畳の部屋で撮る時は自然光で肌の色を整えよう

カーテンが閉まっている状態で撮影したが、色味はまずまず。
カーテンが閉まっている状態で撮影したが、色味はまずまず。

15人の大型併せの撮影に行ってきた。撮影場所は再びカエデの郷ひらら。撮影も中盤にさしかかり、畳の部屋で撮ることに。中に入ると意外と広い。先ほどまで更衣室として使っていたのでカーテンが敷かれていた。

天井を見ると蛍光灯が薄黄色い。ひょっとしたら肌が黄色く写るのではないかという懸念が湧く。

前回の記事でも書いたとおり、蛍光灯を光源に撮影する場合は、常に演色性の問題が潜んでいる。演色性とは太陽光を基準として100と規定した場合、特殊演色評価数が100に近ければ近いほど、自然光が当たっている時と同じ見え方をする。昔の蛍光灯は、この評価数が余り良くないので、肌が緑っぽく写って仕舞いがちだ。

とりあえず畳と部屋を試し撮りしてみたが、そんなに黄色くは写らなかった。カーテンを開けて、自然光が部屋に射し込むようにした。

蛍光灯の演色性の懸念から、カーテンを閉めた状態で畳を試し撮りしたが、そんなに黄色くは写らない。
蛍光灯の演色性の懸念から、カーテンを閉めた状態で畳を試し撮りしたが、そんなに黄色くは写らない。

この日のカメラマンは4人。皆テストショットを撮り始めて、やっぱり黄色く写ると言い出した。畳の色が顔に反射しているからだという。

ちょうど演色性に関する記事を書いたばかりだったので、畳ではなく蛍光灯が黄色く写る原因かと睨んでいたところだったので意表を突かれた。もう一度蛍光灯を仰ぎ見たが、やはり薄黄色く見える。

しかし言われてみれば畳の反射も写真が黄色く写る原因かも知れない。プールで撮影した時も、水槽の水色が顔に照り返してきて、肌の色を整えるのが大変だった記憶がある。

蛍光灯を調べてみると、東芝蛍光ランプ・ラピッドスタート型・FLR40S.W/M。相関色温度は4200Kと低めだ。平均演色評価数は不明。分光分布を見てみると、蛍光灯らしい尖ったチャートを描いていて、青と緑、黄色が突出している。

写真で撮ると、オートホワイトバランスの機能が働いたせいか白く見えるが、実際は薄黄色く見えた。
写真で撮ると、オートホワイトバランスの機能が働いたせいか白く見えるが、実際は薄黄色く見えた。

さて、どう撮るか。やってみなければ分からない。他のカメラマンはストロボで撮り始めた。ならこちらはわざわざストロボを持ち出すこともないだろう。色んな光源で撮っておいて損はない。それに15人がほぼ横に並んでいる状態なので、ストロボ光が全員に届くかどうかが疑わしい。また、ストロボを正面から当ててしまうと、ストロボを当てた感のする写真になってしまうのも難点だ。ならいっそ、自然光のみで撮っておこう。

撮影した限りでは、オートホワイトバランスでも自然光に近い発色をした。やはりオートホワイトバランスは優秀かな。55mmの標準レンズを使って、両端に位置している人物が歪まないように撮影。ホワイトバランス微調整なしで、自然な肌の発色となった。カーテンを開けて自然光を取り込んだのが功を奏したのだろうか。

やや緑というか黄色がかっている肌のメンバーもいるが、ホワイトバランス微調整をいじると、他のメンバーの肌の色が変わってしまうので、断念。調整したところで色相に限界があるように感じた。やはり蛍光灯、もしくは畳の色が顔にはね返るせいだろうか。