ロケ撮影前に想定していた機材・現地で実際に必要と感じた機材

撮影では想定外のトラブルが起こることもある。
撮影では想定外のトラブルが起こることもある。

桜とコスプレの夜撮影。おそらく4年ぶりではないだろうか。ちょうど撮影の二日前に桜で夜撮影をした3人と鶴見緑地公園で鉢合わせたところだった。あれから4年も経ったのかと思うと感慨深くもある。

桜の夜撮影を行うに当たって、機材はどうするかという点に最後まで悩んだ。まず場所が初めて行く場所で、愛知県半田市の東雲桜という所。麗yersという団体が開催しているコスプレイベントで自治体から許可は取れているので自由に撮れる。だが人通りの多さが分からない。掲載されている写真を見ると、川沿いに400mに渡って桜が咲いているとある。とても美しい景色だ。

しかし混雑を考慮に入れるとライティング機材を2本立てるのは難しそうではある。そこでソフトボックスではなく、アンブレラ2本とライトスタンド1本、中型三脚1本をライティング機材として選んだ。

荷物を少しでも少なくしたい理由は、昼には自然光撮影のためのロールレフが必要だから。これがショルダーバッグの場所を結構取るし重さも増す。野外ロケで自然光だけでなくストロボも使って撮るときには大体荷物が重くなりがちになる。使用しているソフトボックスがプロフォトなので、スピードリングアダプタが嵩張り重い。どうせ陰影を付ける写真が必要ないのなら、アンブレラで良いだろうという結論に至った。もしかしたら2本立てることが出来るかも知れないと、上述したような機材セットとなった。

それに併せてストロボは2灯。しかしこの選択が後のアクシデントで撮影を難渋させることになる。

構図としては3人歩いている所を単焦点レンズで撮影することを想定していた。やはり3人にストロボ光を当てるなら2灯は欲しいところだが、初めての場所なので混雑が予想できない。

実際に現地に出向いてみると、桜は1〜2分咲きくらいだった。川沿いの桜はほとんど咲いていない。咲いていてもちょろっとしか咲いていなかった。

2部咲きくらいだった。今年の満開時期は去年に比べて一週間遅かった。
2部咲きくらいだった。今年の満開時期は去年に比べて一週間遅かった。

満開の時期が選べないのが桜イベントの難しいところだ。一方でピンク色の桜は5分咲き位だったので、こちらをメインで撮るだろうという事になった。

他のカメラマンはソフトボックスを持ってきていて、昼でもストロボを炊いて撮影していた。この道路の幅と人通りの少なさなら、ソフトボックスを立てても邪魔にはならないだろう。

昼もそんなに人通りが多くなかったが、夜になっても人通りはそう多くない。周りは田舎といった感じの長閑な景色で、造り酒屋があり、空が広い。

空の広い長閑な景色が広がる。
空の広い長閑な景色が広がる。

満開なら人通りが多かったかも知れないが、そもそもライトアップされていない場所みたいなので、果たしてどうか。イベントのスタッフが持ち込んだ小型のライトで即席のライトアップだった。ストロボで撮るから必要ないかと思われていたこのライトが後の機材トラブルの際に効果を発揮した。

思っていたより寒くもあったし例の桃色の桜の前でパパッと撮ろうという事になった。人物に1灯、桜に向けて1灯。ところが撮り始めて少ししてから、トランスミッターかストロボのどちらかが不調で光らなくなった。焦りの中でカメラの設定を明るく撮れるようにすることでなんとか物になる写真を撮れたが、ワイヤレスで2灯光らせる予定だったのが、1灯しか光らなくなってしまった。ストロボとトランスミッター、どちらに原因があるのか不明だが、もし予備としてもう一灯持って来ていれば、1台をトランスミッター代わりにして撮る事が出来たかも知れない。しかしもしストロボの電波通信に原因があるとしたら、2灯のワイヤレス撮影は難しかっただろう。

小型ライト二つか三つでライトアップされていたので、カメラの設定を上げれば桜はそこそこ明るく撮る事が出来る。あとストロボ1灯はかろうじて生きていたので、発光しないときもあったが、なんとか人物の方も明るく撮る事が出来た。

問題は予備のカメラの他に「ああ撮りたいこう撮りたい」とレンズを6本持ってきていたので、カメラバッグにストロボを入れる余裕がなかった点だ。どうしても入らないので1灯はショルダーバッグの中に入れていた。

撮影前に想定していた機材と、撮影後に持ってきていたら良かったと思った機材、夜桜撮影のライティング機材選びの参考になれば幸い。ストロボの電波通信不調の原因については次の記事で詳しく検証したい。不思議なことに後日同じチャンネル・同じ設定で別の場所で使ってみると全く問題なく光っていた。