野外撮影の愉しみ

夕暮れ時のカップル。逆光での撮影は被写体を輝かせる。
夕暮れ時のカップル。逆光での撮影は被写体を輝かせる。

野外で撮る楽しみと言えば、やはり自然光を十二分に活用できることだろう。スタジオ撮影ではストロボやライトボックスなどを使って被写体の顔を綺麗に撮らなければならない。そのためにはある程度のストロボやライティングに関する知識が必要だし、頭を働かせなければならないのが面倒だ。

その点、自然光を生かした人物撮影は楽である。基本逆光で撮れば良い。太陽が頭上にあれば日陰に入って貰って撮れば良い。曇りの時は太陽の方向を考える必要がなく、被写体の顔が綺麗に写る。そして最高のライティングである夕陽。撮影のクライマックスとなる夕暮れ時には、ドラマティックな写真がたくさん撮れる。

夕陽の逆光が強すぎてピントが甘くなってしまったが、お気に入りの1枚。髪に帯びた光が神々しい。
夕陽の逆光が強すぎてピントが甘くなってしまったが、お気に入りの1枚。髪に帯びた光が神々しい。

これをスタジオで再現してみろと言われれば大変だ。カラーフィルターはいるし、色温度はケルビン指定しなければならないし、なかなか良い色合いで出てくれないし、自然光らしさをストロボで再現しなければならなくなれば、光の角度まで調整しなければならない。

窓のないスタジオで、窓から夕陽が差し込んでいるかのように、ストロボを使って撮った写真。
窓のないスタジオで、窓から夕陽が差し込んでいるかのように、ストロボを使って撮った写真。

それはそれで楽しいのだが、自然光の方が断然楽である。第一お金がかからない。ストロボなら軽く2万は飛ぶだろう。多灯ライティングにすれば最低でも4,5万はかかる。

と言いつつ、ストロボを使って撮ることも忘れない。
と言いつつ、ストロボを使って撮ることも忘れない。

自然光なら、レフ板1枚で済む。アシスタントなしで野外で撮る場合なら、レフ板ホルダーなどを入れても、高くてせいぜい15,000円~20,000円程度だ。白壁や空などを活用して、レフ板がなくてもキャッチライトが入る工夫をすれば、カメラとレンズ以外の費用は0円だ。レフ板もバストアップで撮るなら、白い紙をモデルに持たせれば代用できる。

外で撮ると、雨や雪が降ることがある。撮影者にとっては機材が濡れるのは一大事だが、普段から天気予報や雨雲レーダーなどをチェックして事前に雨が降ることが分かっていれば、雨撮影用の装具を持って行けるので、雨の中でも撮影を敢行できる。

狐の嫁入りに遭遇した。予想だにしない天候の変化も、野外ロケの魅力の一つだ。
狐の嫁入りに遭遇した。予想だにしない天候の変化も、野外ロケの魅力の一つだ。

逆光、夕陽、雨、街灯・・・、野外にある様々な光を活用出来ることも、野外撮影の醍醐味だ。

model:Ruka & Ricchan
model:Ruka & Ricchan