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空が夕焼けに染まる気象条件と、夕焼けをより赤く撮るためのカメラの設定

夕焼けが起こるメカニズムから、より赤い夕焼けになる気象条件と、カメラの設定を探る。

夕焼けが起こるメカニズムから、より赤い夕焼けになる気象条件と、カメラの設定を探る。

なぜ夕暮れ時に空は赤く夕焼けるのか。また夕焼けないときがあるのはなぜか。綺麗な夕焼けの写真を撮っていると、そのような科学的な疑問がふと湧いてくる。

先日大阪梅田にある梅田スカイシティ空中庭園展望台に夜景を撮りに行こうと思って、天気予報を調べてみたら、夕方5時は曇りで、6時は☆マークの晴れだった。その日は朝から雨が降っていて昼過ぎまで降り続けていたのだが、なぜか雨上がり後は夕焼けるのではないかという勘がして(だってそういう感じでしょう、雨上がりの夕空は何か夕焼けそうな予感がする)、試しに出かけてみたのだが、あいにく6時になっても分厚い灰色の雲が空を覆っていて、夕焼け空は拝めなかった。遠く明石海峡大橋あたりは雲が割れて晴れ間が見えたので、強く夕焼けているのは見えたが、梅田から見るには薄すぎる晴れ間だった。

夕焼けが発生する条件は何だろうとウェブで検索してみたら、ある高校生が実験した研究発表のページに行き当たった。その研究結果によると、西側に高気圧があり、雨上がりの次の日にはより赤い夕焼けが起こりやすいという。

夕焼け空が赤く見えるメカニズム

夕焼けがなぜ発生するのか、そのメカニズムから調べた方が良さそうだ。

白色光に見える太陽光を屈折率の異なるプリズムに通すと、虹のように様々な色に分光される。

それぞれの色の波長の長さは異なり、波長の短い青の光は大気中の粒子に当たると散乱しやすく、波長の長い赤の光は粒子の間をスイスイすり抜けて散乱しにくい。青の光は多く散乱するので空が青く見える。

昼間は太陽光が我々の元に到達する距離が短いので、空の青が強く見えるが、夕暮れ時になると太陽は斜めに傾き、我々の元に届くまでの距離が長くなる。その長い距離を通る間に青の光はあらかた散乱し、あまり散乱していない赤の光が残って、空が赤く見える、すなわち夕焼けとなる。

というような感じで、空が青い理由と、夕暮れ時に空が赤く夕焼ける理由をネットで検索した情報を元にまとめてみたのだが、写真家にとって重要なのは、どのような気象条件で空が焼ける、夕焼けが発生するかだ。

高校生の研究のページを再度確認してみよう。

はじめは湿度が関係あるのかなと大気のイメージから想像していたのだが(湿度が低いと空が焼けやすいとか)、自由研究の結果から見ると、湿度は40%〜60%前後が良いらしい。

日本の上空には偏西風が吹いているので、天気は西から東へと変わる。西に高気圧があるなら、晴れるであろうから、夕焼けが拝みやすい。

  • 日本列島の西側に高気圧が迫っている晴れた日に夕焼けは起こりやすい。
  • 更に綺麗な夕焼けは、雨が降った後の澄んだ空気となった晴れた日に起こりやすい。

まとめると「粒子の直径が波長より小さい時の散乱(レイリー散乱)は、青や紫などの波長の短い光を強く散乱する(引用)」。故に大気中の塵などが雨にが洗い流されて、小さな粒子しか大気中に残っていない場合は、太陽が地平線に傾いたときには我々の目に届くまでの距離が昼間よりも長くなり、その長い距離の間に青や紫の光はあらかた散乱してしまい、地表に到達する頃には赤の波長しか残っていないから夕焼けがより赤くなる。ということだろうか。

ということは青空をより青く撮りたいときは、同じく雨上がりの真昼が良いということか。

夕焼けをより赤く撮るためのカメラの設定

ここから先は夕焼けを赤く撮るためのカメラの技術の話に移る。

夕焼け空を寄り赤く撮るにはどうすれば良いか。以下の三つに集約される。

  • 露出アンダーで撮る。
  • 最適なピクチャースタイルを設定する。
  • ピクチャースタイルの彩度を上げる。

露出補正機能で露出アンダーに設定する。暗めのカメラの設定で撮る。

暗めに撮ると、夕焼けがより赤く撮れる。

暗めに撮ると、夕焼けがより赤く撮れる。

露出アンダーで撮ってみる。暗めに撮ると夕焼け空が寄り際立つようになる。ただし夕焼け空以外の山や町並みは暗くなるか黒くなる。

上の作例はピクチャースタイルの彩度を変えずに撮影。暗めに撮るだけで夕焼け空が鮮明に映える。

夕空が最も赤くなる最適なピクチャースタイルに設定する

キヤノンのピクチャースタイル「風景」。夕焼け空が少し薄くなった。

キヤノンのピクチャースタイル「風景」。夕焼け空が少し薄くなった。

キヤノンのカメラの場合は、ピクチャースタイルをスタンダードにすると最も濃い夕焼け空になった。風景モードが良いんじゃないかと思いがちだが、風景モードにすると赤い空がスタンダード時よりも薄くなった。最も赤く映える空になるピクチャースタイルを試してみると良いだろう。RAWモードで撮っておけば、キヤノンのカメラの場合は純正RAW現像ソフトDPPで、後からピクチャースタイルを撮影現場と同じ感覚で変えることができるので、どれくらい色味が変わるのか色々試すことができる。

上の作例はピクチャースタイルを「スタンダード」から「風景」に切り替えた作例写真。もう一つ上の「スタンダード」の夕焼け空よりも若干色が薄くなった。写真の明るさによってはまた違った結果になり、「風景」の方が理想的な夕焼け空に写るかもしれない。

ピクチャースタイルの設定から、彩度の項目を上げる

キヤノンの純正RAW現像ソフトDPPで色の濃さを+2.5あげた。

キヤノンの純正RAW現像ソフトDPPで色の濃さを+2.5あげた。

単純な方法だが、最後の方法として、ピクチャースタイルの彩度を上げる。それだけで赤みは増す。最後の方法と書いたのは、上げすぎると夕焼け空や他の被写体が色飽和を起こす可能性もあるので、他の被写体との兼ね合いに注意する必要があるからだ。彩度はあまりにも上げすぎると不自然な色の写真になる。

しかし夕焼けの空の撮影の場合は、露出アンダーや暗めに撮れば山や町並みなどは暗くもしくは黒く写ることが多いので、彩度を思い切り上げても気にならないかもしれない。