超広角ズームレンズは何を撮る為に存在するのか。風景写真か、はたまたスナップ写真か。人物写真に超広角レンズを使うのは邪道だろうか。
そのダイナミックな歪み表現からポートレート撮影に使う時には、下からの煽りで撮るとパースの効いた写真が撮れる。
Canon EF16-35mmF2.8L Ⅱ USMは、既に古いレンズとされている。デジタル時代のレンズの流行廃りは速い。周辺に解像感がないとか、手ブレ防止機能がついていないとかで、あっという間に廃れて評価を下げられてしまう。
今はCanon EF16-35mmF4L IS USMが評判が良いそうだ。超広角ズームレンズなのに4段分カバーする最新の手ブレ防止機能付き。F4だけれど風景写真を撮るならそんなに明るいレンズでなくても申し分ないし、あらかじめF値が高い方が迷いがなくシャープに撮れる。しかも値段は10万円程度なので、お財布にも優しい。何よりキヤノンご自慢の最新のテクノロジーを搭載したレンズなので、周辺に至るまで解像度が高く写りが良い。
モデルから敵に馬乗りになってトドメを刺しているような感じで撮って欲しいと言われ、カメラを地面に置いて、下から煽って撮ることにした。Canon EF16-35mmF2.8L Ⅱ USMを使う時は、というよりも超広角ズームレンズ全般に言えることだが、林を下から撮ると、凄く良い表現をたたき出してくれる。というわけで人物を入れつつ、木々がパースで長く歪む表現を取り入れてみた。
F9まで絞ると解像感もひとしおだ。下から無理な体勢でライブビューで撮影したのでピントが合わせにくかったが、シャープな写りになっている。脚はいくら歪んでも申し分ない。むしろデフォルメされた表現が現場の異様で異界なシーンを強調してくれている。
これでCanon EF16-35mmF2.8L Ⅱ USMを使う時の一つの答えを導き出せた。