あなたも明日からカメラマン!コストパフォーマンスに優れたカメラ & レンズ厳選3選!

エントリー機にもかかわらず初心者向けを超えた優れた性能を発揮する一眼レフデジタルカメラ Canon EOS 8000D。
エントリー機にもかかわらず初心者向けを超えた優れた性能を発揮する一眼レフデジタルカメラ Canon EOS 8000D。

カメラを趣味にすると人生の楽しみが広がる。カメラを手にすればあなたも今日から表現者の仲間入りだ。

一眼レフデジカメに詳しくない初心者の方は、APS-C機、ミラーレス、フルサイズ、単焦点、ズームレンズ、高倍率ズームレンズと、どのカメラやレンズを買えば良いのか迷ってしまうのではないだろうか。そこで一眼レフデジカメ歴8年の筆者が、お薦めのカメラやレンズ、その他の機材をパパッと紹介いていこうと思う。今回は低予算、コストパフォーマンスを重視したカメラとレンズを紹介したい。

実際カメラが届いたその日から写真活動を始めるといっても、果たして自分にその素養はあるのか、写真を楽しめるのかといった悩みをお持ちの方もいるかもしれない。買ったって防湿庫の肥やしになるんじゃないか。

そんな方には、まずはエントリー機から始めてみるのはいかがだろうか。

エントリー機とは、メーカーが販売している初心者向けの一眼レフデジタルカメラのことである。値段を安くすることで、また初心者が一眼レフで写真を撮る際に手助けとなる様々な至れり尽くせりの機能を付加することで、初めて一眼レフデジカメを触る人でも取っつきやすいように作られている。

通常エントリー機はレンズキットを抱き合わせで販売している。単体で買うよりも安く手に入るし、何より一眼レフデジカメは本体のみでレンズがついていないので、レンズを別途購入する必要があるのだが、レンズキットのついたエントリー機を買えば、とりあえず買ったその日から、カメラ本体にレンズを取り付けて撮影にいそしむことが出来る。初心者が悩みがちなレンズ選びの手間が省けるというわけだ。

キヤノンのエントリー機のレンズキットには焦点距離16-55mmと55-200mmの二本のズームレンズが用意されており、どちらか一方、もしくは両方のセットが販売されている。当然レンズが二本セットになった商品の方が高い。そして二本とも揃えれば、超広角から望遠までの焦点距離をカバーしているので、どのような用途の撮影にも対応できる。

とは言ってもエントリー機のレンズキットは値段相応の写りだ。悪くはないが取り立てて良くもない。また、自分の撮影用途に合ったレンズなら良いのだが、出番がなければ防湿庫の肥やしとなってしまう。そこで選択肢が分かれる。

カメラとレンズキットを買うか、カメラ本体のみを買って、レンズは別途購入する。後者の方法を取れば、不要なレンズキットを購入する金額が浮く。どちらの選択にすべきかは、後半で詳しく述べていく。

フルサイズとAPS-Cの違い

カメラにはフルサイズ機とAPS-C機がある。かいつまんで言うと、撮像素子の大きさが違う。カメラの撮像素子は大きければ大きいほど綺麗に写る。

APS-C機の撮像素子はフルサイズのそれと比べて一回り小さいので、同じ焦点距離のレンズを着けても、外側が切り取られてしまう形になる。だから同じ距離からフルサイズとAPS-C機に同じレンズをつけてモデルを撮影すると、APSーC機の方はモデルが望遠気味に撮れる。これを疑似望遠効果と呼ぶ。もしフルサイズ機とAPS-C機の画素数が同じなら、APS-C機の方が大きく写せることにもなる。

フルサイズ1DX mark2とAPS-Cの7D mark2は同じCMOSの大きさは異なるものの、画素数は同じで、画像サイズ5472×3648と同じ。ということはAPS-C機の7Dmark2の方が遠くの被写体大きく写すことが出来る。1DX mark2で同じ位置から撮り、7D mark2と同じ絵にしようと思えば、トリミングしなければならないが、トリミングすれば当然画像サイズは小さくなってしまう。

カメラ量販店などのレンズコーナーに行くと、フルサイズ換算という項目が書かれている。APS-C機に当該レンズを着けると、フルサイズ換算では焦点距離○○mmと表記されている。製品の焦点距離よりも長く表記されているはずだ。かいつまんで言うと、同じレンズをAPS-C機に着けると、フルサイズに着けて撮影した写真よりも写る範囲が狭くなるが、狙った被写体自体はより大きく写るという事になる。

このコーナーは低予算で一眼レフデジカメを始める事を趣旨としているので、APS-C機に絞って書いていく。

焦点距離16-55mm

通常なら超広角から標準の領域となるレンズだ。簡単に言うと、広く撮れたり、人間の目が見たままの感じで撮れたりする。

フルサイズ換算では、焦点距離に×1.6して、約25mm-88mm。広角から中望遠と呼ばれる領域になる。

広角域は風景、建物、標準域から中望遠はポートレート撮影に適している。

焦点距離55-200mm

標準域から望遠域と呼ばれるレンズに属する。遠くの物を近くに寄せて撮ることが出来る。

フルサイズ換算では、焦点距離に×1.6(キヤノン機。他のメーカーは1.5倍)して、約88mm-320mm。フルサイズ機なら中望遠から望遠と呼ばれる領域になる。同じ場所から同じ位置にある被写体を写そうとした時、フルサイズ機よりも被写体を引き寄せて大きく撮れることになる。ポートレートや花の他、スポーツや鉄道を大きく引き寄せて撮るのに適している。

望遠になったからと言って、あくまでフルサイズ換算値であり、実際に焦点距離300mmのレンズで撮ったときと同じように、背景の暈け方が同じになるわけではない。フレームの中で大きく写っているように見えるので、疑似望遠効果と呼ばれる。

200mmの焦点距離にして撮った場合、背景の暈け方は320mmの焦点距離に設定したレンズで撮ったときと同じではなく、200mmの焦点距離のレンズで撮った写真と同じ暈け方になる。

ただしフルサイズ機とAPS-C機の画素数が同程度か、APS-C機の方が上待っている場合、同じ被写体を同じ地点から撮り、同じ大きさに揃えようとすると、フルサイズ機はトリミングしなければならないから、写真サイズの大きさではAPS-C機の方が有利になる。飛行機撮影などには打ってつけだ。

ポートレートを撮りたい場合は、焦点距離16-55mmがお薦め。特にスタジオで撮影したい場合は、被写体との距離が大きく取れないので、これくらい短めの焦点距離のレンズの方が良い。中望遠以降の焦点距離だと、スタジオの広さによっては、バストアップしか撮れない可能性が高くなる。

運動会や鉄道、野外でのポートレートなら、焦点距離55-200mmのズームレンズが効果的だ。

さて、ズームレンズキットを詳しく見てきたが、ここまで読んで貰って申し訳ないのだが、エントリー機と抱き合わせで販売されているズームレンズは暈けにくいから余りお薦めできない。それは開放F値が広角域から中望遠に向けてF3.5-F5.6と深めなのが理由で、とかく暈けにくいのだ。55mmの焦点距離でF5.6で撮ると、つまらない写真になりかねない。つまらないのは背景が暈けずに被写体が際立たないからだ。

つまりF値を絞ってカリッカリシャープに撮りたい場合はかまわないのだが、スタジオならまだしも、野外でそれをやると、背景と被写体が一体化して、何だか整理のつかない込み入った写真になる。表現の幅を広げようと思ったら、単焦点レンズを買うしかない。この点についても後半で詳しく述べる。

エントリー機とプロ機の違い

一昔前ならいざ知らず、最近のデジタルカメラは高性能になっている。エントリー機でも十分に綺麗に撮ることが可能だ。

デジタルカメラは最新の製品に限る。出来れば型落ちは避けたい。新しく開発された技術の恩恵を被ることが出来る。古い製品を買うと後悔する。

エントリー機、キヤノンで言うところのkissシリーズは、何かと安く済むからコストパフォーマンスに優れている。自撮りするときのリモコンも安い。風景撮影やスローシャッターに使うシャッターケーブルも安い、記録メディアもSDカードに対応していて安い。コストパフォーマンスの面で様々な利点がある。

機能面においても、一眼レフデジカメ初心者に配慮した作りとなっている。夜景や花など、環境毎に最適な撮影モードが用意されていたり、一眼レフデジカメ初心者の心をくすぐる写真加工モードが用意されていたり、wifi機能が搭載されていたりと、至れり尽くせりだ。初心者でも分かりやすくカメラの設定をカメラにお任せすることができ、なおかつ使い勝手が良い。

これらの機能はプロ用のフルサイズ機にはない。プロフェッショナル機はカメラの使い方を心得ているユーザー向けなので、これらの初心者向けの余分な機能は必要とされず省かれている。まさに初心者向けに至れり尽くせり、日本人お得意のおもてなしの心が詰まった機種がエントリー機なのだ。もちろんプロのようにマニュアルモードで自分で細かくF値やシャッタースピード、ISO感度、色温度などを設定して撮ることも出来る。

ではプロ機とエントリ機の異なる点は何か。それはAF測距点の数だったり、AFの精度だったり、画質だったり、高感度撮影におけるノイズの量だったり、耐用シャッター数だったり、強固な防塵防滴仕様だったりする。この点に目をつぶれば、エントリー機でも十分性能を発揮出来る。

新しいカメラを購入する時に重視すべきは映像エンジン

最新のカメラには最新の映像エンジンが積まれている。この映像エンジンはおおざっぱに喩えるとパソコンのCPUに当たる。映像エンジンが写真の色合いを決め、写真をデータに落とし込み、ノイズその他の様々な処理をする。

エントリー機からフラッグシップ機まで、最新のカメラなら積まれている映像エンジンは同じである。ちなみにフラッグシップ機は映像エンジンが二台積まれている。1秒間に14コマの高速連写性能を引き出す為だ。同じ映像エンジンを積んでいても、撮像素子、すなわちCMOSの大きさが異なる為に、画質に差が出てくる。

これから初心者向けの新しいカメラを買うとなると、2016年2月現在では1択となる。キヤノンのEOS 8000Dだ。積んでいる映像エンジンはDIGIC6。これは5DsRと同じである。エントリー機でありながら有効画素数2420万画素、連写性能も1秒間に5コマとなっている。そして何より軽くて小さい。

2420万画素を誇るキヤノンの最新エントリー機一眼レフデジカメ EOS 8000D
2420万画素を誇るキヤノンの最新エントリー機一眼レフデジカメ EOS 8000D

APS-C機で画素サイズを考慮に入れるなら、2000万画素くらいでも良かったのではないかと思うのだが、それだけ新画像エンジンに自信がある表れだろうか。

各性能についてはキヤノンのホームページを見て貰った方が速い。数年前のエントリー機と比べても、かなり充実した性能を誇っている事が分かるだろう。

キヤノン 一眼レフデジタルカメラ EOS 8000D 公式サイト

表現の幅を広げたいなら単焦点レンズがお薦め!

次に購入するべきレンズを見ていこう。キヤノンから撒き餌レンズと呼ばれているレンズがある。Canon EF50mm F1.8 STMだ。

Canon 単焦点レンズ EF50mm F1.8 STM
Canon 単焦点レンズ EF50mm F1.8 STM

このレンズは開放F値1.8という明るさにもかかわらず、実売価格が14,000円とお手頃価格となっている。

50mmの焦点距離でF1.8とはどういうことかというと、それはもうよく暈ける。とろとろに暈ける。大三元ズームレンズと呼ばれている大口径のレンズの開放F値がF2.8であるから、察するに余りあるだろう。

しかもこのレンズは2015年に発売されたばかりの最新レンズだ。デジタルカメラの時代、レンズもデジタルカメラ向けに最適に設計されているので、レンズは新しければ新しいほど性能が良い。

オールドレンズの選択もあるが、とりあえず今は置いておいて、写りに関して言うなら、デジタル用に新開発された最新の単焦点レンズを、14,000円で手に入れることが出来るのは性能の面からもコストパフォーマンスの面からも最高の選択肢だ。

そしてこのレンズ、スペックに違わず、ユーザーの評判もすこぶる良い。知り合いの高級レンズを使っているフルサイズユーザーも、わざわざ購入したくらい盛り上がっている。

ズームレンズは楽だが、もし予算が限られているのなら、この単焦点レンズを一本持っておくことをお薦めしたい。開放F値の大きいズームレンズと違い、様々な表現の写真を撮ることを可能にする。

サードパーティ製のレンズも選択肢に入れよう

最後に名玉と呼ばれているシグマの望遠ズームレンズを紹介したい。実売価格2万円で、マクロ機能もついているシグマの望遠ズーム、APO 70-300mm F4-5.6 DG MACROだ。

実売価格2万円を切るコストパフォーマンスに優れた名玉レンズ APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO
実売価格2万円を切るコストパフォーマンスに優れた名玉レンズ APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO

発売されたのが2005年なので若干古いレンズとなるが、2万円で20万円の純正レンズに匹敵する写りをするとも言われている、コストパフォーマンスに大変優れたレンズである。

望遠で手ブレ防止機能はないが、そこは手ブレしないコツをマスターすれば、何とでもなる。

Canon EOS 8000DCanon EF50mm F1.8 STMAPO 70-300mm F4-5.6 DG MACROの3点を揃えれば、あなたも明日から写真家になれる。

今回はコストパフォーマンスに優れたカメラとレンズを紹介した。次回はストロボなどその他の機材についても紹介していきたいと思う。