スタジオトルテは京都にあるスタジオで、系列店が全部で3店ある。最初はここの1階で撮る事になった。
暖かい色味で撮って欲しいという。公式サイトの写真を見るとなるほど暖かいイメージのスタジオだ。まずはテストショット。しかし実際にストロボを使って撮ってみると、オートホワイトバランスの設定では暖かみは消え、白っぽいスタジオのイメージになった。(2018/09/08 File.3420)
こちらの方が肌の色味としては綺麗だ。使用レンズはCanon EF24-70mm F4L IS USMでF8の設定。モデルの魅力を余すところなく綺麗に引き出している。何度でもいうが高級を示すLレンズでありながら10万円で買える利便性と描写性能、コストパフォーマンスに優れたレンズだ。
暖かい色味が良いというので、色温度(K)に設定を変えて数値7600にして撮影した。すると暖かい色味となった。
しかし色温度を弄って暖かい色味にして撮るというのは実際の所どうなのだろうという気持ちもある。F8まで絞るとスタジオの照明が被写体に及ぼす威力は消え、調光量1/2に近いストロボ光のみが被写体や背景を照らすという事になる。それがスタジオのサンプル写真にあった暖かい色味を帳消ししてしまっているのではないか。むしろスタジオの照明が発する色がモデルや背景に影響を与えるくらいにストロボの光量を最小限に留めて撮った方が雰囲気的には綺麗に決まるのではないか。色温度を暖かみのある設定にするのと、スタジオの照明を生かすのと、色や雰囲気に違いはあるだろうか。スタジオの照明の影響をモデルや内装に反映させようと思えば、F1.4で撮ってストロボ光を最小限にするという方法がある。
F1.4で撮影した写真はストロボ光の調光量を1/128近くまで抑えて撮る事になる。そうしないとモデルが白飛びしてしまうからだ。小さいF値でストロボを使って撮影する時はいつもこのストロボの光量の調整に悩まされる。最小にしてもまだ明るい。またストロボ光と背景を暈かしたふんわり写真のコラボによるモデルの描写も難しい面がある。巧く決まる時は簡単に決まるが、時々どうも背景との明るさの兼ね合いだろうか、アンバランスになり決まらない時がある。これは料理における調味料の加減とも似ているのだろう。決まる組み合わせは千差万別のような気がする。(File.3453)
ソフトボックスやアンブレラをモデルから離して、光量を抑えることも出来るが、光源を離すとパリッとした写真にならない。肌が綺麗に撮れない。そこがF1.4の設定でストロボを使って撮る時の難しさだ。
さてF8で撮った写真に戻ってみよう。色温度を9200に設定しても暖かみのある色にならなかった。冬のロシアのお屋敷の暖炉が焚かれた部屋のような色にならない。しかし色味しては、オレンジになりすぎずかといってホワイトバランスのホワイト優先のような無難な白系の色でもなく、ある程度の暖かみは確保できていて、肌の色合いも自然さをキープしているように思われる(File.3549)。
F1.4でツーショットの写真。ストロボはやや暗めにした。これなどは背景も良く暈けて雰囲気が出ていて良い。スタジオの雰囲気を引き出せている感がある。求められているのは要はセピア色の写真かなとも思ったのだが、それならPhotoshopなどの画像編集ソフトを使って、セピア色になるプリセットを適用させた方が手っ取り早い。(File.3851)