etoile studio

野外撮影はマニュアル or 絞り優先モード?

model:Kai / Canon 5DsR / Otus1.4/85 / AWB / M / F1.4 / 1/640s / ISO:100 / Portrait / Raw:DPP

model:Kai / Canon 5DsR / Otus1.4/85 / AWB / M / F1.4 / 1/640s / ISO:100 / Portrait / Raw:DPP

久しぶりにポートレート撮影に行ってきた。アマチュアカメラマンのポートレートと言えば、通常は野外である。スタジオでの撮影とは異なり、自然光を最大限に生かしてモデルを美しく撮ることが出来る。観光地を散策しつつ、気の合うモデルと会話しながら時間を気にせずのんびりと撮影するスタイルはとても楽しい。

スタジオで撮影する時は、カメラの設定はマニュアルモードにしている。ストロボもマニュアルである。露出と調光を固定したら、後はほとんど変えることはない。他のスペースに移動するまで、ずっとカメラのストロボの設定を固定して撮っていく。一定の明るさで撮れて楽なので、カメラもストロボもマニュアルモードだ。

もっとボカしたいとか、もっとクッキリ撮りたいとかいうことになれば、F値を変えて、カメラやストロボの設定も変えるだけ。また固定して撮影続行。手動で明るさを設定する。我ながら慣れたものだ。

ところが野外での撮影となると、そうはいかなくなる。太陽が出ている時に撮影していたのだが、全体が急に陰ってきた。太陽が雲に隠れてしまったのだ。そうなると、写真の明るさが変わってくる。モデルの顔が白く撮れていたのに、暗くなってしまう。マニュアルモードの場合は、シャッタースピードを緩くするなり、ISO感度を上げるなりして、カメラの設定を変えなければならなくなる。F値も開放まで持って行く必要もあるかもしれない。

さて、さっきと同じ明るさで撮れる様にカメラの設定を変えた。気を取り直して撮っていく。すると今度は視界がふわっと明るくなって、写真全体が白飛びしてしまった。雲に隠れていた太陽が再び顔を出してきたのだ。

写真の明るさが天候に著しく左右される野外では、マニュアルモードで撮るよりも、絞り優先モードや、いっその事プログラムモードで撮ってしまってはどうかと思う時さえある。プロカメラマンもプログラムモードやオートモードを活用しているというではないか。いつぞやのフォトテクニックデジタルに掲載されていたポートレート写真のExif情報にも「オート」の文字が小躍りしていた時があったではないか。

そこでこの日は、久々に絞り優先モードにして撮ってみた。Avモードという奴だ。Aperture(絞り) Value(値)の略。これでカメラが自動的に露出を計算して、天気がコロコロ変わる度に、シャッタースピードを最適な明るさで撮れる様に変えてくれるだろう。わざわざダイヤルをいじって設定を変える手間が省けるというものだ。

そうして撮っていったのだが、写真を確認してみると、凄く手ブレしていた。何だこれ。アッと思って、シャッタースピードを確認してみたら、1/50秒。つけているレンズは85mmである。手持ち撮影で手ブレしないシャッタースピードの範疇を超えてしまっていた。手ブレしないシャッタースピードの目安は、1/焦点距離(秒)だ。この計算式の焦点距離に2を掛けてやると、格段に手ブレ写真は減る。

85mmのレンズで、1/50秒ではどうしてもブレてしまう。しかも5060万画素の5DsRだ。等倍で見れば手ブレが目立つに決まっている。かといって肩を凭れさせられる手頃な壁もない。

どうも参ったことに、自動でシャッタースピードを決めるとなると、明るさが足りるか足りないかのギリギリの所では、シャッタースピードが1/125秒以上速くはなってくれないようだ。ISO感度をAutoモードにして、シャッタースピードが1/125秒よりも速くなる様に、ISO感度の方をもっと上げてくれれば良いのだが、シャッタースピードを1/50秒まで下げて明るさを確保しようとしてしまう。

ではISO感度を固定すればいいのかもしれないが、せっかくなら解像感の高い写真を撮りたいので、なるべくならISO感度は低い方が良い。

ではシャッタースピード優先モードで撮ってみては?これもよろしくない。今度はF値を勝手に変えてしまう。もっと背景をボカしたいとか、顔をクッキリ撮りたいとか、被写体の背後の余計な物体を思い切りボカして目立たなくしたい等の当初の撮影目的を達成するために、このF値で撮りたいというこだわりがあるのなら、この手も使えない。

あっちが立てば、こっちが立たずという奴だ。

結局の所、野外での撮影もマニュアルモードで撮るしかないのだろうか。プログラムオートモードでライブ撮影をしていたときのように、ISO感度もF値のコダワリもなかった、ただライブステージで踊り歌う演者のカッコイイ勇姿を、シャッターチャンスを狙ってガムシャラに撮っていたあの頃には、もう戻れないのだろうか。

オートモードで撮った時の方が、意外な写真が撮れることがあるかも知れない。このF値ではこんなに瞳が魅力的に撮れるのか!といった様な感動に出会えるかも知れない。それでも一度マニュアルモードの味を覚えてしまうと、コダワリが出てきてしまい、なかなかオートモードには戻れないのだ。きっと妙ちくりんなプライドが邪魔をするのだろう。

この日の撮影はとても楽しかった。久しぶりに5060万画素を誇る5DsRを持ち出した。おそらく撮影枚数は少ないだろうと思ったからだ。レンズも必要最小限。ポートレートに必須のOtus1.4/85、狭い場所でも撮影可能なOtus1.4/55、景色を生かして広々とダイナミックに撮ることもあるだろうとEF16-35mm2.8Lの3本を選んだ。

いつもの様に17~8kgもある重いリュックを背負うのは止めて、僕もオシャレして、軽装備で出かけた。何よりモデルがとても魅力的。女性に人気があり、フレンドの誰もが「あの人凄く綺麗だったです」と褒めそやす。道中は結構お馬鹿な会話ばかり楽しんでいた。山の手にある異人館街を通り抜けた後に、彩色豊かな中華街に寄ったり、冬の海の方に出たりして、夜が更けるまで二人して撮ったり食べたりと楽しんだ。

model:Kai / Canon 5DsR / Otus1.4/85 / AWB / M / F2 / 1/160s / ISO:100 / Portrait / Raw:DPP

model:Kai / Canon 5DsR / Otus1.4/85 / AWB / M / F2 / 1/160s / ISO:100 / Portrait / Raw:DPP