若草山焼き – まほろば探訪 第27回

若草山焼きと花火と朱雀門。
若草山焼きと花火と朱雀門。

奈良の若草山焼きは前々から一度見に行きたいなぁと思っていたのだけれど、今回念願が叶った。近鉄線の大和西大寺駅で降りて15分くらい歩くと、平城宮跡につく。だだっ広い野原に赤い大きな門が北と南にドンと構えている。

この日は大立山まつりというイベントも開催されていて、なんと3日間もあるイベントなのだが、平城宮跡に人が大勢賑わっていた。白いテントの出店が立ち並び、奈良県各市町村の温かい旨いものが一堂に会するという、食通にはたまらないイベントとなっている。

それだけではなくステージも用意されていて、やはりこちらも奈良県各地の伝統行事がお披露目されていた。僕が行ったときは古代の宮廷衣装に身を包んだ女性が万葉集に出てきそうな古い歌を歌い上げているところだった。後は四体のカラフルに色づけされた仏像が置かれていた。多分ライトアップされて動くのだろう。

通り抜けようと思ったが、チラシを渡されたので一つ食べてみることにした。大淀町の日本一香ばしい奈良の『夢』茶がゆ。病み上がりの弱った胃に優しくかゆが注ぎ込まれる。いろんな具が入っていてこれがしつこくなく噛み応えがあって美味しい。

さて、そうこうしているうちに花火の時間も近づいてきた。花火開始の15分前になんとかスタンバイ。すでにカメラマンたちがズラッと一列に並んでいる。それらの列が何段にも続いている。

18時15分、花火が打ち上がる。面白かった。奈良らしく可愛い鹿の顔をした花火が打ち上がった。花火自体は15分程度で終わるのだが、なかなかに豪勢。花火が終わると即山焼きが始まる。

じわじわと燃えていく若草山。そういえば去年登って夜景を撮ったなぁ。感慨に浸っているウチにメラメラと燃えていく。

撮ってから気づいたのだが、もう少し下調べしてから来たら良かったかなぁと。朱雀門を前景に花火と若草山焼きを写真に収めようと思ったのだが、焼かれている山の一部が朱雀門とかぶってしまったなと。一番右端の方で撮っていたので、もう少し左の方に行った方が良かっただろうか。

それにしても寒い寒い。足が冷える。登山用の靴下を履いた方が良い。足が水で濡れる感覚がしたが、後から全く濡れていないことが分かったので、どうやら寒さのせいだ。

せっかくだからライトアップされた朱雀門も撮ろうかと思ったが寒さでどうにもならないので帰ってきた。大立山まつりはまだ続いている。四体の仏像をスタッフたちが担ぎ出したので、これから盛大にお披露目が始まるのだろう。今年も無病息災でありますように。