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メモリーカードの選び方 – ストレスなく撮影する為に製品の転送速度に注意する

メモリーカードの転送速度が、快適な写真ライフの鍵を握る。
メモリーカードの転送速度が、快適な写真ライフの鍵を握る。

Canon 5DsRを使っていると、普段の風景写真の撮影では気にならないのだが、花火撮影の時には、次の一枚を撮るまでにBUSYと表示され2〜5秒ほどの待ち時間が発生する。花火のように次から次へとフォトジェニックな機会が到来する撮影では、この待ち時間は致命的となる。

原因としては、5DsRが中判カメラに匹敵するような超高画素なカメラの為に、写真データのファイルサイズが大きくて、メモリーカードへの書き込みに時間がかかっているものと思われる。カメラの処理能力が逼迫しているのが原因ではないかとも思われたが、後述するように、メモリーカードの書き込み速度が主な原因だった。

そこでメモリーカードを買うことにした。普段は恐らくメモリーカードのメーカーの中では一番高価であろうサンディスクのメモリーカードを使用しているが、これは信頼性を担保したいからだ。安物のメモリーカードを使ってデータが破損したり消失してしまったという話はインターネット上でもよく聞かれる。せっかく交通費と時間を割いて精神をすり減らして撮影したデータが駄目になったとなっては取り返しが付かない。一度の失敗で信頼を失うプロカメラマンなら尚更メモリーカードにはこだわりたいところだ。

そこで今回は理想的なメモリーカードの選び方を、サンディスク製のコンパクトフラッシュカード(CFカード)やSDカードを例に考察していきたい。

お急ぎの方もいるだろうから、結論から先に述べさせて頂く。

  • SDカードならUHS-Ⅱ規格を選ぶ(ただしカメラ側の対応確認必要)
  • 信頼性の高いサンディスクがオススメ
  • 正規版がオススメ。海外パッケージ版(並行輸入品)は安いがリスクが伴う
  • 32GBで十分。余裕を持たせるなら64GB

メモリーカードの種類の選び方

メモリーカードの種類は色々あるが、お使いのカメラによって使えるメモリーカードは異なる。今現在はCFカードとSDカードが主流となっている。

メモリーカードを購入する際にはまず所有しているカメラがどのメモリーカードに対応しているかを取り扱い説明書などを読んで確認する必要がある。CFカードに対応しているのかSDカードに対応しているのか、CFastカードなのかなど。

その次に各メモリーカードの規格に対応しているかを確認する。CFカードの場合はタイプⅠ準拠、UDMAモード7対応などと記載されている。CFastカードの場合はCFast 2.0対応と記載されている。

初代Canon5Dを購入した時はメモリーカードの挿入スロットがコンパクトフラッシュカードしか対応していなかった記憶がある。日立が製造・販売していたマイクロドライブというメモリーカードも使えたが、今現在では販売されていない。

Canon 5DsRは2スロットあり、コンパクトフラッシュカード(CFカード)の他に、一回り小さいSDカードも使える様に割り当てられている。また最近では4K動画の撮影に対応しているカメラも発売されているため、転送速度の速いCFastと呼ばれる規格のカードも販売されている。CFastに対応したカメラのみで使用できる。

容量は32GBで十分。64GBがベスト

32GBあれば、ファイルサイズが大きくなるRAWモードの撮影でも、1日の撮影で十分持つ。合わせてFullHD動画や4K動画を撮るなら32GBでは足りなくなる恐れがあるので、余裕を持って64GBを選びたい。

SDカードならUHS-Ⅱ規格を選ぶ

まずはSDカードから見ていこう。というのも、現在のSDカードはUHS-Ⅱ(ウルトラ・ハイ・スピード)という規格の商品が発売されている。製品の一例としてSDSDXPK-064G-JNJIP – 64GB、これは最大読み取り速度が300MB/秒、最大書き込み速度が260MB/秒ととてつもなく速い。ただしカメラ側がUHS-Ⅱに対応していなければならず、Canon 5DsRはUHS-Ⅰには対応しているが、UHS-Ⅱは対応していない。UHS-Ⅰのサンディスク製品SDSDXXG-256G-JNJIPは最大読み取り速度が95MB/秒、最大書き込み速度が90MB/秒となっているので、UHS-Ⅱは約3倍の速さになる。

ちなみに5DsRのRAWデータ1枚の容量は約50〜60MB。UHS-Ⅰ規格に照らし合わせると1秒で読み取りや書き込みが行えそうだが、10秒以上の長秒露光をしたり、連写撮影を行うと、UHS-Ⅰ規格のSDカードではBUSYが表示されて、使いづらいというデメリットがある。

またCanon 1DX MarkⅡはデュアルスロットだが、それぞれCFカードとCFastカード対応となっており、SDカードは使用できない。

CFカードの規格の読み方

サンディスクのCFカード

サンディスクのCFカードにはUDMA7という表記がされている製品がある。UDMAとはウルトラ・ダイレクト・メモリ・アクセスの略で、転送速度の規格を表している。UDMA7の最大転送速度は167MB/sになる。ちなみにUDMA6の最大転送速度は133.3MB/s。

今手元にあるCFカードはUDMA7対応だが、最大転送速度(読み取りスピード)は90MB/sと表記されている。

映画監督が持っているカチンコのマークは、VPG(ビデオ・パフォーマンス・ギャランティー)と呼ばれており、動画の最低持続書き込み速度の規格を表している。

手持ちのCFカードには20の数値が表記されている。1秒間に20MBの書き込み速度という意味。

SDカードの規格の読み方

SDXCカード

SDXCの表記はカードタイプの規格名で、容量により異なる。SDはセキュア・デジタル、SDHCはセキュアデジタル・ハイ・キャパシティ(大容量)、SDXCはセキュアデジタル・エクステンディッド・キャパシティ(拡張容量)の略語となる。

SDは最大2GB、SDHCは4GBから32GB、SDXCは32GB超から2TBまでの容量となる。要は容量による規格名の違いだ。

カメラ側がSDXCに対応していれば、SDやSDHCのSDカードも使用できる。最近のキヤノンのカメラはほぼSDXCに対応しているのではないだろうか。

UHS規格

UHSは、ウルトラハイスピードの略で、転送速度の規格となる。UHS-ⅠUHS-Ⅱの二種類の規格がある。UHS-Ⅰは最大104MB/秒、UHS-Ⅱは最大312MB/秒のデータを転送できる。

UHS-Ⅰのみに対応しているカメラでも、下位互換性があるのでUHS-Ⅱ規格のSDカードを使用できるが、UHS-Ⅰ規格のSDカードを使用した方が性能を引き出せる可能性がある。

スピードクラス規格

スピードクラス規格

Cの中に数値のマークは、スピードクラスで、動画撮影の最低保障速度の規格を表している。C10だと、Class 10で、10MB/秒となる。

Uの中に数値のマークは、UHSスピードクラスで、動画撮影のデータ読み書き速度の規格を表している。Class1Class3があり、Uに3は、Class3に対応している事を意味する。

4K動画を撮影できるカメラの場合は、U3(Class3)を選んだ方が良い。

製品に表記されている最大転送速度について

製品に表記されている最大転送速度は、読み取りスピードを表しており、書き込みスピードではない点に留意しておきたい。読み取りスピードとは、撮影したデータをカメラの液晶画面に表示させるスピードや、メモリーカードからパソコンへデータ転送する際のスピードであり、撮影した写真データをメモリーカードに書き込む速度を参照したい場合は、メーカーのスペック表を確認する必要がある。最大転送速度(読み取りスピード)に比べると、書き込みスピードはどれもやや少し遅い程度だ。

メモリーカードを2枚に分けて購入する理由

メモリーカードも消耗品なのでいつかは壊れる。筆者自身はサンディスクの正規品のメモリーカードを5〜6年ほどハードに使っているが、まだ大丈夫だ。40万ショット以上は撮っているが故障していない。しかしいつ故障するか分からない。

そこで32GBのメモリーカードを2枚購入しておき、2スロットあるカメラにそれぞれ差し込んで、バックアップを取るという方法がある。筆者自身は仕事で撮影したことがないのでこの方式は採用していないが、絶対に失敗が許されない写真、例えば撮り直しが効かない結婚式の写真や音楽ライブの写真などを仕事で請け負った場合は、バックアップを取る方式で撮影しておけば万が一の場合にも安心だ。

転送速度の速いメモリーカードで撮影時の書き込み待ちストレス解消!

高画素機は転送速度の速いメモリーカードにしないと、撮影時の書き込みスピードによるBUSY状態の長さにストレスが溜まる。そこでCFカードを買い足すことにした。SDカードのUHSーⅡ規格の製品の方が高速なのだが、Canon 5DsRはUHSーⅠしか対応しておらず本来の性能が発揮できない。そこでCFカードの中で最も転送速度が速い製品を選んだ。数日後に実際にメモリーカードが届いたので、早速期待を胸に5DsRで試してみた。まずは連写から撮ってみたが、確かに書き込みが以前よりも早くなった。BUSYの表示がでない。

花火を撮る時のようにバルブ撮影モードでも撮影してみた。リモートスイッチを繋ぎ、長秒旅行で試してみる。書き込み中であろうBUSYの表示は出たが、体感的には短くなった。

5DsRは確かに画素数が多くてRAWで撮ればデータサイズも大きくなるから書き込みに時間はかかるのだが、すべてがカメラのせいというわけではなく、転送速度の速いメモリーカードを使えば書き込み速度を短縮できることが分かった。今まで使っていたメモリーカードも1DX使用時では十分速い製品で撮影中はストレスは全く感じていなかったのだが、それが徒となり、データの大きい写真となるとやはりメモリーカードの性能をきちんと重視しなければならないことが分かった。いっそのこと最初から転送速度の速いメモリーカードを買えばお金も節約できたかも知れないが、当時はその製品で十分な機能だったし、そこまで速く書き込める性能のメモリーカードが出ていなかったか、出ていたとしてもかなり割高だった記憶がある。

今回は64GBのCFカードを購入した。5DsRだとこれくらい余裕があった方が良い。32GBは結構速く使い切ってしまう。花火大会を撮る場合、もしデータが収まりきらなければもう一つのスロットに差し込んでいるSDカード64GBで対応することになるが、こちらはこれ以上速いSDカードが販売されておらず、5DsRの方がより高速のUHI-Ⅱ規格のSDカードに対応していないので、以前のようにストレスを感じる撮影になってしまうから、余裕のある64GBを購入した。約17,000円。

カメラへの書き込み速度はSDカードの性能に頼るしかないが、パソコンへの転送速度は、2,000円〜3,000円のカードリーダーを使えばより速く行うことが出来る。5DsRで撮影した大量の風景写真も、カードリーダーを使うことで、5分から15分くらい、家に帰ってシャワーを浴びている間に終えることが出来る。

メモリーカードの選び方まとめ

  • 2018年現在の代表的メモリーカードの種類はCFカードとSDカード
  • メモリーカードには転送速度の規格がある
  • カメラ側がメモリーカードの種類や規格に対応しているか、取扱説明書で調べる
  • 2018年現在の代表的規格、CFカードはUDMA7・SDカードはUHS-Ⅰ・UHS-Ⅱ
  • 転送速度には読み取り速度と書き込み速度がある
  • サンディスク製のメモリーカードの場合、製品に表記されている最大速度は読み取り速度
  • 撮影時に重要なのは書き込み速度
  • パソコンへの取り込みやカメラ画面表示に重要なのは読み取り速度
  • 32GBあれば大抵のカメラでは容量は十分だが出来れば64GB欲しい
  • 3000万画素以上の高画素機は64GBがベスト
  • 速い書き込み速度の製品を選べば、書き込み待ちのストレスなく撮影できる

参考サイト

安いメモリーカードを買って良く壊れたとかデータが消えたとかいう話は聞くので、担保したいなら信頼性の高いサンディスクの正規品のメモリーカードがオススメ。海外パッケージ(並行輸入品)は安いが、出所が担保できないので出来れば避けたい。容量は32GBあればRAW+JPEGモードで撮影しても十分。足りなければ16GBや32GBを買い足すといった感じで極力無駄な物を買わないように心がける。最初から64GBを購入しておくのもアリだ。サンディスクによると、容量が大きい方が単位セル辺りの書き込み回数が減るので、SDカードの寿命が長くなると言う。

3000万画素以上の高画素カメラを使用している場合は、スポーツ撮影などの連写や花火撮影などの長秒露光で書き込みに時間がかかり撮影のストレスになるので、転送速度が速い規格のメモリーカードを選ぶようにする。その際にはカメラ側が規格に対応しているか、取扱説明書のメモリーカードの項目のページを後付けの索引から探して、きちんと確認する。

サンディスクの製品に表記されている転送速度は、カメラで写真をプレビューしたり、パソコンに写真を転送する際の最高速度。書き込み速度はこの表記より若干遅くなる。最大書き込み速度を知りたい場合は、サンディスクの製品ページの仕様の欄を確認する。表記されている読み込み速度を目安にしても、書き込み速度は表記されている数値から若干遅い程度なので、問題はない。

他に大切なデータを破損や消失から守るために、耐久性なども考慮に入れたい。サンディスクのSDカードは、防水、耐温度、耐衝撃、耐X線、耐振動、耐磁性を謳っている。これらの点においても他のメーカーと比較してみるのが良いだろう。

またサンディスクのエクストリームシリーズは、製品保証が無期限保証となっている点にも注意したい。データ復旧ソフト「レスキュープロデラックス」が1年間無償で使えるシリアル番号も付いてくるのでお得感満載だ。

快適な写真ライフを送るためには、メモリーカードの転送速度や耐久性などにも注意するようにしよう。