夜景撮影というのは機材選びの失敗が出来ない。なぜならそこに向かうまでに多大な労力と時間とお金を要するからだ。特に遠く県外から来た旅行者ともなれば、次に同じ場所に来られるのは数年後という場合だってあるだろう。
大阪府池田市五月山の五月平展望台下から夜景を撮る場合、どのレンズが素晴らしい夜景を撮るのに最も効果的だろうか。
実はこの場所は夜景だけではない。伊丹空港を離陸もしくは発着する飛行機を撮影することも出来る。今回はこの点も踏まえて最適なレンズ選びを紹介していこうと思う。
飛行機を撮るなら焦点距離600mm以上の望遠レンズ
伊丹空港に着陸する飛行機を撮る場合、望遠レンズを使えば背景にビルを添えることが出来る。しかし筆者は400mmの焦点距離で撮影したが、あまりにも飛行機は小さくしか写らなかった。おそらくこの場所で飛行機を撮ろうと思えば、600mmの焦点距離は必要だろう。更に焦点距離が2倍になるエクステンダーがあれば言うことなしだ。
画質にこだわらずに値段がお手頃な超望遠ズームレンズとなると、サードパーティになるがシグマのレンズがコストパフォーマンスに優れている。
夜景を撮るなら、超広角レンズから望遠レンズなんでもアリ
五月平展望台下から見える夜景はあまりにも広大だ。筆者はこの日85mmと200mmのレンズ、それに焦点距離が2倍になるエクステンダーを持参した。85mmでは夜景は収まりきらなかった。
そこで50mmの標準レンズや16-35mmの超広角ズームレンズを持ってこれば良かったと悔やんだのだが、あまりに広角だと、夜景のビルそのものが小さく写ってしまい、ただ広く写っているだけの迫力に欠ける風景写真になったかもしれない。それならスマホのカメラでも撮れる。
全体を1枚で捉えるなら超広角レンズでもよいだろうが、遠くにあるビルも克明に捉えて存在感を出すなら、85mmや200mmのレンズの選択は決して間違いではない。300mmから400mmのレンズも大活躍するだろう。
荷物を減らしたいのなら70-300mmや、100-400mmといった望遠ズームが最適だ。
カメラは出来ればフルサイズが良い。APS-C機の疑似望遠効果はこの場合、せっかくの煌びやかな夜景を切り取ってしまうだけだ。出来るだけ美しい夜景が写り込むように、センサーサイズの大きいフルサイズを選びたい。APS-C機を持ち出す場合は、レンズの焦点距離に気をつけよう。キヤノン製のカメラの場合、ここに記載されている焦点距離のレンズを装着すると狭く写ってしまうので、焦点距離に0.62をかけて換算した焦点距離で参考にする必要がある。この点に気をつけて持っていくレンズを選ぼう。
筆者はこの日5060万画素の5DrRを持って行った。夜景のシーンでは高画素カメラは重宝する。85mmの焦点距離でも夜景が克明に写っていいる。その写真の全体像はまさに圧巻だ。