Canon 1DXにはRATEボタンが付いていない。RAETボタンとは、撮影した写真にその場で星を1つ〜5つ着けてレーティング出来るボタンのことだ。5DsRにはRATEボタンが付いている。
そこでボタンカスタマイズ機能を使って、全然使っていない鍵マークのボタンをレーティング出来るボタンに変えた。こうすることで、撮影現場で気に入った写真があれば、即座にレーティングを着けることが可能になる。
なぜその場でレーティングを着けるのが大切かというと、まず理由のひとつに、家に帰ってから良い写真を選別しようとすると、写真の量が多すぎてベストショットが見つけにくくなってしまうから。現場で撮影して、液晶画面で撮った写真を確認し、その場でこれは良いと思えた写真をレーティングすれば、そういった事態に陥らなくて済むし、スムーズにベストショットを見つけることが出来る。編集やレタッチもパパッと出来て速報用の写真をTwitterに上げることが出来る。——ただしコスプレイヤーから掲載許可を貰っている場合に限る。人によって自由に使っていいと言う人と、肌レタッチをしてくれるなら使って良いという人、使いたい写真を送ってくれればレタッチするので使って欲しいという人、こちらの上げる写真を使って欲しいという人など様々なので、事前に確認を取っておく必要がある。
また、コスプレイヤーさんと撮影現場で写真を確認中に「あ、この写真好きです」と言われることが度々ある。そういった写真をレーティングしておけば、後からどれが気に入って貰えた写真だったか即座に選別できる。やはりこれも、レーティングを着けておかないと忘れてしまっていることが多い。
これは写真の絵作りにも同じ事が言える。RAWモードで撮っておけば、色温度や彩度などは、後処理で画質を劣化させずに、撮影時と同じ感覚でRAW現像ソフトで編集することが可能だが、家に帰ってからいざパソコンを立ち上げてデータを取り込んだ後、どの写真をどのような色合いに処理して欲しいのだったか、すっかり忘れてしまっている。
だからその場で色温度や彩度などコスプレイヤーが希望する設定で撮っていくのが良い。もし後から普通の色味や他の色味が良いと思ったら、二種類のデータを渡すのもアリだ。データの枚数は増えてしまうが。
人間というのは忘れる生き物だ。しかし忘れることで無駄な記憶を頭から放り出すことが出来る。例えば嫌な記憶などを忘れることで人は健全に生きていける。人間がためておくことが出来る記憶にも限界があるので、無駄なことや嫌なことを忘れることで新しいことに挑戦していける。忘れることは決して悪いことではない。何でもかんでも憶えていたらそれこそ頭がショートしてしまいそうだ。
レーティングを着けた写真をRAW現像ソフトに取り込み、絞り込み機能で星が付いている写真だけを表示させることが出来る。CanonのDPPで取り込んでも、Lightroomで取り込んでもレーティングが反映されている。
あとWindowsパソコンのフォルダ内ファイルの並べ順で、JPEG変換したファイルでもレーティングによる並べ替えが出来た記憶があるのだが、どうだったか忘れてしまった。未確認情報として記載しておきたい。
最後になったが、撮影現場でのファーストインプレッションは重要で、その場で確認してみて良い写真が撮れたと思ったら、レーティングは積極的に着けていきたい。その日の良い思い出の記憶としても残ることだろう。