ふと自分の7年間の写真歴を振り返ってみると、コスプレ写真が最も多くて、次に3年ほど前から撮り始めた風景写真、ポートレート写真はそれこそ数えるほどしか撮っていなかった。一つにはコスプレをしているコスプレイヤーさん達はポートレートを撮られたがらない傾向にある。コスプレを趣味にしている女性は、好きなキャラクターになりきってメイクや衣装で自分を飾りたてた写真を残したいのであって、素の自分自身の写真は別に欲しくない、という本音がよくTwitterに流れてくる。
もちろんポートレートをしているレイヤーさんもいるが、ごく身近な事例として長く撮影しているレイヤーさんはポートレートに誘っても全く興味が無いといった呈で、そのせいもあり、女性のポートレートを撮る機会がなかなかない。
普段のコスプレ撮影に関しては、ストロボを何灯もバチバチ使った多灯ストロボによる作品作りのような写真もあれば、ただ女子キャラを可愛くポートレート風に撮る写真もあるので、或る意味コスプレ撮影は技法的にポートレート撮影の側面も兼ね備えているのだが、可愛い女子キャラを可愛く撮るという撮影依頼があまり舞い込んでこない筆者としては、女子キャラを可愛く撮る方法が今ひとつ掴みがたく、曖昧なイメージを引きずったままだった。
さて先日筆者としては珍しいことに、可愛い女子キャラのコスプレを撮る事になった。普段は男装キャラを撮影することが多く、特に長い付き合いで良く撮影している女性達はほとんど女子キャラをやらない男装1本の人達なので、久しぶりの女子キャラ撮影でさてどう撮れば良いかという事に当然なる。
撮影場所は白スタオオサカCスタジオ。最寄り駅のJR東淀川駅から徒歩30秒という利便性に恵まれ、近くにはコンビニもある。新幹線が止まるJR新大阪駅から一駅京都寄りの駅で各駅停車しか止まらない、ビジネス街の中心地から少し離れた、昭和40年代50年代風のレトロな町並みが広がっている所だ。(全文:2,500字)