の上から指示するのだが、これがなかなか難しかった。恐らくフォーメーションが正確に見えるのは脚立に乗っている自分だけだから、かなり重要。この点は次回の同じスタジオでの大型撮影の際に生かした。

今回は他のカメラマンも、ライティング機材の設置や撤去にこちらが恐縮してしまうくらい積極的に協力してくれて撮りやすい環境だった。いつも1人で撮っているので全部自分でやってしまう癖が付いているから、本当に有り難い。

全体の集合写真が終わった後は、再びグループ撮影と10人前後の集合写真ほか、撮影を希望するカメラマンやレイヤーが遊撃的に撮影。

撮影終了はスタジオ退出時間の1時間前。この日は10時間レンタルしていたが、実質撮影時間は6時間ほど。カメラマンが機材をパパッと片付けて外へ出た後に、レイヤーが着替える。

主宰が外に出て挨拶。アフターは各自自由にということで解散。

総勢33人の超大型合わせの撮影会だったが、うまくまとまっていて滞りなく撮影できた。

全員揃った大人数の集合写真を撮るカメラマンを決めておく

撮る人数により持っていく機材が異なる。今回は120x90cmのソフトボックス1,90x60cmのソフトボックス1、100cmアンブレラ2、85cmアンブレラ1、ライトスタンド2、中型三脚2の装備で赴いた。これが4,5人のグループ撮影や10人前後のオーソドックスな集合写真の撮影なら、ソフトボックス2、もしくはソフトボックス1+アンブレラ1、もしくはアンブレラ2本で事足りる。

集合写真のフォーメーションを決めておく

逆V字型∧や弧⌒、弧の真ん中にメインの被写体など、複雑なフォーメーションによってはストロボが3台から5台必要な場合がある。その場でフォーメーションを見て全員に光を回すようにライティングを設置するのはなかなかに至難の業なので、事前に構図の提案があるとシミュレーションできる。シミュレーションで機材が不足している事が分かれば買い足すこともある為、事前の構図提案は重要となる。

カメラマンの役割分担を決める

カメラマンによって得手不得手があるので、ピンショット、グループ撮影など得意な撮影分野を聞いて、事前にどれを撮るか決めておく。それによって必要となってくる機材も異なる。