自然光とスタジオ撮影、どっちが楽ですか?と聞かれて、ちょっと考えてみた

大阪日本橋にあるコスベース3。ライティング機材が豊富で、スキル向上にも最適のスタジオ。
大阪日本橋にあるコスベース3。ライティング機材が豊富で、スキル向上にも最適のスタジオ。

スタジオ撮影には魔物が潜んでいる。撮影ブースによって、カメラの設定をきちんと変えないと、自分の思い通りの写真が撮れない事が多い。

さっきはストロボ使って低感度でも明るく撮れたのに、ここでは背景が暗くなってしまう。広さ的にはそんなに変わらないのにおかしいな。こんな風に撮影中はいつも戸惑うことだらけだ。

自然光が楽といえば楽。以前撮影の帰り際に「自然光とストロボ光どちらが撮りやすいですか?」とコスプレイヤーさんに聞かれた。そりゃ自然光の方が撮りやすい。基本ストロボ機材一式を持って行かなくても済むし(日中シンクロで撮りたいなら別だが)、レフ板1枚と太陽の位置を操れば、簡単にいい絵が撮れる。

ISO感度とシャッタースピード、F値の設定も単純明快。明るければISO感度100、どれだけ暈かしたいかもしくはクッキリシャープに写したいかでF値を決め、手ブレしないシャッタースピードに調整する。F値を上げすぎて明るさが足りなければISO感度を上げる。開放F地の設定で明るすぎれば、シャッタースピードを遅くする。

ストロボの設定を思考回路に割かないで良い分、カメラ側の設定が楽ちんで、余った脳内メモリーを構図に集中させる事が出来るのもいい。

それに比べるとスタジオ撮影は面倒だ。ライティングは自分で組まなければならない。チョットした距離や角度で出てくる絵が違ってくる。プロカメラマンが白ホリではライティングを自分で作り出さなければならないという発言をどこかで耳にした事があるが、なんと面倒な事か。露光計とかややこしい機械を使って明るさを見なければならない、ホワイトバランスも見なければならない。メインライト、フィルインライト、トップライトetc…。スタジオ撮影ほどややこしい事はない。

基本、自然光の入らないスタジオでは、ストロボがないと話にならない。撮れない事はないが綺麗には撮れない。画質に関してはカメラやレンズの性能に寄るだろう。

だからこそスタジオ撮影はやりがいがある。ライティングに頭を捻り、自分の思い通りの写真が飛び出してきた時にはモデルよりも歓喜する。ストロボを使えば想像以上の写真が撮れる事だってある。その一期一会を楽しみに、20~30kgの重い機材を両肩に担いでスタジオ撮影に赴いているので、苦にならないのだろう。